パーティやワークショップまで。人が集える持続可能なタイニーハウス「MO.CA」

via: archdaily.com

今回ご紹介するのは、2人用の移動式住宅「MO.CA」。
「来たるデジタル時代と建築・デザインのあり方」を探究する先進的な研究機関、カタルーニャ先進建築大学院大学(IAAC)のバルダウラボ・キャンパスで開発されたタイニーハウスだ。

トレーラーとして移動が可能なこの住宅は、2つのテーマを掛け合わせて作られた。
その1つは、かつて人間が行ってきた狩猟採集的な暮らしからなる、移動の自由と自給自足の精神。もう一つは、現代社会の課題である地球規模の気候変動への対応、つまりは化石燃料に依存しない革新的な暮らしを模索し、提案することなのだという。

2人の暮らしの場としてだけでなく、コンサートやイベント、図書館、集会所としても利用可能な多目的なスペースとしても利用できるというこのタイニーハウス。はたしてどんな空間なのだろうか。

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このタイニーハウスの大きな特徴は、大きく開くことの出来るこのガラス窓。
屋外との境界線を調節することが出来るのに加え、日よけとしても機能することから、ランチをしたり、昼寝をしたりなど、家の周りの屋外空間を自分たちの占有空間として有効的に活用することが出来そうだ。

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また、このタイニーハウスは、太陽エネルギーのみでの駆動が可能。屋根には軽量で柔軟性のある単結晶ソーラーパネル3枚が設置されており、外部のグリッドに接続可能なマルチプラス・インバーターやバックアップ・バッテリーと連携している。24時間稼働が可能なのだそう。

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内部はブラックライトLEDストリップにより明るく照らされ、外壁を際立たせるデザイン。夜のパーティやコンサートにもマッチする雰囲気を演出してくれる。ミニマルでありながらも、そんな遊び心があるところにキュンとしてしまうのは、きっと私だけではないだろう。

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室内にはベッドが2台置かれており、うち1台は拡張可能。伸縮するマットレスが2人用のスペースを作り出す。また、可動式のはしごは使い勝手を考慮した設計になっており、出入りも簡単だ。

そしてキッチンにはシンク、1口コンロ、収納引き出しが備わっており、さらには冷蔵庫と調理器具を掛けるスペースも。壁にはバッテリーとタンクの残量が確認できる設備が備わっている。

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バスルームにはシャワーと、水を使わないコンポストトイレがあり、水の廃棄が少ないエコな仕様になっている。シャワーの水は、中水タンクに貯蔵され、ろ過後、ポンプで再生水タンクに送られ再使用されるため、水の有効活用も可能。住民は用途に合わせて淡水と再生水を選べるのだとか。

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このツールボックスにはオーダーメイド家具を収めたクローゼットを備え、すべての家具が折りたたみ可能。木、布などを使用した軽量な家具は、オフィス、ワークショップ、展示会、コンサートなど様々な用途で使用できるようデザインされた特別なものなのだそう。

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2人のために作られたミニマルな空間でありながらも、これらの家具を広げれば、複数の人が集まる空間に早変わり。

「大切な人と小さな空間で過ごしたいけれど、時には家族や友人を招いてみたい。」
そんなわがままな暮らしを持続可能な形で実現できる夢のような空間が、もうすでに私たちの住まいの選択肢の中にあるのだ。