カラフルな格子扉を再利用。ベトナムの可愛いお料理教室「Vegan House」

Vegan-House_Block-Architects_Photos-Quang-Tran_dezeen_468_0
Via:dezeen.com

毎年65万人近くの日本人が訪ねているというベトナムは観光地としても日本人に人気の地域だ。ベトナムと言って皆さんが思い浮かべるのは何だろうか?アオザイを着た美しい女性?可愛らしいベトナム雑貨?それとも新鮮な野菜をふんだんに使ったベトナム料理だろうか?

今回ご紹介するのはベトナムはホーチミン市に旅行者の憩いの場としてできた「Vegan House」だ。その名の通り、ここはベトナム文化を広めるホットスポットであると同時に、主にビーガン料理を教える料理教室でもある。

外観を見ると、空色、黄色、白、クリーム色などが色とりどりのカラフルな扉が外壁に使われた斬新な建物で、なんともキュートな見た目にわくわくしてしまう。

VeganHouse_BlockArchitects01-ashui
Via: ashui.com

もともと1965年築の古い三階建ての古いテラスハウスだったというこの建物。観光業に長年携わってきた施主が、この建物を借りた。彼はこの建物を観光の拠点に使えないかと、さまざまな家具や、窓枠、扉やランプシェードなどを集めだした。そんな折、リノベーションの相談したのが同市を拠点に活躍するブロック・アーキテクツという建築事務所だった。

VeganHouse_BlockArchitects02-ashui
Via: ashui.com
VeganHouse_BlockArchitects03ashui
Via: ashui.com

限られた予算の中で建築家が目をつけたのが、フランスの植民地時代の影響の強い格子窓だった。これはこの地の高温多湿な気候にもピッタリだった。日よけにもなると同時に換気に最適だったからだ。建物を覆うように格子窓を1階から3階まで取付け、少し抑えた色でカラフルに塗ることで周りの古い建物にも調和しつつ、建物の個性となるアクセントにすることができた。

VeganHouse_BlockArchitects0106-ashui
Via: ashui.com

1階は大きなキッチンスペースとなっており、ここで様々な地域からベトナムを訪れた人々や地元の人間が出会い、集い、料理を通してベトナム文化を学ぶ場になっている。うなぎの寝床のように奥深い建物を入ると、左側の壁に沿って並べられた食器棚の前にシンクが「く」の字に並んでいる。

天井の未精製のセメント表面、竹で編んだブラインド、それに壁やタイルは昔のままで、60〜70年代のノスタルジックなベトナムとモダンなスタイルが融合した新しいスタイルだ。

VeganHouse_BlockArchitects006-625x288
Via: dezeen.com
VeganHouse_BlockArchitects007-ashui
Via: ashui.com

1階の奥の部屋にはダイニングスペースがあり、キッチンで作った料理をここで食べる。部屋の中ほどは3階の吹き抜けとなっており、一番上階に取り付けられた窓からさんさんと外光が差し込む。ここは室内ガーデンスペースとして、青々と葉を茂らせた背の高い木が植えられており、ダイニングに集う人々の目を和ませる。樹木はベトナムでは繁栄を意味し、成長する木に未来と美徳を託している。

VeganHouse_BlockArchitects06-ashui
Via: ashui.com
VeganHouse_BlockArchitects008-ashui
Via: ashui.com
Vegan-House_Block-Architects_Photos-Quang-Tran_dezeen_09
Via: dezeen.com

キッチンスペースとこのガーデンスペースを隔てているのは、家の外装にも使われたフランス植民地時代の名残の格子戸だ。この格子戸がこの建物のアクセントとしてこのように室内の様々な個所で使われている。

中央にある階段を上って2階に上ってみよう。ここは宿泊できるようになっており、ゲストハウスとして使えるようだ。ここのフロアにはベッドが4つとクローゼットが4つ、そして窓際にはソファーとコーヒーテーブルがある。階段付近には机といすが設えられ、部屋の奥に当たる階段の裏にはバスルームがある。

VeganHouse_BlockArchitects008-ashui
Via: ashui.com
VeganHouse_BlockArchitects09-ashui
Via: ashui.com
Vegan-House_Block-Architects_Photos-Quang-Tran_dezeen_10_1
Via: dezeen.com
VeganHouse_BlockArchitects11ashui
Via: ashui.com

かつてはただの屋根だった3階をベッドルームにするために新たにスチール製の屋根が取り付けられた。そのままでは、太陽の陽射しをまともに受けるため、熱の影響を受けないために、先にも紹介した、フランス植民地時代の格子戸で屋根をすべて覆うことにした。格子戸による換気も手伝い、内側に熱がこもらず、快適に過ごすことができる環境を実現している。

VeganHouse_BlockArchitects-ashui
Via: ashui.com
VeganHouse_BlockArchitects1-625x480
Via: dezeen.com

新たに作られた3階には、ダブルベッドのあるベッドルームとシャワールームがある。窓の外はベランダがあり、そこには木が植えられている。ここのベランダで宿泊者は夜景を眺めながらお茶を飲んでおしゃべりにふけることができる。建物の奥にあるシャワールームと吹き抜け部分の屋根はガラス窓が取り付けられ、小さなアトリウムとなっており、日中は太陽光が差し込むため、通常は暗くなる建物の奥の部分が明るく電気をつける必要もない。

Vegan-House_Block-Architects_Photos-Quang-Tran_dezeen_13
Via: dezeen.com
VeganHouse_BlockArchitects04-ashui
Via: ashui.com
Vegan-House_Block-Architects_Photos-Quang-Tran_dezeen_784_2
Via: dezeen.com

ここはさまざまな国籍の人々が集まる文化の交流点となると同時に、ベトナムの過去と現代が融合し、新たな形でこれからのベトナムを体現する場となるのではないだろうか。旅好きで食いしん坊の筆者としては、ベトナムに出かけた際は是非訪ねてみたい。

Vegan-House_Block-Architects_Photos-Quang-Tran_dezeen_784_4
Via: dezeen.com

Via:
dezeen.com
archdaily.com
inhabitat.com
elledecoration.co.uk
ashui.com
jnto.go.jp
b-l-o-c-k.com