メイド・イン・フィンランド。森の中のスモールハウス「small but fine」
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ここは北欧・スカンジナビア半島の一番西側の国、フィンランド。
森の中を分け入り、木の板でできた歩道をしばらく歩いて行くと、池のほとりにこじんまりと佇むスモールハウスが現れる。
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このスモールハウスは、ドイツ・ベルリンを拠点としてコンビを組んだグループ「politaire(ポリテアー)」の、jonas becker (ジョナ・ベッカー )と timm bergmann (ティム・バーグマン ) の二人が建築した。大学生だった二人が大学におけるプロジェクトの一環として、限られた予算の中で建築しなければならなかった事情もあり、このキャビンはほぼ彼ら2人のみで建築された。
このキャビンの名前は「small but fine(スモール・バット・ファイン)」、日本語にすると「小さいけどいい」という感じのニュアンスになる。
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豊かな自然、木々が生い茂るフィンランドの森において、2人は「自然を制圧しない」ということをコンセプトにしている。
2人は「建築」を勉強しているものの「ビルディング」をやってきていたわけではなく、そこまでの材料の加工技術があるわけでもない。また、多くの予算を割けるわけでもなかった。
そこで、使用した素材は現地の木材。結果として、持続可能で、エコで再生可能なスモールハウスができた。
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このスモールハウスは、4つのキャビンを少しずつずらして建てられている。それぞれキッチン、リビングルーム、寝室、スカンジナビアらしいサウナ室の4つのキャビンで、建物の大きさは総床面積30平方メートル。
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中を覗いて見ると、木目のベニア板の合板で貼られた簡素な作りながら、居心地の良さがうかがえる。
キッチン兼ダイニングルームの壁の一側面は6つの大きな窓となっている。この窓から自然光をふんだんに取り込むことができ、部屋の中が優しい光で照らされている。森の中で電気の供給もないが、夏は白夜などもあるフィンランドでも、この大きさの窓があれば一日中家の中を照らすことができるだろう。
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細長く黒い薪ストーブに合わせた煙突のデザインも、既製品ではかなり高くつきそうなので、自分たちの自由な発想を取り入れて設計した。
外から家をよく眺めると煙突が2つある。一つはリビングにあるこの薪ストーブだが、もう一つはサウナ用の薪ストーブだ。
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家の中にサウナがあるというのは日本ではあまり一般的ではないが、スカンジナビアでは普通のこと。
これがあれば寒い冬も暖かく乗り切ることができる。
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フィンランドやスカンジナビアの人々は、短い夏を謳歌するために過ごす、「サマーハウス」というものがある。このスモールハウスの外にあるテラスでは、夏の日などはバーベキューや白夜を楽しむことができるだろう。
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今回のスモールハウスはそのような、北欧の「夏を楽しむ」という文化を受け継いだ、サマーハウスの伝統を取り入れたものだと言える。
2人の出身地であるドイツ、特にベルリンの冬は寒く、やはり夏になると人々は思い思いに外に繰り出して、短い夏を楽しむということを伝統的にしている。
北欧の伝統を取り入れながら、テラスや屋根、煙突を自分たちで思いついたままに作ったそうだ。このようなプロセス自体が、スモールハウスのセルフビルドの楽しさでもある。仲のいい友達などと協力してビルドするというのは、想像するだけで楽しそうだ。
via:
https://www.designboom.com/
https://www.archdaily.com/
http://www.politaire.de/