星空もダンスも創電も、この上で。バンライファーのわがままを叶えるウォーカブルソーラーパネル

満天の星空の下で眠ったり、朝の目覚めと共に、広い海の目の前で大切な人とコーヒーを飲んだり。
「場所」、「時間」、「お金」にとらわれない自由な暮らしを実現する手段の1つ、「バンライフ」。

車に住むという「可動性」を備えたその住まいの在り方は、好きなときに好きな場所で生活が出来るという自由さだけではなく、家賃や固定資産税などの当たり前のように住まいに発生しているお金からも人々を解放する点で魅力的なものだ。
しかしその一方で電気・ガス・水道などのインフラ設備が弱いという課題もあり、必ずしもどこでも好きな場所で寝泊りが出来るというわけではない。

そんな中、注目が集まるのが「オフグリッド」なバンライフ。
ソーラーパネルや、バイオトイレなどの、従来のインフラに頼ることなく自然の力だけで生活をすることのできる仕組みがあれば、たとえ山奥の電気がないところでも、無人島であったとしても生活が出来る。電気・ガス・水道、そのすべてから解放することは出来なくても、少しずつ、もしくは何か1つでも解放することが出来れば、あなたのバンライフは、他に類を見ないあなたらしいものになるだろう。

今回はそんなオフグリッドな暮らしを実現するためのツールの1つ、ソーラーパネルに着目する。これからのバンライフに最適な新しいソーラーパネル、「ウォーカブルソーラーパネル」の数々を見ていこう。

上で踊っても壊れない?ウォーカブルソーラーパネルとは?

ウォーカブルソーラーパネルとは、その名の通り、パネルを痛めることなくその上を歩くことの出来るソーラーパネルのことだ。キャンピングカー用のソーラーパネルといえば、硬質パネルを使用したものが主流で、耐久性への懸念を理由に、パネルを歩くことは出来なかった。しかし頑丈で効果的な半硬質パネルが開発された昨今、パネルの上に乗るだけではなく歩くことまで出来るようになったのだ。
このようなソーラーパネルを屋根に設置すれば、屋根の上の換気扇の調整や、収納ボックスへのアクセスなどが容易に出来るようになる。また、パネルを設置することによって出来なくなってしまいがちなバンライフの醍醐味、屋根の上に上って星空を眺める時間を失わずにいられるのだ。

ウォーカブルソーラーパネルの事例をご紹介

現在、利用されているすぐれたウォーカブルパネルの数々を見ていこう。

パネルの上でダンスも出来る?高剛性パネル

このキャンピングカーに設置されたパネルは、アメリカ、ミシガン州に本社を置き、ヨット用のソーラーシステムの開発で一躍有名となったCustom Marine Productによるウォーカブルパネルだ。
「ソーラーパネルの上で歩くことはもちろん、踊ることだって出来ることを伝えたい」という想いのもと開発されたこのパネルは、大人が上に乗って踊ることが出来るほどの耐久性があるという。サイズやも豊富に展開されており、消費電力量は多いもので330W。冷蔵庫やホットカーペットが使用できるほどだ。
その実用性から、ソーラーパネルを設置した歩けるデッキを求める多くのバンライファ―たちの間で人気を博している。

家族全員でも問題ナシ?驚きの耐荷重パネル

続いて紹介するのは、Tiny Watts社によるウォーカブルソーラーパネル。
このパネルの最大の強みは最大500ポンド(約230kg)の耐荷重を備えているということだ。写真のようにパネルの上に大人2名でつくろいだとしてもまったく問題がない。体格にはよるものの、夫婦と小さな子供2人など家族全員で屋根に上り、星を眺めるなんてことも出来てしまうのだろう。
さらに、最大消費電力量は最初に紹介したCustom Marine Product社のパネルを上回る500Wであることもこのパネルの強みだ。

お財布に優しい4万円ほどで購入できるウォーカブルソーラーパネル

ウォーカブルソーラーパネルなんて、簡単に買える値段ではないのでは?そう思う人も多いだろう。
しかし、4万円ほどで購入出来るものも豊富にそろっている。
こちらはRUGGED Products社によるウォーカブルソーラーパネル。
厚さは約3㎜で、通常のパネルよりも薄く軽いため、たくさんの荷物を積んで走るバンライファーにとってはありがたい。そして最大20年間使用することが出来るという。上に乗って踊れるほどの強さはないが、靴を履かずに歩くことは出来るほどの耐久性を兼ね備えたウォーカブルパネルだ。
消費電力は98W、スマートフォンやノートパソコンの充電が可能なほどだ。

電気・ガス・水道、そのすべてをグリッドから解放することが出来なくても、少しずつ、もしくは何か1つでも解放することが出来れば、あなたのバンライフはより一層あなたらしい暮らしをする手段になるだろう。
そんな想いで今回は、オフグリッドなバンライフを目指す方々にとっての第一歩となる「ウォーカブルソーラーパネル」を紹介した。
 
パネルの上で踊ってもびくともしないもの、パネルを付けた屋根の上に家族全員で上っても壊れることのない耐久性を兼ね備えたもの、手ごろな価格で購入出来るソーラーパネルなど、これまでのソーラーパネルの常識を覆すパネルばかりだ。

日中は電気を生み出し、時にダンスを踊る舞台になる。そして夜になると綺麗な星空を楽しむには最高の場所として日々の生活に彩りを与えてくれる。そんなルーフを持ったバンと共にある暮らし。
これは「バンライフ×ウォーカブルソーラーパネル」だからこそ実現出来る、オフグリッドな暮らしに向けた新しい住まいの在り方なのではないだろうか。

〈参考サイト〉
Walkable Solar Panels: Our Top Picks for an Off-Grid Van Life