持たないタイニーハウスとは?~ミレニアル世代から学ぶダウンサイジング~

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ニューヨーカーのために作られたボストン郊外のレンタルタイニーハウス「Getaway」。世界的にも有名で、今ではアメリカの15か所に点在している。
そんなタイニーハウスのレンタルサービスが、社会の中でも比較的若いミレニアル世代からの注目を集めているという。


その理由の1つにあげられるのが、アメリカの社会情勢の変化だ。
かつてアメリカンドリームの象徴だった郊外の車や邸宅は、ミレニアル世代にとって、手の届かない存在になりつつある。
「保守的な投資家」として知られているミレニアル世代は、車移動が必要な郊外のマイホーム暮らしより、歩いて行ける範囲内での都市生活でのライフスタイルへと移行した。
そして、タイニーハウスのレンタルサービスを活用した「持たないダウンサイジング」への道、つまり所有することなくミニマルな暮らしを自身の生活の中に取り入れていくライフスタイルを切り開いているというのだ。

「Getaway」とはどんなものなのだろうか。今回はミレニアル世代の間で話題となっている「持たないダウンサイジング」の在り方を一緒に見ていこう。

タイニーハウスレンタル「Getaway」の取り組みと効果

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タイニーハウスのレンタルとして注目を集めているGetaway。
週末レンタルを通じて、自然あるタイニーハウスの暮らしを都市に住む人々に提供してくれるものだ。拠点によって異なるが、一泊一万円台で宿泊できる拠点も数多くあり、心と体の休息の時間や、自分と向き合う時間を気軽にとれる手段として活用されている。Getawayのサービスのターゲットはミレニアル世代に限らず、多くの世代に向けられたものなのだという。

Getawayは、全国の主要都市から 2 時間以内で自然へアクセスできるように設置された。
ファミリーやグループでも利用できるこのサービスでは、
・調味料と食料のあるミニキッチン
・アメニティのあるシャワー、トイレ
・外でのバーベキューや薪、食料、ピクニックセット
・ペットの、おやつ、水入れ、トイレグッズ

など、あらゆる自然体験をしながら不便なく暮らせる設備が揃っている。

https://journal.getaway.house

また、面白いのは「スマートフォンをロックボックスに入れて過ごす」点だ。
デジタルデトックスを図ってくれるシステムとコンセプトになっていて、タイニーハウスでの生活に十分集中できるのではないだろうか。

またこのサービスによって、限られたスペースでハイクオリティなデザイン空間を楽しむというスタイルを、下の世代にも知ってもらえるきっかけになる。このアプローチで、小さな家に住むだけでなく、小さなスペースだからこそできる、環境と心身に配慮した生活を広めることになるかもしれない。

タイニーハウスレンタルは「持たないダウンサイジング」?

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ダウンサイジングな暮らしと、自然の中での持続可能な生活のワクワクするような魅力は十分伝わったのではないだろうか?
しかしそうはいっても郊外にタイニーハウスをいきなり持つことは未だ難しいかもしれない。それは都市の生活格差に悩むミレニアル世代だけでなく、子育てで手が離せない世代、金銭的に悩ましい方、仕事等の忙しさを理由に、購入したとしても管理が出来ない方にも当てはまる。

そのような方こそ、タイニーハウスのレンタルや、タイニーハウスを活用した宿泊施設などを一時的に利用してみることをすすめたい。日本にも、小さな空間を提供する宿泊施設などが数多くある。持てないからと諦めず、まずはミレニアル世代のように「借りてみる」ことから始めよう。タイニーハウスのレンタルというちょっとした贅沢が、ストレスを抱えている人たちに、メンタルの安定と癒しを与えてくれるはずだ。

今後「持たないダウンサイジング」のサービスが浸透すれば、この生活のメリットもデメリットも少し見えてくる。そして、リアルにタイニーハウスがある暮らしを多くの人がイメージでき、住まいの場の選択肢の一つとして検討してくれる人が増えてくるのかもしれない。

【参照】
Getaway公式HP
小さな贅沢:「タイニーハウス」で説く建築
ミレニアル世代は小さな家に夢中ー彼らが団塊の世代といかに違うかを浮き彫りにする 3 つの理由
ミレニアル世代の視点: タイニーハウスは新しいアメリカンドリームなのか?