ウェールズの大自然にひっそりと佇むリゾートキャビン「Arthur’s Cave」

via: archdaily.com

イギリスの女王や王家が住む伝統と格式のあるウェールズ。
Castelly Bere(カステリーベアー)という広大な自然が広がる場所に、小さなリゾート「Arthur’s Cave」がひっそりと佇んでいる。

このリゾートは、ロンドンを本拠に運営する建築会社「MKA」のPaul MillerとMichael Kendrickの2人によって建てられた。Paul Millerはランドスケープデザイナーとしてのキャリアがあり、Miller Kendrickは持続可能性な家づくりをテーマに建築をしていたという。

そんな2人が手掛けた小さな空間の中には、どんな豊かさやこだわりが詰め込まれているのだろうか。

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「Arthur’s Cave」は、12スクエアメートルほどの小さなキャビン。中には、リビングルームと寝室がそれぞれあり、それに挟まれた形で洗面所が設置されている。必要最低限のミニマルな作りがされているが、それぞれに窮屈さは感じられない。

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黒で着色された建物が、リゾートホテルらしいシックな雰囲気を醸し出す。

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外装の壁はウェールズ産のカラマツで貼られている。「Esgair Forest」という地元の森から採取したものだ。

断熱材はウェールズ流に羊の毛を利用、その大半は地元(Ty-Mwar)で採れたものだ。イギリスの冬は想像するよりもずっと寒い。日常生活を考えるなら、それに順応する工夫が必要となる。彼らはここで暮らしてきた先人たちの知恵を借り、快適な空間をつくることを実現したのだ。

大自然の中に設置されたキャビンであることや、窓から望める美しい景観だけでなく、空間そのものを形作る素材を通してこの地の自然とのつながりを感じることが出来るのが、Arthur’s Caveの魅力の1つだ。

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室内は薪暖炉で暖める。冬場の寒さがますます厳しくなっているイギリスだが、ミニマルな空間だからこそ、このような昔ながらの方法で快適に過ごしつづけることができるのだという。

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洗面所、浴槽までベニア板でできている。「ベニア板」と書くと安っぽそうなイメージがあるが、ウェールズのデザイナーにかかれば、備え付けられるもの一つ一つがスタイリッシュに、そしてシックな仕上がりになる。

ウェールズといえどもここは人里離れた大自然の中、インフラの整備が整っているわけではない。ソーラーパネルを使いLEDを光らせ、温水も使用可能、トイレはコンポスト式となっている。

内観そのものはナチュラルな印象があるものの、建築手法や技術はモダンで最先端のものが使われている。

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この建造物は木材の板を何枚も使い、まるで「肋骨」のように建物を支えていることが確認できる。この複雑な構造を連結させ、パズル上に切った木を組み合わせる手法をとっている。

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パズル自体の組み合わせはもろいが、この肋骨状の組み合わせにより構造上の強度を出している。この木材はCNCルーターに使われていたカバ材を使用しているが、その上に合板を重ねて構造を強固にした。

この工夫は、ユニークな構造を実現させただけでなく、写真のように視覚的にも非常に面白い効果を生み出し、ゲストを楽しませてくれる。

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また夜になると、大きな窓から暖かい光やシルエットが現れる。

大きな窓を取り付けたことにより、日中は室内に日の光を多く取り込むことができるだろう。イギリスはとにかく曇りの日が多いため「晴れの日」や「日光」というのが貴重でとてもありがたいものになる。

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大きな窓に面しているのはウェールズの山々、そして、遊牧されている羊たちなど美しい大自然だ。最高の景色と新鮮で透き通った空気が楽しめる。これ以上の贅沢はないだろう。

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「リゾートxスモールハウス」というのは最近よく見られるようになってきたコンセプトだ。
スモールハウスというミニマルでハイセンスな空間が作り出す非日常は、リゾートという概念に見事にマッチする。さらに「好きな場所における」という可動性は、他にない特別感を演出してくれるだろう。

この場所に大がかりなホテルが建ってしまえば、この場所が持つ本来の美しさが薄れてしまう。しかしスモールハウスを設置すれば、その雰囲気を壊すことなく、私たちが身を置くことのできる空間を作り出すことができる。

自然のありのままの姿を維持しながら、その自然を私たちが享受する。そんな環境をつくる手段の1つにスモールハウスであることを、Arthur’s Caveが教えてくれているかのようだ。

 

via:
http://humble-homes.com/
millerkendrick.co.uk/
hiconsumption.com
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QUOTE

自然の本来の姿をそのままに、その美しさを私たちが享受する。
リゾートとスモールハウスをかけ合わせれば、それが実現できるのではないだろうか。