どこでもポップアップショップ!持ち運べる「ポンドショップ」で小商いはいかが?

via: http://www.thepoundshop.org/

アイデアや商品はいいのに、売る場所がない。たとえ場所があったとしても、委託販売や卸売りという古い仕組みでは十分な対価が得られない。そんな悩みを抱えているデザイナーやクリエイターは、きっと皆さんの周囲にも多いはず。

もちろん今だったら、自分のオンラインショップを作ってSNSで集客する手もあるし、作家向けのオンラインマーケットに出品するという方法もあります。でもやはり対面で商品説明したり、商品を直接手にとって触れてもらえたりする、対面販売の機会は今でもやはり重要です。

そんなデザイナーたちの悩みを解決するのが、この「The Poundshop(ポンドショップ)」。外見のデザインはナチュラルな木目とポップなイエローで構成されていて、パッと見はカラフルでかわいい移動式屋台のような雰囲気。でもこのポンドショップの注目すべき点は、見た目だけではありません。

 

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折りたたみ可能な棚やレイアウトを自由にかえられるフック、小物やアクセサリーを展示販売するのに便利そうな小さく仕切られた什器と十分な収納スペースなど、デザイナーがプロダクトをきれいに見やすく陳列して販売できるように設計された作りになっています。

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車輪がついていて人力で簡単に移動が可能。これなら手軽にポップアップショップがスタートでき、デザイナーの展示会出展のハードルがぐっと下がるはず。詳しい仕組みは以下の動画をみるとわかりやすいかと思います。

スタートアップ間もないクリエイターや小資本の個人事業主向けに便利なこのプラットフォームは、現在Kickstartar上でファンディング中です!

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このポンドショップの目的は、プラットフォーム自体をリーズナブルで使いやすいものにすることで、デザイナーによる良いデザインをより多くの人に広めることにあります。販売される商品の価格帯は、1ポンド、3ポンド、5ポンド、10ポンドとかなりお手軽なものばかり。

また作る過程で、ロンドンの異業種デザイナーコミュニティの「Studio Good One(スタジオグッドワン) 」の意見を取り入れ、ポンドショップは新しいプロダクトをテスト販売するための最適なプラットフォームに成長しました。少量生産のプロダクトを低い固定費で販売できるので、デザイナーはローリスクでお金を稼ぎながら、マーケットの反応をダイレクトに感じることができます。この仕組みのおかげで、多くのデザイナーがコンランショップやMOMA、V&A、Selflidgesなどの有名スポットでのポップアップショップを実現できました。

そしてこのポンドショップは、英高級百貨店Selflidges(セルフリッジズ)の「Bright Young things」や英会員制クラブThe hospital club(ザ・ホスピタルククラブ)が運営する「the h.club100 list」(アート・クリエイティブ・カルチャーを横断して確信的で影響力のある100人を選出する年1回のリサーチ)など、イギリスの多くのクリエイティブ系アワードに選出され、注目を集めました。

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「Studio Good One」は、単にポンドショップを作っただけにとどまりません。イギリスのさまざまなデザイン系・アート系の大学に通う学生にヒアリングし、常によりよいデザインやローコスト化への工夫を怠らないのが彼らの特徴。

また、ポンドショップのプロジェクトと連動して、彼らはクリエイティブの分野で働く上でのノウハウをシェアすることを目的としたワークショップなども行い、起業家精神やセルフプロモーション、社会で働くことについてなどディスカッションしているとのこと。次世代を担う若手デザイナーがこういった活動を牽引することで、彼らに続く新しいクリエイティブの芽がロンドンから生まれていくのではないでしょうか。

日本でもこのポンドショップのようなプラットフォームができて、世の中に若手デザイナーによる新しいデザインが広まるきっかけになるといいですね!

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