【イベントレポート】1年間の集大成「ゼロフェスII」、ニューヤンキーたちが見せた磨き抜かれた個性とは?

2月24日(土)・2月25日(日)、”個人のクリエイティブ最大化”をコンセプトとした、1年間限定シェアハウス「共創型コリビング ニューヤンキーノタムロバ」にて、1年間の集大成となるイベント「ゼロフェスII」が開催されました。

「ニューヤンキーノタムロバ」は2022年4月にオープンした共創性コリビングです。入居者は選考により決定し、1年間で卒業。限られた期間で仲間とともに自身のクリエイティブを磨き上げ社会にアウトプットしていく「ニューヤンキー」たちが集結し、仲間と共に「自分のやりたいことに向き合い、挑戦する」そんな住まいの場です。

そして今回開催された「ゼロフェス」は、1年間の暮らしの集大成。ニューヤンキ達が、目標を掲げここで暮らし、たくさんの人と関わり生活をした中でアップデートされた個性や価値観を、様々な形、色、写真で表現しました。

果たして、彼らはこの1年間をどのように過ごし、どんな想いと共に卒業していくのでしょうか。彼らの表現、そしてそれぞれの1年間のストーリーをご紹介します!

日常と非日常を行き来しているような日々だった

会社員をする傍ら写真家としても活動するうめちゃん。「ゼロフェスでは」、7人のニューヤンキーたちと過ごしてきた日常とそこにアートを織り交ぜた非日常、そして大好きな場所であるアフリカの日常と非日常という、2つの「日常と非日常」をテーマとして写真とともにこの1年間を表現しました。

日常の一コマや、住民たちと一緒に作り上げたライブボディペインティングで撮影した写真
学生時代からアフリカ大陸への強い想いがあるといううめちゃん。タムロバに滞在した1年の間にも数回渡航し、撮影を行ったという。

うめちゃん:「この1年で得た大きな変化は、ただのコミュニケーションツールだった「写真」というものが、自分を表現するツールに変わったことです。タムロバに住む前は「周りにどう見られているか」を気にして、人の笑顔や綺麗なものなど誰もが良いと思うような写真ばかりを撮っていましたが、住んでいるうちに、自分の「こう撮りたい」という気持ちを素直に、個性的なポーズや笑顔ではない写真を撮るようになりました。1年間一緒に住んだからこそ、「こんな表情で撮りたい」、「こんなポーズが似合いそう」というインスピレーションがたくさん湧いたんです。日常と非日常を行き来しているような刺激的な日々でした。」

「エンジニアって魔法みたい。」自分のスキルに自信が持てるようになった

普段はエンジニアとして働くすみちゃん。「今世:エンジニア」「来世:アイドル志望」というタムロバで見つけた自身の特性を活かし、他の住民とのコラボレーションや、自己表現の探索過程を展示しました。タムロバのアイドルとして地域のイベントなどで握手会を開催していたという彼女は、「ゼロフェス」でも、タムロバのアイドルとして、握手会を開催しました。

checoさんのアイディアと、すみちゃんのエンジニアスキルのコラボレーションによって誕生した焚き火を思わせるオブジェ。屋上でテント泊をしたり、BBQや焚き火をしたりなどのタムロバでの日常を表現している。燃えているのは額縁。checoさんが入居当時から囚われている”枠”を壊そうとした試みが掛け合わされたアイディアなのだそう。

すみちゃん:「タムロバには、被写体や音楽など広く浅くいろんなことをやってみて自分にフィットする表現方法を探したいと思い入居したのですが、いろいろな選択肢を試したり、エンジニアのスキルを活かして、他の住民の作品づくりに携わることが出来たり、誰かのアイディアを形にする中で、『エンジニアって魔法みたいなものなんだな』って気づいて。

これまではなんとなくエンジニアとして働いていましたが、自分の持っているスキルを以前よりも誇れるようになりました。まさかアイドルになるなんて思ってもいなかったし、自己肯定感がこの1年間ですごく上がったと思います。今後は、エンジニアの仕事をもっと頑張りたいなと思っています。タムロバに住んで本当によかった!」

制作することの楽しさを実感。これからの人生が楽しみになった

 普段は建築士として働いているさとくるさんは、制作した服やイラストなど、タムロバで生み出したたくさんの制作物とともに1年間の暮らしを表現してくれました。服作りを始めたいという想いとともに入居した彼女。タムロバでの出会いをきっかけに、外部イベントでの服の展示や他のアーティストとの出会い、さらにはイラスト教室の講師としても働くことが決まるなど新たな実りが多くあったそうです。

タムロバでの出会いをきっかけに、自身が作った洋服を子どもたちに着てもらい、写真を撮るというイベントを開催。彼女のオリジナリティ溢れる洋服を自由にまとう子どもたちの姿が印象的で大きな学びがあったそう。

さとくる:「自分の心の中だけに納めていた服が好きという想いを、みんなと一緒に楽しめた1年間でした。作った服を着てもらったりなど、誰かを巻き込みながら服作りを楽しみたいと思い入居をしましたが、実際には服だけでなく、他の住民と一緒にイラストや空間づくりにも挑戦することができました。自分が作ったものがいつの間にか自分のもとから離れてより良いものになっていく事の楽しさを実感し、これからの人生がすごく楽しみになりました。」

2人で居たからこそ、タムロバだからこそ作れたものがあった

普段は、再生家のNodom(ガス)、イラストレーターFJMY(ふじまゆ)として活動している2人は、制作する場所と生活空間がすぐ近くにあるタムロバの環境に惹かれて入居を決意し、初めての同棲生活をスタートさせました。そんな2人の表現のテーマは「生活と制作」。普段お2人が生活しているお部屋と、2人の作品を集めたお部屋の2部屋に、1年間の様子を表現しました。

異なる趣味趣向が喧嘩することなく共にある2人の生活空間。こだわりは天井につるされた雲なのだそう。
2人の作品を集めた部屋

がす:「シェアハウスに住むことも、パートナーと同棲をすることも今回が初めて。期待と分からないことがたくさんあり、人との距離や人間関係について考えさせられました。
私たち2人には似た価値観も多いけれど、描き方やタッチの仕方など異なる好みもたくさんあります。それらを活かし、補い合いながら生活と制作の両方に力を注いだ一年間、この生活があったからこそ、タムロバに住んだからこそ、作れたものがありました。」


ふじまゆ:「クリエイターとしての活動に疲れ、自分が何を作りたいのかが分からなくなってしまっていた時にタムロバに出会いました。入居後は、タムロバで行うイベントに向けて制作し続ける日々。自分が何を作りたいのか、その答えを出せないまま何かを作り続けなくてはならず、少し苦しくもありましたが、それでも住民のみんなに自分の作品を褒めてもらえたり、「ふじまゆらしいね」と言ってもらえたからこそ頑張れたし、気づけたことがたくさんありました。今は作業をすることがすごく楽しいです。今年は個展をやりたい!」


暮らしをクリエイティブに変えていく仕掛け人「コミュニティビルダー」として、1年間住民たちの暮らしをサポートしてくださったchecoさん。ゼロフェスでは、住民全員が参加したライブペイントでタムロバの室内にある好きな言葉を着物に書いて仕上げた1着と、1年間やり続けた「無駄づくり」の1部を展示しました。

1年かけて収集した小さなキャンバス。タムロバを訪れた人に書いてもらったものなのだそう。

Checo: 「自分は人を頼るのが苦手でひとりで何でもやってしまうので、他の人を頼りながら、大きな何かを一緒に作り上げたい。そんな想いとともに、人との交流を避けられない「コミュニティビルダー」という役割に挑戦しました。

1年の前半は、私がイベントを準備することもありましたが、住民たちも自発的に制作をする人たちが多かったので、『自分が何かしてあげないと』と思う機会は少なかったです。

特に後半に差し掛かるにつれて、イベントの開催が偶発的に決まったり、タムロバを通して生まれたつながりをきっかけに外部でイベントを行ったりなど、それまでに準備してきたことが段々と実ってきて。1人ではなく、みんなとの会話の中で生まれたアイディアや、コラボレーションを通して何かが誕生することの楽しさを実感する日々でした。

今回のゼロフェスでは、そんな日常の中で生まれたものをたくさん展示しています。
ゼロフェスを1番楽しんでいるのはきっと私なんじゃないかな。日々コツコツと積み重ねてきたものを表現出来る場になってよかったです。」

個性豊かな仲間達と共に、自分の個性とその表現に向き合ってきた住民のみなさんの表現と1年間のストーリーはいかがだったでしょうか?
タムロバでの1年間を経て磨かれた個性をそれぞれの方法で表現してくださったゼロフェスは、単なる成果物としてだけではなく、熱くまっすぐな想いと共に過ごされてきた1年間の暮らしぶりや、タムロバを通して得た人生の変化そのものを見させていただいたような気持ちになり圧巻。タムロバでの暮らしに興味を持たずにはいられない、そんなイベントでした。

2/24(土)の夜には、レセプションパーティを開催。入居者の友人や家族、YADOKARIメンバーや、これから入居を考えている方などが集って熱く語り合う、あたたかい場となりました。

ここで1年間を共に過ごした後、それぞれの人生へと歩みを進めていく6名のニューヤンキーのこれから、そして3期生の暮らしはどのように幕を開けるのか、期待で胸が膨らみます。なんと、3期生は現在も募集中。

あなたもニューヤンキーとして、社会の「常識」にクリエイティブという個性をぶつけ、これからの時代を変えていく、そんな1年間を過ごされてみてはいかがでしょうか?その時間はきっと、あなたの人生を変える1年間になるはずです。