サンパウロの熱帯雨林に佇む「Casa na Mata(森の中の家)」

その家はブラジル、サンパウロの大西洋岸を望む熱帯雨林の森の中にひっそりと佇んでいる。
『そもそも「家」の本質的な目的とは何だったろうか。それはまさしく「野生の自然の中で人間を保護する施設」ではなかっただろうか。そんな本質的な「家」の意味を再考させられたのがこのCasa na Mataと名付けられた家だった。』とNITSCHE ARQUITETOSの建築家は語る。

完全にオープンな森の中に組み込まれた地上70cmの高さに建てられた4.8×2.5mのミニマルな家、これこそ「原始のシェルター」ではないだろうか。
構造は再生木材(キョウチクトウの上質な木材)を使用して構築された。内部の床と開閉は接合プレートでコーティングされた工業木製パネルで作られ、天井はOSB木材ベースパネルと防水木材パネルを挟んで作られた。

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熱帯雨林だけに環境はあまりよくない。熱や高い湿度、そして森の住人でもある沢山の虫。これらの環境でも居心地良く住めるような配慮がなされた。
まず家の壁面は二層式になった。外部は2.5ミリ平方のポリエチレンメッシュシートで囲み、虫の侵入を阻み同時に換気を容易にした。さらに内部の窓には軽量なサポートで済むルーパー窓が採用され、部屋全体に完全な透明性を与えている。

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部屋からは四方に緑の濃い森を見渡すことができ、窓を開ければ木々や土の香りがいっぱい部屋に入り込んで私たちの鼻孔に広がる。太古の時代に我々の先祖たちが森の中で生活していたころを彷彿とさせるような感覚がよみがえるだろう。しかもその当時よりもずっと居心地がいいスモールハウスで。

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Via:
http://www.archdaily.com/508376/
http://www.tinyhouseliving.com/