アートか家か、鳥の巣か。生きているみたい!なアートを創造する「The Willowmans Sculptures 」

Via: inhabitat.com
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「生きている芸術」。そう言いたくなる作品を生みだしているアーティストがいる。ヴィル・ベッカース(Will Beckers)という、主にオランダとベルギーで活動しているオランダ人だ。彼の作品の特徴が英名「willow」というヤナギの一種を多用していることと、彼の名前Willにちなんで、人は彼を「Willowman」(ヤナギ男)と呼んでいる。

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ヤナギの枝を、ねじりひねり思いのままに変えていく彼のアートは、眼を離せないインパクトがある。けれど彼が目指すのは、あくまでも自然との共生。人間にとっては奇妙に見えるカタチも、虫や鳥にとっては居心地の良い木のまま。そういった天然の植物を作品に用いる彼は、自分のことを「パートタイム芸術家」だと笑う。つまり、自分が作品に影響を与えるのはほんの少しで、作品を作り上げるのは植物や自然そのものだと言うのだ。

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そして、時には彼自身も作品の一部になってしまう。2012年にオランダ南部の街で大規模な植物の万博のようなイベント(Floriade)が開催されたとき、その期間中は6か月間も自分の作品の中で寝起きしたという。上の写真のツリーハウス3つに「プライベート」の札を下げ、彼の寝室と図書室、さらにトイレとして使っていたらしい。これにはイベントの来場者も驚いたようで、興味津々で彼の個室ツリーハウスをのぞき込んできたという。そしてその魅力は老若男女問わず影響を及ぼすようで、学校の課外授業で訪れた子供たちもすっかり彼の世界観に魅せられ、「帰りたくない」と駄々をこねたと後にヴィル本人がマスコミに語っている。

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常に精力的に活動しているWillowman。いつか世界中の森に、彼の作品が現れるかもしれない。

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(文=倉田直子)

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willbeckers.com
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