まるで007!?海上に浮かぶ、ジェームスボンドになれる家「The Anthenea」
今回のスモールハウスは海上に浮かんでいる。
あの人気映画007シリーズ、1977年公開の「The Spy Who Loved Me(日本語版: 007 私を愛したスパイ)」のジェームスポンドに出てくる悪役から着想を得て、このスモールハウスは作られた。
この海に浮かぶスモールハウスの名前は「The Anthenea(ザ・アンセネア)」
非常に大胆、かつ独創的なこのスモールハウスは、「世界で初めての海に浮かぶエコラグジュアリースイートホテル」としてフランスの建築家Jean-Michel Ducancelle(ジャン-ミシェル・デュカンセル)だ。
ジェームス・ボンドという名前を使いながら、実は100%メイド・イン・フランス。
半分ボートで、半分宇宙船というよりUFOのような、今までに見たことがないようなユニークなスモールハウスだ。
形が円形なのは、自然界に見られる現象としての表面張力から発想を得た。
海は美しいが、時に恐ろしい牙を向く時もある。
そんな状況の変化にもしっかりと対応できるように表面張力から自然にできるドーム型という形を採用した。
また、その副産物として、360度全ての方向に窓が配置されているため、中からの見た景色は周り一面美しい青。
ダイビングで海中に深く潜らなくとも、360度青に囲まれるグランブルーがこのThe Antheneaなら可能だ。
屋根はドーム型になっているため、ソーラーパネルなどもふんだんに取り付けられる。
そこから必要な電力も自給自足しているため、オフグリッドハウスとして、エコに対しても意識がしっかりとしている。
中に入っても、近未来的かつラグジュリアスな設計となっている。
居住エリアは50平方メートルほどで、上に書いた通り、360度窓がついているため、部屋のどこにいても外の海が見える作りになっている。
例えば、円形の浴室からも外が見え、美しい海を眺めながらゆっくりとお湯に浸かることができる。
ソファーに腰掛ければ、下部につけている窓から海中も見えるため、魚や泳いでいる友達ともコミュニケーションが取れるかもしれない。
基本的な使い方はホテルだが、スパやレストラン、ナイトクラブなどどんな用途であっても対応できる。
ドームの頂上部分は本当にUFOみたいに「パカリ」と開き、大人数で座れるソファー一体型のテラスが誕生する。
「パカリ」と開いたその部分が大きな日傘となるため、強い日差しの中でも長時間、海に囲まれ、海風を感じながら、ここでのんびりできる。
この船の形をしたスモールハウスは世界中どこにでも浮かべられる。
今回の例では海だったが、川でも湖でも、まるでハスのように浮かべることができるし、このように連結すれば、海上の村などを作ることも夢ではなく、非常に現実的であることがわかる。
しかし、ただ浮かべただけでは、海や川の流れに流されて行ってしまうので、このようなタイプの家にはアンカーが必要だ。
従来通りのアンカーは海底を傷つけてしまう恐れがあるが、The Antheneaでは独自開発した海底の砂をスクリューするアンカーがあり、海底に生きる生態系を傷つけない。
また、このドームは100%リサイクル可能な素材でできているため、最後まで自然にダメージを与えない。
この、ドームが環境に優しいのはエネルギー面だ家ではなく、機能面においてもしっかりと考えられている。
置き場所によっては波のくる場所に置いてサーフィンのための基地としたり、SUPやダイビングを楽しむ環境がすぐ目の前にある。
気候変動や海面上昇など、様々な問題に対するソリューションとしても作成されたこのドーム。
もしかしたら、使い方によって海面上昇により土地がなくなって困っている人の助けにもなる可能性も否定できない。
ファンタジーの世界から生まれたものが、現実を救う日がくるのかもしれない。
via:
https://www.anthenea.fr/
https://archive.curbed.com/
https://www.bosshunting.com.au/
https://thespaces.com/