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オーナーインタビュー

【オーナーインタビュー】「食は薬」。イタリアのアグリトゥーリズモを、葉山のトレーラーハウスで。レストランから広がる、新しい宿泊のかたち

2026.07.22

ウッドデッキのピザ窯からは、香ばしい香り。グラスには色鮮やかなイタリアのノンアルコールカクテルが注がれる。そして目の前には、逗子の海とゆっくりと沈む夕日が。

心地よい風を感じながら過ごすひとときは、まるでイタリアで過ごす休日のよう。

数日前までイタリア・サルデーニャ島を訪れていたという株式会社OBIETTIVO代表・馬場さん。 

東京・神奈川でイタリアンレストランを展開し、長年「食」を通じて人々の心と身体を満たしてきた馬場さんが、次に挑戦するのは、トレーラーハウスを活用した宿泊体験をつくること。

目指しているのは、イタリアで親しまれている「アグリトゥーリズモ」という滞在スタイルを、日本でも体験できる場所なのだそう。

今回は、現在オープンに向けて準備をすすめている馬場さんにインタビュー。ご自身がイタリアで体験してきた時間、そして、新たな空間に込めた想いについて、お話を伺いました。

馬場さんがサルデーニャ島滞在中に、友人家族と食卓を囲んだときの様子。

「食は薬」。心と身体を癒す、イタリアのアグリトゥーリズモを日本へ

――まず、この場所でどのような施設をつくろうと考えられているのか教えていただけますか?

馬場さん(以下、敬称略): コンセプトは、イタリアの「アグリトゥーリズモ」です。畑での農業体験や、地域の食材を使った本格的なイタリア料理、そしてトレーラーハウスでの宿泊を組み合わせた、滞在型の施設をつくりたいと思っています。

私たちは普段レストランを運営していますが、一番大切にしているのは「心と身体を回復させる食事を提供する」ということ。

人の口に入るものを提供するということには、大きな責任があると思っていて。どんな食材を選び、どうすれば美味しく、そして身体にも良いものを届けられるのか。これまでずっと考えてきました。

イタリアには「食は薬」という考え方があり、私たちも、その価値観をとても大切にしています。

美味しいものを食べて、身体が元気になる。そして心まで満たされる。そんな時間を届けることが、レストランの役割だと思っています。

馬場さんが訪れたサルデーニャ島の様子

――宿泊施設でも、その考え方を大切にされるのですね。

馬場:そうですね。食事だけではなく、この場所そのものが心と身体を癒してくれるような時間を提供したいと思っています。

敷地内には畑があり、ハーブも育てています。 近くには、馬や牛がいる牧場や、ドッグラン、プールもありますし、マウンテンバイクで自然を巡るにもぴったりの場所です。

少し歩けば沢があり、トレッキングも楽しめる。お子さんや愛犬と一緒に、1日中ここでゆっくり過ごしていただける環境なんです。

私はイタリアンの料理人なので、イタリアンの料理教室をやったり、農業の収穫体験なども開催できたらいいですね。

ただ泊まるだけではなく、この土地の自然や食、人との時間も含めて楽しんでいただける場所にしていきたいです。

畑やハーブガーデンに囲まれた馬場さんのトレーラーハウス。敷地内には、馬場さんが営むイタリアンレストラン「SOLIS Agriturismo」もあり、自然と食を楽しめる空間となっている。

キャンピングトレーラーへの憧れが、YADOKARIとの出会いに

――今回、YADOKARIのトレーラーハウスを選んでくださったきっかけを教えてください。

馬場:実は、もともとキャンピングトレーラーを所有していたんです。

昔から憧れがあって、その日の気分で「今日はここに泊まろう」と旅をしながら過ごす時間が好きでした。家族でキャンピングカーに乗って、青森まで行ったこともありました。

YADOKARIのことも当時から知っていて、以前YADOKARIが運営していたトレーラーハウスホテル「Tinys Yokohama Hinodecho」にも遊びに行ったことがあったんです。

今回、宿泊施設をつくるにあたって、立ち上げをお手伝いいただいているエンジョイワークスさんからYADOKARIをご紹介いただいたことが、購入を決めた本格的なきっかけです。

その後は担当の遠藤さんと、「外壁の一面だけ木板張りにしよう」「デッキと一体になって過ごせる空間にしよう」と、一緒にアイデアを形にしていきました。

実は、トレーラーハウスの隣にあるレストランを作る際に、木板張りの外観にしたいと思っていたのですが、管理面などの理由で実現できなかったんですよね。

でもトレーラーハウスなら施工面積も限られていて、メンテナンスもしやすい。こうして木板張りのデザインに挑戦することができて、嬉しく思います。

海と夕日を一番美しく眺められる場所に。景色を楽しむための空間づくり

――トレーラーハウスをこの場所に設置するにあたって、特にこだわったことはありますか?

馬場: 一番大切にしたのは、海と夕日が一番きれいに見える角度に設置することです。

この場所は季節によって夕日の沈む位置が変わるんです。冬は海側へ、夏は山側へ沈んでいくので、季節ごとに違った景色を楽しめるのが魅力。だからこそ、この場所ならではの景色をしっかり味わっていただけるよう、こだわりました。

内装で一番こだわったのは、キングサイズのベッドです。せっかくこの景色があるので、ベッドで横になっていても、自然と視線の先に海や空が広がるようにしたくて。

インフィニティプールならぬ、インフィニティベッドでしょうか(笑)窓の高さとベッドの高さを合わせることで、景色がそのまま部屋の中へ続いていくような感覚になるよう工夫しました。

大人2人と、小さなお子さんなら1〜2人でゆったり過ごしていただける広さなので、ご家族にもぜひ利用していただきたいですね。

おすすめは2泊3日。自然に身を委ねる滞在を

――ここで過ごすなら、どのような滞在がおすすめでしょうか?

馬場: おすすめは、ゆったりと2泊3日の滞在です。

初日は到着したらゆっくり景色を眺めて、美味しい食事を楽しんでいただく。朝は少し早起きしてコーヒーを淹れ、デッキでゆっくり過ごすだけでも気持ちがいいですよ。

その後は自転車で周辺を巡ったり、沢の方まで歩いてみたり。春には川辺にセリが生えているので、自分で採ってセリ鍋を楽しむのもいいですね。近くには湧き水がとても美味しい場所もあります。

都会では予定を詰め込んでしまいがちですが、ここでは何もしない時間も贅沢に感じてもらえたら嬉しいです。

今後は畑でのじゃがいも収穫体験や、手打ちパスタ教室、養蜂体験なども計画しています。数年後には、このあたりにワイナリーができると聞いていますし、私たちもぶどうを育てようと考えているところです。

この場所で育った野菜を収穫して、料理をつくり、ワインを楽しみ、自然の中に泊まる。そんなイタリアのアグリトゥーリズモのような体験を、日本でも楽しんでもらえたらうれしいですね。

日本の自然や食文化と掛け合わせた、新しい滞在

イタリアで親しまれてきたアグリトゥーリズモの考え方を、日本の自然や食文化と掛け合わせ、新しい滞在のかたちを作り出そうとしている馬場さん。

思い描いているのは、畑で土に触れ、海を眺めながら食事を楽しみ、自然の中で心と身体を整える滞在。食をきっかけに人と自然がつながる、そんな豊かな時間でした。

馬場さんのお店で手がけている冷凍ピザ。もちもちとした生地に感激、冷凍とは思えないおいしさです。

今回のインタビューは、トレーラーハウスのデッキで、馬場さんが焼いてくださった熱々のピザと、イタリアのノンアルコールカクテルをいただきながら行われました。

料理を囲んで語らい、ゆっくりと時間を味わう。そんなひとときは、馬場さんがイタリアで見て、感じていらした「豊かな暮らし」の一端に触れたような時間でした。 

馬場さんが思い描くアグリトゥーリズモが、この場所でどのような風景を生み出していくのか。施設のオープンが今から楽しみですね。

 

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