分解・拡張自由自在。サステナブルな共同生活コミュニティ「アーバン・ビレッジ・プロジェクト」

via: designboom.com

急速な都市化や高齢化社会、気候変動、手頃な価格の住宅の不足は、世界中の都市が直面している課題のほんの一部です。 わたしたちが構築された環境の性質を再考しない限り、都市はますます持続不可能になり続けるでしょう。 この状況を解決するために、IKEAのグローバルリサーチ&デザインラボであるSPACE10とEFFEKTアーキテクトは、「アーバン・ビレッジ・プロジェクト」を提案しました。

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アーバン・ビレッジ・プロジェクトは、2019年の6月4日と5日に開催されたIKEAの毎年恒例のイベント「Democratic Design Days 2019」で発表された、SPACE10とコペンハーゲンの建築設計事務所 EFFEKTアーキテクトによるコラボプロジェクトです。YADOKARIがトラッキングしているIKEAの未来生活研究所 SPACE10は、世界中の人々が良いデザインの住宅を手頃な価格で手に入れられるようにするユニークな研究活動で知られています。

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アーバン・ビレッジ・プロジェクトは、未来の住宅建設と居住、地域と都市に関するデザインビジョンで、日常生活を、より持続可能に、より手頃に、そして楽しいものにする方法を模索しています。このプロジェクトでは、都市の中心にある世代を超えた共有コミュニティを想定しています。

プライベートな生活と共有スペースを組み合わせることで、住民が活気あるコミュニティの一員となり、社会的ライフスタイルを楽しむことができます。そして共有された生活は、住民の健康と幸福の両方を後押しすることになります。

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プロジェクトは、あらゆる年齢とバックグラウンド、生活環境の人々のためのライフスタイル・シェアリングを創造するためのビジョンを提供しています。SPACE10とEFFEKTアーキテクトの共同研究デザインチームは、保育所、都市農園、共同ダイニング、フィットネス、共有モビリティなど、コミュニティのシェアリングエコノミーを培うことで、生活の質の向上を促進したいと考えています。

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「ライフスタイル・シェアリングは、現在の都市の緊急課題に対する有効なソリューションとなる可能性があります。このプロジェクトでは、幸福感を促進し、居住空間をより健康的で幸せな場所に変えながら、そこに住む人々にとって手頃で効率的な新しい現実を創造する方法に注目しています」とSPACE10の建築リーダーJamiee Williamsは説明します。

建築的には、アーバン・ビレッジ・プロジェクトは、環境に大きな利点を持つ木材であるクロス・ラミネイティド・ティンバー (CLT, Cross Laminated Timber) を利用した、標準化されたモジュール式の木造建築システムで構成されています。プレハブ生産とフラットパック組み立てを利用して、タウンハウスからタワー、一人用住宅、複数の人が共有できるスペースまで、あらゆるものを構築できます。

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ほとんどのコンポーネントと材料は分解可能で、建物のライフスパンを通して簡単に交換、再利用、リサイクルできます。モジュールは現場での迅速な組み立てが可能で、二酸化炭素を削減して廃棄物を最小限に抑える建設方法と、建物の管理とライフサイクルへのサステナブルな循環アプローチが保証されます。また、建物自体を改造したり再利用することもできます。

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「このシステムは分解を前提にデザインされているので、建築コンポーネントと材料を無駄することなく、再利用と交換が可能な本当の循環型建築を実現できます。これは建築業界にとって大きな変化となる可能性があります」と、EFFEKTアーキテクトのパートナーSinus Lyngeは語ります。

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アーバン・ビレッジ・プロジェクトの一環として、水の取得、クリーンエネルギーの生成、リサイクル、地産の食料生産、地域の堆肥化などの統合された機能により、持続可能な生活が可能になります。これらの要素は、デザインスタジオNorgramが設計した、居住者の日常のニーズをサポートする仮想プラットフォームのモバイルアプリを通して、監視や管理が可能となっています。

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アーバン・ビレッジ・プロジェクトでは、所有権の新しいモデルも提案されています。居住者は、必要に応じて不動産の「共同所有権」を購入することができます。住民が所有権に段階的にアクセスして、不動産の価値が高くなった後に換金することができます。

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SPACE10は、2年前から共同生活のアイデアを調査・探求し、EFFEKTアーキテクトと共にインサイトをアーバン・ビレッジ・プロジェクトの具体的なコンセプトに凝縮しました。SPACE10では現在、人々をインパイアして巻き込むために、プロジェクトの次のステップが具体化する前に、世界中にアーバン・ビレッジ・プロジェクトへのフィードバックを呼びかけています。みなさんも、意見をコメントしてみてはいかがでしょう。

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