一歩外に出れば、アルプスがある。八ヶ岳の自然と共に生きる二拠点生活
場所・時間・お金に縛られない新しいライフスタイルの実現・提案を目指しているYADOKARI。
今回は二拠点生活の実践者、加藤ヒロさんの暮らしをお届けします。
都会で暮らすことの豊かさと、自然に囲まれた土地で生きることの豊かさ。
その両方を体感することの出来る多拠点生活に憧れを抱く人も多いのではないでしょうか?
そんな皆さまにとっての、ヒントとなれば幸いです。
※この記事は、YADOKARIにてサービス立ち上げの伴走支援を行った、サブスク型の新・宿泊サービス「Refill」に関するインタビューを通して作成されました。
「Refill」に関する紹介記事はこちら
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八ヶ岳から心地よい風が吹き抜けてくる一本道。その道の傍らに、暖かい色合いが目を引くレッドシダーのログハウスが佇んでいます。「HANS LOG」のログハウスであるこの家には、東京と八ヶ岳で二拠点生活を送る加藤ヒロさんご夫婦が暮らしています。
かつてはM&Aアドバイザーとして第一線で活躍していた加藤さんは、どのような経緯で、シンガーソングライター兼小麦農家として二拠点生活を始めることになったのでしょうか。ログハウスを建てた理由や、豊かな自然に囲まれながら小麦を育て、音楽を奏でる八ヶ岳での暮らしについてお話を伺いました。
◯稜線を望む、故郷とアメリカの原風景
ーーー大学卒業後はアメリカで公認会計士として働き、帰国後はM&Aアドバイザリー会社の創業メンバーとしてご活躍されていたと伺いました。これまでのキャリアも含め、二拠点生活を始めるまで経緯をお聞かせください。
大学在学中に資格を取得し、卒業後は6年間ニューヨークで公認会計士として働きました。帰国後はM&Aアドバイザーとして東京を拠点に仕事をしていましたが、結婚して犬を飼い始めたことをきっかけに、キャンピングカーを購入して休日はいろいろなところに出かけました。この家からも近い、八ヶ岳の日野水牧場や蓼科の方にもよく遊びに来ていたんです。
やがて犬が思いきり遊べるような場所が欲しくて別荘を買うことにしたのですが、東京に仕事がある身で別荘を探すとなると、アクセスの良さを最優先に考えなくてはならないですよね。八ヶ岳にもかなり魅力を感じていましたが、当時は月曜日の朝8時から会議があったので、その時間に間に合う場所ということで軽井沢に別荘を建てました。
ーー軽井沢での別荘暮らしはいかがでしたか?
結果としては、僕は軽井沢に馴染めなかったんです。湿地帯の気候や水が僕には合わなくて。農業に憧れがあり、土地の一角で20坪ほどの家庭菜園を始めたのですが、日当たりもあまり良くなく、農業に適さない土地環境でした。2017年に犬が亡くなってからは足が遠のいてしまい、2020年にその別荘は売却しました。
ーー軽井沢で家庭菜園を行なっていたんですね。自然豊かな環境は昔からお好きだったんですか?
僕は広島出身で、山が見える環境で育ちました。稜線の見える景色が好きだったので、大学進学を機に大阪で暮らし始めたときは、ビルの合間に空がある感覚になかなか馴染めなかったのを覚えています。東京で働いている時も、同じような気持ちを抱えていましたね。
アメリカにいる時は金銭的な余裕はあまりありませんでしたが、日本にいる時よりも人間らしい生活をしていました。30分から1時間ほど車を走らせマンハッタンの郊外に行くと、そこには大自然が広がっているんです。その景色は僕のなかで、「自然のある暮らしっていいな」と再認識する原点になったと思います。
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その後、八ヶ岳に新たな拠点と農地を持ち、二拠点での生活を始められたという加藤さん。
大都会での資本主義的な価値観と、自然のなかで自由に生きる価値観、その両方を身をもってご体感された中で、何を思い、現在はどんな生活を営んでいるのでしょうか。
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