海上コンテナをリメイク。ブラジルのコンテナハウス「ボスケ・リフュージ」
ブラジル南部のバルサ・ノヴァに位置するコンテナハウス「ボスケ・リフュージ」は、大西洋岸森林南東部の保護区群に属する「セラ・ド・マール」山脈の美景を望むホテルの宿泊施設の一部。原生林に隣接し、自然を身近に感じられるよう大きなガラス面を備えており、雄大な屋外環境と居住空間が繋がるように設計されている。
このコンテナハウスは、屋外の「自然」と調和することに加えて、周囲の自然を引き立てることを目的に、外壁はシンプルに、そして直角にデザインされている。建物の意匠性やユニークさを重視するのではなく、自然の生き生きした姿を際立たせたいというのがデザイナーたちの願いだ。
環境への影響を最小化することを重視して設計されたこのコンテナハウスは、なんと海上コンテナを再利用して作られた。既に完成した箱を住居として使うことは、エネルギーや材料の消費を抑え、環境負荷の削減に大きく貢献することは言うまでもない。しかし、リメイク加工がしっかりと施されているため、海辺で使用されていたコンテナの再利用をしているとは決して分からないほどの外観に仕上がっている。
そして樹木群の前に設置されたコンテナハウスの横には、木材で作られたデッキが取り付けられている。雄大な自然を目の前に美しい風景を楽しむためだけでなく、自然の中の小さな住まいにアクセスするための特別なルートとして意味づけられているようだ。
このコンテナハウスには、床や天井、家具に至るまで自然な風合いの木材を使用かれ、落ち着きのある雰囲気を醸し出す。見た目以上の広さを誇るバスルームが特徴で、収納、寝室、ダイニングエリア、リビングスペースも備えている。
プライベートを確保できる大自然の中にひっそりと佇み、中には大切な人と過ごす団らんの場と、疲れを癒すには最適な広々としたバスルームが。この住まいが海上コンテナの再利用だなんて、誰もが耳を疑うほどなのではないだろうか。
既にあるものを大切に使い続ける精神は、ミニマルな暮らしにも通ずる大切な姿勢の一つ。そんな精神をこれからの住まい方の選択肢として、もっともっとめぐらせていきたい。
via: archdaily.com