ドーム愛は続くよ。Domos Geodesicosのフラードーム・プロジェクト

via: domosgeodesicos.es

ニューエイジやスピリチュアル・ムーブメントとなぜか相性のいいジオデシック・ドーム(通称フラードーム)。半球上の構造を、CGのポリゴンのように三角形の平面の集まりで構成した建築物だ。デザイン界の巨匠、バックミンスター・フラーが考案した。

最近の欧米でのヨガブームで、再び脚光を浴びつつあるこのフラードームのプロジェクトをヨーロッパ各地で展開するのが、スペイン・マドリードのDomos Geodesicos社。住居用から、展示会用、ヨガのセッション用まで、幅広く手がける同社のプロジェクトを見ていくことにしよう。

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冒頭のちょっとカルト集団の建物のようなドームは、スペイン・カステリョンに設営されたヨガ用ドーム。なんだか模型のような印象でサイズ感がわかないが、中はびっくりするほど広い。

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ご覧の通り、フローリングもフレーム材も、木材を使用している。Domos Geodesicosのラインナップには、メタルフレームや樹脂製のターポリンもあるが、やっぱりヨガ仕様としては、ナチュラルな素材感の方が好ましい。ヨガは低い姿勢で行うポーズが多いので、このような床上の採光は効果的だ。

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トップには2つの目のような照明。そして窓も当然三角窓。なんとなくスピリチュアル。

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透明な樹脂や、採光性の高い素材をターポリンに用いることで、明るく開放感のある室内空間も実現できる。

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展示会用ドームなどでは、一枚一枚三角ピースを貼り付けるのではなく、一枚の巨大なターポリンをフレームに一気にかぶせるという手法もある。まるで気球のようだ。

バックミンスター・フラーが今でも多くの人たちの尊敬を集めているのは、デザイナーや建築家としての業績よりも、地球資源の有限性を説いた「宇宙船地球号」をはじめとするサステナブルな思想にあると言っていい。この世界観から、フラードームは、ニューエイジやスピリチュアル、ナチュラルライフと親和性が高いわけだ。

欧米でなぜドーム建築が廃れず、常に一定の人気を保ち続けているのか。少しだけその秘密がわかったような気がする。

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