小さな家は大きな家具とも言える。スペイン・ガリシアの小さな家「Aguirre House」

Via: archdaily.com
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Aguirre Houseはスペインの北西部、ガリシアのPontevedraに建っている。この地域は年間を通じて温かく、とても気候の良いところで知られている。手つかずの緑豊かな森が現存し、数々の歴史的文化遺産が残されている地域でもある。

Pontevedraはガリシアでも歴史的建造物と都市計画の調和がとれていると言われており、古い石造りの城壁跡や大聖堂などの趣ある建物と近代的なコンクリートの建物が共存し、訪れる人々を楽しませている。

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Aguirre Houseはローマ時代を感じられる石造りの外見で、シャッターや格子、窓枠は白くペイントされ、見事に街並みと調和している。
ところが中に入るとその印象は一変する。「小さな家は大きな家具とも言える」、そう言っても言い過ぎではないだろう。この家の内部は、まるで心地よい調度品のように、天井から壁へと張られたオークがその空間を占めている。木目は美しく洗練され、あたたかいイメージで「木でできた家」にいるような錯覚もおぼえる。

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1階のキッチン、ダイニングはワンフロアの作りで内装が統一されているために、わずか4m×9mの広さであるが狭い印象はない。窓も大きく、明るくて開放的である。
2階は家具は少なくきわめてシンプルなつくりである。そのかわりスカイライトを含む天井のデザインはピラミッド型でとても個性的。太陽の光は屈折し柔らかい光となって部屋に届くようになっている。バスルームもガラスの仕切りとタイルの色調も落ち着いて清潔感がある。

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この小さな家はガリシアの歴史と人々の歩みをそのまま体現しているかのようだ。古きものを愛しつつ、時代の変化にも柔軟に対応していく、そんな懐の広さも感じさせてくれる家である。

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(文=加藤聖子)

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