ミニマルで極上のホスピタリティ。ブラジルの森に佇む睡眠のためのキャビン「Chalet」

via: https://www.silviaacar.com/

ブラジルの首都サンパウロの近くにあるサオ・ローレンソ・ダ・セラという村の森の中に、キュービック型のスタイリッシュなキャビンがひっそりと佇んでいる。この「Chalet L」(シャレー・エル)と名付けられたスモールハウスを建築したのは、ブラジルのサンパウロに本拠を置く建築会社のSilvia Acar Arquitetura  (シルビア・アカール・アーキテトゥーラ)。「Chalet」とはフランス語で山小屋を指す言葉だが、まさにブラジルの山小屋といったところ。


ここは山道の真ん中にあり、まるで簡易休憩所のようにポツンと立っている。

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鉄の柱で持ち上げられた高床式で、入り口は地上から2メートルほどの位置にある。鉄のフレーム上のキューブ型の建物は、現地で直接溶接された。山小屋とはいっても、高さがあり前面がガラス張りで、非常にモダンな雰囲気があるツリーハウスのようだ。

ブラジルというと、アマゾンのような熱帯の密林を思い浮かべる方も多いかもしれないが、サオ・ローレンソ・ダ・セラは、赤道近くの北部とは違い、南半球に位置するため四季があり、夏場は暑く、冬はコートやジャンバーが必要になる程寒いところ。
そのためこの山小屋には、熱エネルギーを効率よく電気や冷却・加熱に再利用する仕組みの、熱音響断熱材を壁に施している。このようにリモートエリアの電気の供給のソリューションとなったり、室内の温度をなるべく快適に保つことに大きなプラスとなる。

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このキャビンの床面積は67平方メートルほどで、ちょうどベットが収まるくらいのスモールハウス。玄関から入って左手にはベット、右手には簡単な洗面シンク、窓側に備え付けのデスクがあるのみ。ベッドに腰掛けるとデスクの高さが絶妙で、椅子は必要ない。
窓を開け、大自然の景色と風を感じながら、執筆したりパソコン作業などができるので、ノマドにとっても理想的な環境となる。

この小屋は「一晩をシンプルに過ごす」というプロジェクトの考えの元作られた。そのため、ただ一つのスペースの内装は白を基調にしたベニア板が貼られており、屋根は金属のレイヤーを貼っただけと非常にシンプルで、家具はベッドのみ。

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そんな中、唯一の贅沢は、前面のガラス窓から見える自然の景色だ。ツリーハウスのような高床式のおかげで、遠くの豊かな森や、渓谷の自然を見渡すことができる。

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自然の中の散策はとても魅力的であるが、時には自然の厳しさを垣間見る時もある。そんな時、このようなシェルターに出会えると、安心して自然の美しさを満喫することができそうだ。トレッキングの途中で日が暮れてきたらここで宿をとり、また翌朝には次の旅路にへと出る、そんな旅も楽しめそうだ。

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不必要なものを極力取り除き「睡眠」という最高の贅沢をブラジルの自然と共に提供する。このようなミニマリズム的な価値観も、ホスピタリティの1つの形と言えるのではないだろうか。

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