茶色のシックなスモールハウス「the camp」

via: https://www.designboom.com/

ニュージーランドの首都オークランドから、車で北に1時間ほど走ったところにあるタワラウニ半島。見渡す限りゆるやかな丘陵地帯が広がる自然豊かなこの地域に、fearon hay architects (フェアロン・ヘイ・アーキテクツ )という建築会社が建設した木製の小さな2棟のキャンピングハウスが建っている。

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この建物の名は「bishops hill encampment(ビスホップ・ヒル・エンキャンプメント)」、または単純に「the camp(ザ・キャンプ)」。

その名前の通り、キャンプをするための施設。
今流行りのラグジュアリーなキャンプが楽しめる一方で、昔ながらの水辺の草原でキャンプするというどちらのスタイルも楽しめる。

周りの景観に溶け込むように、オーク調のナチュラルな感じの木材を使用している。周囲の草木は刈り取らず、自然のままの姿を残している。それによって、この土地の特色を引き出し、自然と一体となれるキャンピングハウスをより魅力的なものにしている。

2棟はそれぞれの役割があり、1棟は主にキッチンエリアで、もう1棟は寝室やバスタブ、洗面所のある居住スペースになっている。

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このスモールハウスの最大の特徴は、外壁を折り戸式にしているところ。さらにこの折り戸は、開閉自在のルーバー式になっていて、換気の役目を果たしている。暑くて風通しをよくしたいときなどには、木製ルーバーの角度を調節することで、自然の風を室内にいれることができる。日差しが強すぎるときにも角度を調整して、日影をつくったり、適度に日光を引き込むことで、自然光で適切な明るさを保つことができる。

外観はアンティークで素朴な小屋にみえるが、様々なところに快適に過ごせる現代的な機能が装備されている。

外扉を完全に折りたたんで、大開口のガラス窓から自然の景色を楽しむことができる。建物の中と外の境界線が曖昧となるため、スモールハウスの狭さを補い、広がる大自然も居住空間の一部のような開放感を得られる。

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裏の扉を開けば、目の前にスタイリッシュでシックな黒いバスタブが登場する。
扉を開けたまま入浴すれば、露天風呂というわけだ。

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室内の床やインテリアも外観同様、シックなオーク調の木材で統一されている。黒色のスチールがアクセントになり、とてもスタイリッシュな室内を演出している。

外からはよくわからなかったが、内側の大きなガラス窓も、同じようにルーバー式になっていて、外扉の木製のルーバーと共に使えば、季節や天候によっていろいろなバリエーションで最適なセッティングを探ることができるというわけだ。

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キッチン棟の中は、広い調理台と収納たっぷりのアイランドキッチンを中央に設置。冷蔵庫なども完備しているので、キッチン前の扉を全開にして、自然の光と風を感じながら、解放感の中で本格的な料理を楽しむことができる。

存在感のある大きな木の扉のクローゼットは、スモールハウスをスッキリかたづけるには十分な収納力。

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建物としては非常にシンプルなキャンピングハウスは、都会に暮らす人が生活スタイルはそのままで過ごせる設備が整っている。しかし、扉を全開にすると、小高い丘から見下ろせるのは、訪れる者を魅了するニュージーランドの美しい丘や、木々、湖。まるでこの自然ごと共に住んでいるような感覚になれる。

自然豊かなニュージーランドの中でも比較的都会の首都オークランドのすぐ近くに、気軽に出かけられて手つかずの大自然を楽しめるキャンプ場があるというのは羨ましい限りだ。

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