キットで作れるのが嬉しい。オーストラリアの建築家が手がけたスモールハウス「IMBY」
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オーストラリアの建築家であるアドリアーノ・プピリがアイコニックなデザイン性と2つの窓が特徴的がタイニーハウスをデザインした。
名前は、「IMBY」:In My Back Yard (イン・マイ・バックヤード)。日本語に訳せば「私の裏庭に」ということになる。彼は、その名の通り裏庭で使用することをイメージし、自分でセルフビルドすることのできるスモールハウスを作るための建築キットを考案したのだ。
昔ながらの木製の小屋の技術をアイコニックなルックスを持つ「IMBY」。セルフビルドとは思えないほど、洗練されたこの住まいにはどんな工夫や想いが込められているのだろうか。
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このIMBYが目指すゴールはいくつかある。
例えば、今存在する自然や環境にできるだけ影響を与えないことだったり、再生可能な素材で建築物を作り、組み立てと解体を自由自在できるなど。さらに、それをリサイクルしたり、地球に返すことができる素材を使う、無駄に廃棄したりしない、いわゆる地球に優しい設計をすることだ。そのためには「柔軟性」や「シンプルさ」といった考えが必要になる。
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IMBYはオンサイト、つまり、現地でそのまま組み立てることができ、今まで建築経験がない人でも簡単に組み立てることができるように設計されている。
建物の強度にも関わるフレーム作りに関しても、写真のように細かいピースを差し込むようにして家を作っていく。フレームをつなげるときも釘などいっさい使わず回してとめられるような仕組みとなっているので、金づちや特殊な大工道具も必要なし。解体も簡単にできるというわけだ。
まるでレゴブロックや、プラモデルを組み立てるような楽しさを味わいながら組み立てていくことができるため、大人と子供で協力しながら安心して組み立てることができるスモールハウスキットでもある。
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一つ一つの部品が非常に軽量なため、運送や組み立てのさいの負担が少なくなり、アクセスの悪い所や大自然の中で立地条件が悪い場所でも建設可能になる。
さらに、それぞれのパーツをコンパクトにまとまる形状に揃えているので、発送料の面でもコストを抑えるアイデアになっている。
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内装は、オーナーが自由にカスタマイズできる。骨格を作り、合板を床や壁、屋根に取り付ければひとまず家としての形が出来上がる。そのままのベニア合板をむき出しのままも面白いが、子供の遊び部屋や趣味の部屋、離れの仕事部屋、贅沢な物置小屋など、使用目的に合わせて断熱材を入れたり、新たに内装に手を加えるかどうかは建設者次第。
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窓にはアクリルを使用。
「安っぽい」と言われるかもしれないが、よくよく考えてみれば機能的には通常の窓ガラスと変わらない。たとえ子供がふざけていたずらしても安心だし、輸送時の破損の心配もない。何より安価で軽量で取り扱いが簡単。
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屋根は基本的には切妻造りだが、一般的なシンメトリーのものではなくアシンメトリーな三角形を採用し、デザイン的に少しモダンでキャッチーなものにすることに成功している。
頂点の部分には他の窓と同じく、加工がしやすいアクリル材を使用している。この天窓の効果で室内が明るくなり、日中は電気をつけなくても自然光が十分差し込み、快適に過ごせる。
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正面玄関はウッドデッキにつながっており、この面は上から下まで全面アクリルガラス張り。これにより室内に自然光が差し込むだけではなく、室内と外景との一体感を演出し、家の狭さを感じさせない効果もある。
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このIMBYは用途に合わせて様々なサイズを提供しており、シンクやキッチン、トイレ、ベッドを置ける寝室なども装備した「家」として住めるシリーズも出している。
地球の自然環境に優しい再生可能なスモールハウスキットなら、楽しみながら簡単に家が建てられそうで、セルフビルドにトライしてみようという人が増えるかもしれない。住宅や不動産に関する価値観が変わりつつあるこの頃、スモールハウスやセルフビルドの文化がさらに広がりを見せていくのは良いことだろう。
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