地元の光、物見小屋「Lyset paa Lista(Listaの光)」

どこまでも広がる砂丘。奥へと誘う一本の光の道筋のように続くウッドデッキ。
砂丘の凹凸の上を60m続くウッドデッキを進むと、その末端に小さな小屋が現れる。

ノルウェー南端部のファールスン、Lista。風光明媚なこの地域は、低木と砂丘が続く、ユニークでとても刺激的な土地で、潜在的な観光資源としても注目されている。

しかし、この小さな田舎町に、観光投資による大規模開発が行なわれてしまっては、それが台無しになってしまう。
そこで、移住者や開発業者に、この土地の無垢のままの美しさや価値を知ってもらうために、あるプロジェクトが発足した。それが、この物見小屋「Lyset paa Lista(Listaの光)」である。

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ノルウェーの建築設計事務所TYIN Tegnestueは、この土地をこよなく愛する地元女性Solveig Egelandの率いる地元に土地を持つ50のオーナーたちから、小屋の依頼を受けたが、スポンサーも政府の支持もない状態でこのプロジェクトをスタートさせた。

コストは、3,6000ユーロ(約496万円 2014年7月現在)
ウッドデッキの小径と一体化するこの建物は、120㎡の敷地に、このプロジェクトに集まったノルウェーとメキシコの建築学生たちが完成させた。

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砂の地盤に建つこの建物の基礎には、やがて自然に還るよう、コンクリートではなく木杭を使用している。
この土地の本当の価値に気付いて欲しいという思い。観光投資・開発という地元にとって明暗表裏一体の勢力と抗うのではなく、地元の人々が先行してカタチを提案するというモチベーションこそが、このプロジェクト「Lyset paa Lista(Listaの光)」なのかもしれない。

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via:http://www.dezeen.com/