グランピングでキリン保護。アフリカ南西部の砂漠のテント
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一面に広がる岩山と砂漠の荒涼とした風景。
象たちが地下水脈を求めて、懸命に黄土色の砂地を掘っている。アフリカ南西部のナミビアに、1年の内に2月と3月に現れるホアニブ川。この季節河川の谷間にあるのが、地域コミュニティとキリン保護団体による合弁事業、ホアニブ・バレー・キャンプ(Hoanib Valley Camp)だ。
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ナミビア北西部のナミブ砂漠の奥深く、少数遊牧民のヒンバ族と多くの野生動物が暮らす土地。ここカオコランドと呼ばれる未開の秘境に、ホアニブ・バレー・キャンプのテントロッジは設営されている。アフリカ南部でサファリキャンプを展開するナチュラル・セレクション(Natural Selection)と、アフリカ大陸全体のキリン保護NGOであるキリン保全財団(GCF)とのパートーナーシップによる施設だ。
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2016年に設立されたナチュラル・セレクションは、自然保護ツーリズムを掲げる営利企業。ナチュラル・セレクションでは、初年度利益の30%に相当する総収入の1.5%を保護基金へ寄付しているという。野生動物エリアの拡大や土地利用の転換のために、野生動物保護に力を入れている様々なコミュニティや団体と提携して、サファリツーリズムを実施している。
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2018年6月にオープンしたホアニブ・バレー・キャンプを構成するのは、6つのスリーピングテントと1つのダイニングテント。天然布キャンバスと木材で造られたスタイリッシュなロッジは、木と竹と70%のリサイクル素材の複合材でできたデッキの上に設置されているという。
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6つのテントは、周りの過酷なランドスケープとシームレスに調和したシンプルな美しさ。ホアニブ川と砂丘の色やテクスチャー、ヒンバ族とキリンの幾何学模様からインスパイアされたデザインだ。5つのダブルルームと1つのファミリースイートからなる各部屋には、キングサイズベッド、専用バスルーム、屋内と屋外シャワーが備わっているという。
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インテリアには、ルンドゥの職人とヒンバ族の彫刻家によって作られた家具、ナミビアの工芸ブランドOMBAの人々によって編まれたバスケットやファブリックなど、地元のハンドメイド・クラフトが採用された。キャンプサイトは、ソーラーパワーで完全に電力を補い、二酸化炭素の排出と環境負荷を最小限に抑えている。デスクの上のキリンの置物も愛らしく、訪れた人の目に留まりそうだ。
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共用のダイニングテントには、いくつかのラウンジエリア、図書室、ダイニング・バースペース、オープンデッキが。
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屋外ラウンジスペースでは、ファイヤーピットを囲んで、ジントニックを味わいながら銀河の無数の輝きを堪能できそうだ。
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雨季になってホアニブ川が勢いよく流れ出すと、野生動物や動植物相の生命が一斉に輝き出す。野生動物との遭遇や砂丘の起伏を体験できる、4WDのゲームドライブに出かけよう。
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象やキリンの群れ、ヤマシマウマ、絶滅の危機に瀕しているサイたち。野生動物のアクティビティを目撃できるサファリ体験は、深く記憶に残るものになるはず。キリン保全財団のフィールドベースを訪れて、キリンの生態や保護状況を聞くこともできるという。
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ナミビア北西部は、降水量が少なく農業を営むことはできない。ナチュラル・セレクションは、サファリツーリズムを通して地域コミュニティの経済に貢献し、サファリキャンプを体験した人々が野生動物保護について理解を深め、保護団体や基金への支援が広がっていくことを期待しているという。
ほとんどの人が発見する機会のない未開の土地で、野生動物や原住民の暮らしを目撃する。一生に一度でいいから、アフリカに行ってみたいものだ。