巨匠のデザインを受け継ぐリゾートの小屋「PAVILLON D’ACCUEIL DE FLAINE」

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フランスのスキーリゾート、Flaineには特徴的なファサードを持つビジターセンターがある。このファサードのデザインは、この地から遠く離れたニューヨークの有名な建築と関わりがあった。

今年、2015年5月、ニューヨークのホイットニー美術館は移転し、巨匠レンゾピアノ設計による建築で新たに開館した。その移転前の建築は、重装な石のファサードに「銃眼」のような開口を持つ特徴的な建築だ。バウハウスの巨匠マルセルブロイヤーの代表作である。

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「銃眼」の開口ファサードこそが彼の建築を象徴するデザインだ。まさに、このビジターセンターは、その象徴を体現している。「銃眼」のエントランスは吹雪を遮り、来館者を迎え入れてくれる。

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この建物は、エントランス以外は金属製サイディングに覆われており、日中はメタリックな外壁に移り変わる季節を反射し、環境に溶け込んむ。夜はランプのように光り、パンチングメタルで象られた街のロゴ「Flaine」が浮かび上がる演出が心憎い。

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1960年代、この雪深いアルプスのスキーリゾート全体のデザインを委託されたのが、かのマルセルブロイヤーであった。山並みを削らず、環境との調和に心血を注いだこのリゾート計画は、フランスの「20世紀の建築遺産」に指定されている。巨匠マルセルブロイヤーの作り出したアルプスのリゾートを象徴するデザインが、この街のストーリーを紡ぎ出していく。決して大きなものでもなく、未知の形態でもなく、既存のモチーフを地域の歴史を象徴するアイコンとして受け継いでいくことも、デザインの重要な役割だ。

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