空想の世界へと誘う。フィンランドのタイニーハウス「Filmmakers Hut」

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大自然の中にあるワークスペースを持つことを夢見るクリエイターは多いだろう。
雄大な自然の中の身を置いてみると、朝日を見ているとき、何気なく散歩をしているときなどあらゆる場面で、思いがけない新たな発想やユニークなアイディアに出会える。
まるで、ひらめきやアイディアがあちこちに落ちているかのようだ。

フィンランド中部のポロヴェシ湖畔にある「Filmmakers Hut」(フィルムメイカーズ・ハット)は、そんな新たなアイディアと出会えるワークスペースの1つ。
単に自然の中に建てられているだけでなく、世のなかにある「当たり前」を否定する姿勢、神秘主義、多感な体験を追求することをテーマに建てられ、現代の北欧建築に対する一石を投じる存在として誕生した小さなタイニーハウスだ。

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フィルムメイカーズ・ハットは、どこか浮世離れした神聖な雰囲気が漂う。
その理由には、80年代の冒険映画の世界から影響を受けてデザインされたことがあるという。当時の映画は、当時の社会に存在感を放つと共に、その時代の子供たちが大注目していたハイカルチャー。
子供に戻ったような気持ちで、もしくはタイムスリップをしたかのような気持ちでいられたら、いつもいる場所では出会うことのない発見やアイディアに出会うことが出来るだろう。

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建物と続く海岸線に沿う道は、クリエイティビティに満ちた空間への移行を象徴し、利用者は、日常を離れ、非日常の空間へと足を踏み入れる準備が出来る。

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建物の外壁には小さなタール塗装の板を使い、外壁のディテールが素朴に見えるようにデザインすることで、小屋は実際の物理的な大きさよりもはるかに大きく見える。
その結果、周囲の自然や風景が巨大に見えるという。タール塗装の屋根板は、周囲の自然と同じ素材感を持ち、建物を周囲や影に見事に溶け込ませている。

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窓からは、石造りの土台の跡が現れ、目の前の自然とのつながりを感じさせる。

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小屋の入り口となるアーチ型の窓に向かって黒い木の階段がかけられ、内部にはクリエイターのための作業スペースがある。新しいアイディアを生み出すのにふさわしい洗練された空気感と、落ちついて作業を続けることが出来そうな素朴さが感じられる。円形の窓からは毎日朝日が差し込み、映画製作者の作業台に降り注ぐという。

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フィルムメーカーズ・ハットは、クライアントが持つ映画への愛と共に誕生したタイニーハウス。今日も、頭の中に眠る想像の世界を形にできる場所として、誰かの暮らしを彩っているのだろう。

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