12歳のハンナ・カトラーは、父ジム・カトラーと一緒に、アメリカのワシントン州、ピュージェット湾の島に小さなキャビンを建てた。作業は週末に行われ、約8か月かけて完成。窓から湾の景色を眺め、折りたたみベッドでくつろぐ時間もあるこの小さな空間は、「頭に描けるものは、作れるんだ」という貴重な教訓を、ハンナ、そして子どもたちにそっと教えてくれる住まいだ。
自然に溶け込むデザイン
80平方フィートのキャビンは、常緑樹サラルの茂みの間にそっと佇み、湾を一望できるパノラマビューを取り込む。既存のツールシェッドの基礎を活かし、周囲の植物をなるべく残す工夫を施した。シダー材の歩道は根を避けて湾曲し、自然との一体感を損なわない設計になっている。
親子でつくる学びと工夫
ハンナと父ジムは、木材をカットして基礎に運び入れ、ジムが支える間にハンナがパワードライバーで固定する。フレーミングや断熱、コルテン鋼の外壁・屋根施工までほぼ親子だけで行い、唯一大きなガラス窓の設置だけは3人の協力を得た。湾の景色を室内に取り込む大きな窓は、完成後のキャビンの魅力を一層際立たせる。
家族の多目的な隠れ家に
完成後のキャビンは、父の仕事場、ハンナの友達が泊まるバンクハウス、そして普段は家族の団らんの場としても活用される。
折りたたみベッドはソファに変わり、小さな空間ながら多用途に使えるのが特長だ。ジム自身も「キャリアで設計した中で、この家が自分らしさに最も近い」と語る。小さなキャビンは、親子の協働と自然との調和を通して、ものづくりの喜びと家族の時間をそっと育む空間になった。
via: dwell.com