「憧れの景色」のなかで暮らすために。農業とマッチする新しい働き方

地平線に沿って、視界一面に広がる黄金の小麦畑。

宝石のように果物が輝く木々。

こんな景色を身近に過ごしたら、どんな人生が送れるだろう……そう思いを巡らせることはないだろうか?

そんな風景のなかで暮らせる仕事である、農業に憧れを抱くことは?

降り注ぐ南国の太陽の光の下で、真っ赤なマンゴーを育てる。

空気と水のきれいな場所で、自分で食べる分のお米を作る。

味気ない繰り返しのように思える日々のなかで、そんな暮らしや働き方に、大きな魅力を感じることがある。

しかし、そうした憧れを抱くのと同時に、「無理だろうけど」という諦めが頭をもたげる(少なくとも私はそうだ)。これまで培ってきたキャリアや人間関係を考えて、二の足を踏んでしまうのだ。

だけど、改めて考えてみよう。本当に無理なのだろうか。今の生活の場は本当に「ここで」「このようで」なければいけないのか?

今回は、憧れの農業に踏み出す第一歩になりそうなサービスを紹介したい。

憧れの暮らしへの第一歩。農業マッチングサービス

コロナ禍を経た今、自分の暮らしたい場所で、自然を育むことで生活の糧を得る「農業」が改めて注目されている。農業の魅力のひとつは、自然と共生する暮らしができること。でもいきなり飛び込むのはハードルが高い。農業を営むには、土地も必要だし、経験も必要だ。

そんな時に、広く誰にでも開かれ、すぐに農作業を体験する試すことができるサービスがある。人材不足の農家と農業に興味があり、パートタイムで働きたい人を繋げるオンラインのマッチングサービスだ。

募集されている仕事の内容は、例えば次のようなもの。

・サツマイモの収穫・洗浄

・スナップエンドウの出荷作業

・ラ・フランスの収穫

・ユリの収穫

・牧場での作業

・ワイン用ぶどうの収穫と醸造の補助

一日単位や数時間単位での募集がされているので、気軽に始められそうだ。

働き手側は、Webサイトやアプリから氏名・連絡先など基本的な個人情報を登録して、アカウントを作成すれば、すぐに仕事探しを開始することができる。応募の際には本人確認のための身分証の登録が必要なサイトが多いようだが、履歴書や面談などは不要。地域、日付などから絞り込み、仕事内容を確認してエントリーするだけだ。

応募前に給料や支払い方法はもちろん、交通費や服装、持ち物なども確認できる。さらに駐車スペースの有無や昼食について、休憩場所やトイレの場所などの説明まで掲載されているサイトもあって、至れり尽くせりだ。

依頼主によっては、使う道具の種類や座り作業の有無など具体的な情報を提供しているので、農作業が初めてで不安な人は、そういった案件を選ぶことで無理のないスタートがきれそう。

単発だけでなく、繁忙期や通年の募集も行われている場合もあるので、双方で良い関係を築くことができれば、長く働いて経験を積む道もひらける。

農家の人と直接コミュニケーションを取り、実際に農地に足を運び働いてみることで見えてくることはたくさんありそうだ。農家の「助けて欲しい」に応えることで、やりがいや充実感も得られる。また、農業においての問題点に接するなかで、自分が就農しビジネスを展開する際のアイディアに繋がることもあるかもしれない。

こうした経験を積んだのち、国や自治体の支援を受けて実際に移住する、就農相談会に行くといったアクションを取れば、今まで縁がなかった農業の仕事が身近になる。またマッチングサービスの利用を続け、今の仕事をキープしつつ、副業として農業に携わる「半農」のスタイルを維持する方法もある。

新規就農者に対する就農支援には、国や自治体が行う助成金支援やインターンシップ、全国各地のJA(農業協同組合)が行う地域の特性に合わせたセミナーなどさまざまなものがあるので、活用してみよう。

私は農業関係の流通会社に勤めているが、将来的に農業の実践者になるために、こういった機会を利用して経験を積んでいきたいと思っている。

「好きな場所」「自分が身を置きたい環境」であることを最優先に

 多くの人にとって、おそらく今住んでいる場所は、仕事のためや家族との暮らしの場所であるなど、効率や利便性を重視して決めたものだろう。

しかし、インターネットによって買い物もコミュニケーションもオンラインで行え、リモートワークも日常的になった今、住む場所を選択する際に「憧れの風景がある」「作ってみたい作物や叶えたい暮らしがある」を優先にすることは、副業という選択肢を視野にいれればそう難しいことではないのかもしれない。

自分の中に潜む「こうしたい」というアンテナに柔軟に将来を展望することで、思いもよらなかった充実した毎日が手に入る。そんなことを信じて、新たな一歩を踏み出そう。

 

参考:
ジモベジワークス:農業マッチングアプリ・サイト8選! 農家のお手伝いバイトで人手不足を解消

農業マッチングアプリ・サイト8選!農家のお手伝いバイトで人手不足を解消

農業をはじめる.JP
https://www.be-farmer.jp/support/

minorasu(ミノラス):【2021最新】新規就農者支援の制度一覧!農業経営に補助金を活用しよう
https://minorasu.basf.co.jp/80292