「移住」に心が動いたら。里山や農家の暮らしを、ちょこっと体験してみよう

「移住や農業、自然派な暮らし……、興味はあるけれど、いきなりは勇気がない。知識もつながりもない……」――そんな人も多いのではないだろうか。

内閣府の調査によると、移住への関心は2020年から増加傾向にある(東京圏在住者を対象)。「テレワークによって地方でも同様に働けると感じた」「ライフスタイルを都市部での仕事重視から、地方での生活重視に変えたい」といった理由も多く、コロナ禍で広まった“働きかた”“暮らしかた”の変化が、移住への興味を後押ししたのかもしれない。

一方、懸念点も多い模様。踏み出せない理由の約半分は「仕事や収入」という「働くこと」に関するものだ。さらに、そちらに次ぐ理由も興味深い。2、3番目に多い「買物や公共交通等の利便性」「人間関係や地域コミュニティ」という声は、「その土地での実際の暮らしかた」に不安があるということではないだろうか。

そこでおすすめしたいのが、「お試し移住」。本格的な移住や、地域おこし協力隊などはハードルが高く、なかなか決断できない。しかし、観光や旅行感覚で「ちょこっと移住を体験してみる」というのは、ほんの少しの勇気でできるのではないだろうか。

そんな「ちょこっと移住」にチャレンジできる、3つの例をご紹介。

【食事・宿泊】昭和の面影、自然の恵み、いただきます

via:https://www.hokuto-kanko.jp/guide/oishii_gakkou

富士山や南アルプスにも囲まれた八ヶ岳南麓・津金にある「三代校舎ふれあいの里」は、“元廃校”。明治・大正・昭和という3つの時代の校舎が並び、新たな形で蘇っている。

そのうち、今回注目したいのは「おいしい学校」。こちらは昭和時代の校舎だ。昭和28年に津金中学校として建てられたもので、現在は食をテーマにした複合施設として運営されている。

「おいしい学校の給食」という給食スタイルのレストランでは、かつて授業に使われていた教室と机といすで、子ども時代に戻ったかのような食事の時間を楽しめる。ちなみに食器も、昭和時代に実際に使われていた“アルマイト素材”だ。

他に、和食・和食それぞれのレストラン、パン工房、農産物を扱う販売所などもある。

via:https://www.hokuto-kanko.jp/guide/oishii_gakkou

食材は、津金で採れる季節の野菜や果物、地元産の甲斐サーモンや甲斐牛、富士桜ポーク、信玄鶏など。山梨の自然の恵みを、さまざまな料理で堪能できる。

宿泊棟も、教室の面影が残る温かな空間。ベランダや窓からは、津金の四季折々の景色が楽しめそうだ。

昭和の趣や山梨の自然を肌で感じながら、気軽にのんびりと過ごせる場所だ。

【宿泊・体験】古民家で暮らす、1泊2日

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滋賀県高島市にある農家民泊「たらいち邸」。なんと、築150年を誇る古民家なのだとか。

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歴史あるこの空間を、独り占め。一棟貸し切りで1泊2日を過ごせるのだ。

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スタッフも、宿泊準備や手続き、夕食の準備や片付け以外の時間は滞在せず、家族や友人と水いらずの時間を過ごせるという。

しかし、魅力はこうした空間だけではない。プランによってさまざまな設備の利用やアクティビティが楽しめる。

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かまどで炊くご飯や、囲炉裏で焼く魚や旬野菜は、普段の食事とは違った格別なもの。

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またプランの中には、近隣の農家での収穫体験、餅つきや豆腐作りなど、手作りの食を味わうことができる。ここのお日様を浴びて、ここの空気を吸って、地元の人とふれあえる時間になるだろう。

https://taraichi.com/activity/

子ども連れで、さまざまな食の成り立ちを学ぶのにも良さそうだ。

【説明会・ツアー】百聞は一見に如かず。実際の暮らしを見てみよう

「やっぱり、この地域に住みたい」――観光や宿泊でそう感じることができたら、もうワンステップ進んでみてほしい。そう、自治体へ実際にコンタクトをとってみよう。自治体によっては移住を歓迎・斡旋し、短期間のお試し移住や説明会を実施するところも多い。

その1つが、秋田県鹿角市の「お試し移住ツアー」。ここで開かれているのは、あらかじめ定められた日程やプログラムではない。自分に合わせたスケジュールや、知りたいことをベースに、オーダーメイド型のツアーを組むことができるという。

via:https://www.a-iju.jp/c-akita/kazunocity

例えば、「移住して農業を始めたいけれど、うまく行くか不安」ならば、市内の実際の農家で農業体験をさせてもらう。

例えば、「保育園などの子育て環境が気になる」ならば、市内の保育園や保育サポート施設へ。

via:https://kazuno-gurashi.jp/sodateru/kosodate-support

またこのツアーでは、普段買い物できるようなお店もチェックできる。スーパーだけでなく、商店街や直売所など、地元の人たちとふれあえるようなお店にも行けそうだ。

そして、一番に必要な住居の相談もできるようだ。

via:https://www.city.kazuno.akita.jp/shisei_machizukuri/shiikikasseika/2/5226.html

「お試し住宅」を利用できるほか、実際の移住の際には引越し支援や住宅改修支援といった補助金が受けられる。

例として鹿角市を紹介したが、他の地域にもこのような説明会や体験がありそうだ。百聞は一見に如かず。自分の気になっている自治体に赴いて、実際に見てみてはどうだろうか。

「移住」に、心が動いたら。

まずは観光や旅行感覚で、移住をちょこっと体験。そして「やっぱりここで暮らしたい」と思ったら、その地域の情報をどんどん集めてコンタクトをとってみよう。少しずつ、深く入っていこう。

夢見る場所での暮らしを考えはじめたら、納得して大きな一歩を踏み出したい。

参照元:
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/
http://www.oec-net.ne.jp/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49894800X10C19A9L83000/
https://www.hokuto-kanko.jp/guide/sandaikosha_hureai
https://www.hokuto-kanko.jp/guide/oishii_gakkou
https://taraichi.com/
https://kazuno-gurashi.jp/kurasu/iju-taiken-tour
https://www.iju-join.jp/feature_cont/file/046/03.html
https://www.city.kazuno.akita.jp/
https://www.a-iju.jp/
https://kazuno-gurashi.jp/



QUOTE

夢見る場所での暮らしを考えはじめたら、納得して大きな一歩を踏み出したい。まずは観光や旅行感覚で、移住をちょこっと体験。そして「やっぱりここで暮らしたい」と思ったら、コンタクトをとってみよう。少しずつ、深く入っていこう。