台湾のアーティスト、チェン・ツォン・フェンによる「Bamboo Cabin Plan」は、竹を主な素材に用いた小規模建築のシリーズ。シリーズの第一作である「Sticky Rice Dumpling(ちまき)」は、食文化の「包む」という行為を建築に置き換える試みとして南投県鹿谷郷の竹林ハイキングコース沿いに建てられ、訪れるハイカーのための日陰の休憩スペースとなっている。
包む行為から生まれた空間
「Bamboo Cabin」は、ちまきを包むという行為に着想を得たユニークなコンセプトを体験できる小屋。 竹小屋の形は、手のひらに二枚の竹の葉を置き、具材を包むと自然に曲線を描くちまきの作法からインスピレーションを受けているという。
フェンは複数の竹の棒を平行に並べ、曲げて囲まれた空間を作り出した。中央の小さな部分は少し持ち上げられ、小窓として機能している。
床は木製で少し浮かせて設置され、地面との間に影と隙間を生むことで軽やかで遊び心のある印象を演出。床の上では座ったり昼寝をしたり、ピクニックを楽しむこともできる。屋根には手作りの琥珀色防水パネルが二枚置かれ、光を柔らかく拡散し、もち米のような温かみを室内に届けている。
自然と文化に包まれる体験
軽やかでありながら親しみやすいこの竹小屋は、自然の中で過ごすひとときに、ちょっとした魔法のような安心感を添えている。
訪れる人は、ただ自然に囲まれていることを感じるだけでなく、手のひらと竹の葉に抱かれるような感覚を味わえるのだろう。小屋の中で食文化や自然素材の温かさを身近に感じられる、新たな試みである。
via: archdaily.com