屋内の木陰で読書を楽しむ、8㎡の三階建ての家「21 House」

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こちらはベトナム南部Thanh Hoaにある21 houseは、およそ8㎡の広さで3階建ての家である。オーナーの若い夫婦は両親と住む二世帯住宅としてこの家を建てた。
オーナー夫婦には「一味違う新しい家が欲しい。家の中ではオープンな雰囲気を楽しみたいが、安全面も考慮したい。」という希望があった。

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ベトナムの建築法では間口が広いと税金がより多くかかる。そのために多くの家は間口は狭くし、その分上に部屋を作る、と言う手法が一般的である。フランスの植民地であったという歴史的な背景からレンガを使った建築法も多くみられる。ベトナムの生活環境に密着しつつ、なおかつ一味違う家。これはまさに建築家の腕の見せ所である。

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写真でわかるとおりこの地域は過疎地区で、家の周りには廃屋が建ち、街路樹らしき若い木が植えられてはいるが、殺風景な景観である。
ここでくつろぐには何が必要だろうか。植物などナチュラルな環境が必要であろう。話し合いの結果、オーナー家族全員、木が好きであったことを考慮し、家の中で木と共に暮らす、というアイデアがうまれたのである。彼らはまるで公園の木陰でくつろいでいるような気分を思う存分満喫できるのだ。

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家は西向きのために夏の暑さ対策が必須である。透かしレンガの壁は頑強で、強い日差しを和らげ、空気も通す優れたデザインである。家のインテリアのアクセントにもなる独特の味がある。

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フロアの作りはいたってシンプル。スライドドアで空間を分けるが細かく仕切りすぎず、開放感がある。
家具を必要以上に置かず、色数も木のドアや赤レンガの色と白い壁と少なく、すっきりとしている。木の緑もアクセントになっている。

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天井の一部をガラスの屋根、階段やテラスにも光を通す工夫がされており、明り取りにこだわりが感じられる。これならば木にとっても快適に違いない。
土地の環境や条件を考慮し、住みやすい家をつくる。柔軟な発想やちょっとした工夫が生活をより豊かにしてくれる。こんな「家の中の木陰」でのんびりと読書を楽しみたいものだ。

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(文=加藤聖子)

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