森の中で木々の間で、かくれんぼをするような気持ちで過ごせるように。ウルグアイ東海岸の海辺のコミュニティ、ラ・フアニタに建てられた「Cabin in La Juanita」は、遊び心と居心地のよさを大切につくられたという。
建築スタジオMAPAによるプレハブ小屋で、ユニットはモンテビデオの工場で組み立てられ、現地の林間の空き地に運ばれた後、設置されるだけで使用可能。そしてこの小屋のもうひとつの面白さは、プライベート用と交流用の二つの空間が絶妙に組み合わされていることにある。
プライベートと交流の二つの空間
この住まいは、双子の箱型モジュール鏡合わせのように対称になって作られた空間。一方のモジュールは個人の時間を楽しむプライベート空間に、もう一方は社交や交流の場として使える。どちらも大きく外に開かれ、周囲の自然を内部へと取り込むデザインになっている。内部同士のつながりは、光が差し込むクリアな通路で結ばれ、両空間のアクセスの役割を果たすと同時に、住まいの内側にある生活感をほんの少し垣間見せる工夫が施されている。

森と共に過ごすひととき
外から見ると、黒い箱のように森の景色に溶け込み、目立たない存在。しかし一歩中に入ると、木々や光、風の感触を身近に受けとめながら暮らせる空間があり、大切な人や、友人と一緒に時を過ごすための空間、そして一人静かに過ごすための場所と隔たれていた。
自然を近くに過ごせるだけでも心地よいのに、自分のそのときの気持ちに合わせて部屋を変えて過ごせるなんて、なんて贅沢なのだろう。
「今、自分は何を求めているのか。どこにいたいのか。」
その問いを、いつでも自分に返せる場所。
自分の声に静かに耳を傾けながら、“今を生きる”。
そんな暮らしのあり方をそっと思い出させてくれるような住まいだ。
via: archdaily.com