水面に浮遊し、自ら水を生み出すグリーンハウス「Jellyfish Barge」

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大きなクラゲのような外見をしているこの透明な物体は、二人の建築家Amtonio GirardiとCristiana Favrettoによってデザインされた、農業のための家「グリーンハウス」だ。
サスティナブル、かつエコロジーな八角形の建物で、96個のリサイクルのプラスティックドラムの上に7つの太陽光発電器が備え付けられている。また、空気中の水蒸気と建物が浮かぶ水面の温度差を利用して、一日に150リットルもの真水を生み出すことができるのだ。

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水不足に悩む土地でも、このグリーンハウスのシステムがあれば真水を作ることができる。地面を掘り地下水をくみ上げる必要が無いので、地下水源を枯渇させる心配もない。今現在あるものを、効率よく最大限利用できる、サスティナブルなシステムである。

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ただ水を供給するだけでなく、食物を育てられる、というのもデザインの特徴だ。
グリーンハウスの作りはシンプル。木枠に備え付けられたプラスティックのパイプがプランターの役目を担う。ここで育てる作物は、普通の農業よりも70%も水を節約することができるようになっている。

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建設が容易なように小さいサイズの建物だが、2家族を養うだけの野菜を作ることができるそうだ。工夫次第ではフレッシュな野菜がコンスタントに収穫できるだろう。また、リモートコントロールで操作できるので管理がしやすい。水耕栽培だと害虫が少ないことも考えられる。農作業、ガーデニングになじみがない人々でも気軽に農業ができそうだ。

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もともとは、農業をするのが困難な地域を対象にデザインされた、このグリーンハウス。
将来的には、建物をいくつか組み合わせてコミュニティ・ベジタブルガーデンにしたり、カフェと併設する等、いろいろな可能性が考えられている。利用される地域やニーズによって応用がきくのも使いやすいだろう。
この不思議な建物が、今後ますます、地域活性や人々の生活向上に役立っていくことを期待したい。

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(文=加藤聖子)

Via:pnat.net
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