自然に溶け込んで自立する「Pump House」

湖畔に建つ小さなガラス張りの家。とても洒落た外見ですが、もともとはポンプなどの農機具を収納する小屋として設計されたものだったのです。しかし、クライアントが週末に自分の馬を連れてこの地を訪れ、ちょっとお茶を飲んで一息つける場所を必要としていた為に、最終的にはこんなくつろぎの空間として提供されることになりました。

オーストラリアの農村にあるこの小さな家は、Branch Studio Architectsによって設計されました。当初の役割とは移り変わりましたが、「飾り気のない堅牢な小屋」という、もともとのコンセプトはそのまま活かされています。見るからに頑丈そうな、黒いトタンが張られた外壁に対し、室内は木材ボードを使ったやわらかく暖かなつくりで、まるで繭に護られているような安心感があります。

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前後の壁は完全にガラス張りになっていて、この家の小ささを忘れさせてくれます。湖に面するキッチンとリビングは、室内のフローリングと外のデッキがそのまま一体化しているので、部屋の中にいながらにしてアウトドア気分が味わえます。中央のバスルームが室内を二分しており、もうひとつの田園に面した側がベッドルームとなっています。

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こんな大自然のど真ん中で、ライフラインはどうしているのでしょうか。ご心配なく。暖房は薪ストーブ、電気はソーラーパネル、さらには雨水を集めるタンクも備え付けられています。都会から切り離され、自然のなかにぽつんと建つ小さな家。小さくても贅沢過ぎる空間です。

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via: Branch Studio Architects