スウェーデンにある地中のリノベーション別荘がまるで秘密基地!「Building no.8」

いくつになっても「秘密基地」や「アジト」なんていう言葉にときめいてしまいますが、今回紹介するスウェーデンのゴットランド島の北部にあるこの施設は、かつての軍事施設を別荘にリノベーションしたものです。

これぞ秘密基地と呼びたくなる立地と外観ですが、実際に軍事施設だったのですからまさに秘密基地やアジトそのもの。
しかも天井の上に位置する地面には木なんかも生えていて、カモフラージュもばっちりです。

ほぼ地中に埋もれるように存在するこの施設は周りの風景とも溶け込み、地中に位置する事で年間を通して程よい室内温度を保ちます。暖炉も完備しているので冬場も快適です。

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ちょうど間口に当たる部分を全てガラス張りに変えたおかげで採光も問題なく、地中の立地ながらも快適に過ごす事が可能。
キッチン、トイレ、バスルームも完備していて、家具のいくつかは軍事施設の頃の物を今も使っているものもちらほら。

もともとこの辺りは石灰岩の採掘場で至る所が切り出されていて、コンクリートで天井や壁を補強して軍事施設として使われていました。現在は夏場の別荘として改良されて使われていますが、石灰岩は簡単に加工しやすく長期的に持つその特性が現代でも見直されています。

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石灰岩はコンクリートより強度は劣るものの、その強度は数千年も持続可能。数十年で強度が心もと無くなるコンクリートよりも長期的な視点で考えれば素晴らしい素材です。

新しいものや流行りのものがどんどん作られては捨てられていく現代。
夢のマイホームを建ててもローンを払い終わった頃にはガタが出始め、補修や改装で出費が続き、結局次の世代に何も残しきれない消費のスパイラルを考えると、本当に良い物を何世代も大事に使い、次世代につなぎ続ける。そんな選択肢もあっていいのでは無いでしょうか?

「俺達が建てた、この家はもしかしたら何千年経った後も変わらずここに建っているかも知れない・・・。」
そんな想いで家を建てる。そして次世代に繋げる。本当に未来を見据えて建てる家には、未知数のドラマと可能性があるのかも知れません。
このスウェーデンの別荘もずっと長く誰かの居場所として引き繋がれていくといいですね。

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Via:http://www.archdaily.com/