スウェーデンの森に出没した宇宙からの訪問者?!「The UFO」
子供の頃、夜空に煌めく星を眺めながらこう思ったことはないだろうか。「この広い宇宙で地球だけに生命体がいるなんて嘘だ。この星の中のどこかに私たちと同じ生命体がいる。あるいはもっとずっと知的な生命体がいて私たちをどこかから観察しているかもしれない」と。
子供にとってUFOは果てしなく広がる宇宙に想像力を羽ばたかせる乗物でもある。いや、子供だけではないかもしれない。大人になった今も著者はそんなことを考えては空を見上げ胸をときめかせる。
そんな私たちのあこがれのUFOが、とある森に出没したらしい。これは是非とも行ってみなければ！
目的地はスウェーデンの北西側に位置するハラッズ。北極圏から50キロ南下した場所にある緑豊かな地域だ。この森に分け入ってみると、なんとそこにあったのは、UFO型のツリーハウスだった。
この地に、ツリーホテル群が建設されたのは2010年のこと。UFO型のツリーハウスはそのひとつだ。超軽量にもかかわらず、堅牢で持続可能な材料で作られたメイド・イン地球のUFO型ホテル。
さっそくUFOの真下にぶら下がった格納式の長いハシゴを上ってみよう。少しグラグラするけど、冒険心に火がついた私たちにはそれすら刺激になる。
中に入ってみると30㎡ある室内は意外と広い。この宇宙船のクルーの定員は5名、大人2名と子供2名が滞在するにはちょうどいいサイズだ。
部屋の中央に立つと、大きな木の壁が目に入る。その背後はダブルベッドのヘッドレスト兼収納になっている。ダブルベッドの左側に部屋を囲むように設えられたオレンジ色のカラフルなソファベッドがある。ここは子供たち2人が眠るのにちょうどよい。
ソファーベッドの隣にはダイニングスペースがある。ちょっと一家でお茶を飲むのにちょうどよいスペースだろう。
寝ぼけ眼でトイレに行こうと、グラグラする階段から落ちるのを防ぐためか、室内にはコンポストタイプのトイレがあるので安心だ。
室内のインテリアはオレンジとネイビーが配色され、明るくて可愛いのに不思議と落ち着くインテリアだ。クッションは宇宙を彷彿とさせるようなデザインが施され、ベッドシーツには夜空が再現されている。
一見冷たそうな外観のUFOだが、断熱、床暖房、LED照明で室内は快適そのもの。これらの電気は水力発電を電源として100％使っている。
「でもこのツリーハウスって本当に環境に優しいの？」と疑問な方、どうぞご心配なく。環境に限りなく影響を与えないような環境に安全な材料がすべての客室の建設に使用されたそうだ。同時に木への影響を与えないように地元の英知を集め、持続可能な技術を最大限に生かして建てられたのがこのツリーホテルだそうだ。
心がすっかり宇宙人になった気分で外の森や外界を眺めると、普段と違う景色が見えるかもしれない。
こんなUFOで休暇を子供たちと過ごしたら、彼らにとって忘れることができない思い出になることは間違いなさそうだ。
ちなみにここのツリーホテルは、2011年のスウェーデンのグランドツーリズム賞を受賞した。泊まってみたいという方は、予約はこちらからできる ⇒ treehotel.se
