海沿い暮らしの新たな選択肢に。南西フランスで見つけたタイニーハウス「h-eva」
ここ南西フランスのユスタリッツは、スペイン国境のほど近くに位置し、車で1時間も走ればスペインのサン・セバスティアンに入る。フランスとスペイン両方の文化を併せ持つバスク地方と呼ばれ、一時独立の気運が高まった事でも有名な地域だ。
そんなユスタリッツに、20平方メートルほどのタイニーハウスが建てられた。フランスの建築事務所「A6A」が建てたこのタイニーハウスの名前は「h-eva」。モダンさと伝統素材を織り交ぜた居心地の良い家となった。
この住まいの外壁は焼杉のように真っ黒で、木材は全て地元産のベイマツを使用。板を炭化させることで虫や天候からの被害も防いでいる。
木製のタイニーハウスは、トラックなどで気軽に移動することも可能になっている。組み立てられたこのボックスをクレーンなどを使い、現地に設置するだけ。基礎を作らないので、時間と費用を節約できるだけでなく環境に与えるダメージも少ない。
20平方メートルほどの室内は、木目を生かした内装でDIY感のある簡素な作りだが、コンパクトなキッチン、ダイニング&リビングルーム、洗面所、寝室まで完備されている。
鉄製の梯子で上がるロフトはベッドマットが置かれ、大人2人が寝るに十分なスペースがある。
さらに、ロフトの下のスペースにもう一つベッドがあり、プライバシーを守りながら家族や友人などの宿泊も可能だ。
移動式のタイニーハウスなので、電力は自給自足。屋根上に取り付けられた太陽光パネルで、照明など最低限の電気をまかなうことができる。
ファサードは大きなスライド式のガラス窓を取り付けているので、日中は陽の光をふんだんに取り込み室内も明るい。ガラス戸を開け放つと周りの自然と一体になり、狭い家に広がりを与えてくれる。
プレハブ式の移動可能な家なので、このように水辺ギリギリのところに設置することも可能。天気のいい日には、カヌーを楽しんだあとに、ウッドデッキで景色を見ながら食事をして至福の時間を過ごすことができる。
ユスタリッツは森に囲まれた自然豊かで静かな場所だが、車で30分ほどでバスク地方の中心地バイヨンヌや、美しい海辺の高級リゾート地ビアリッツにも行ける。
また、この地域は WSL ( World Surfin League ) が開催されるHossegor (オスゴール)も近くにあることから、世界有数のサーフポイントとしても有名な地域。サーフタウンとして世界中のサーファー達にとっては聖地でもある。サーフィン中心のライフスタイルには最高の場所だ。
どこでいい波が来るのかということはその日の天候などによって違うので、基本的にサーファーはいい波を求めて放浪することになる。典型的なスタイルとしては、キャンピングカーなどでの寝泊まりをする生活だ。実際この地方に行くと、本当に数多くのキャンピングカーが海岸沿いに駐まっていて、ヒッピー系のヨーロッパ人が寝泊まりしているのを目にする。
このタイニーハウスは、そんなキャンピングカーの生活よりも、少しアップデートした暮らしを提供しつつも、気軽に移動できるというモビリティも備えている点でとても魅力的。もちろんサーファーだけではなく、いろんなシチュエーションで活用できる可能性を秘めているといえる。
via: