近未来の遊牧生活オフグリッドスモールハウス「Jupe」

via: https://www.dwell.com/

ここはアメリカ、ロサンゼルス。

制作したのはプレハブハウスのスタートアップ会社である「Jupe Unveils(ジュープ・アンベイル)」
アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックによって考案、制作された普及のSFの名作「2001年宇宙の旅」にインスパイアを受けて、このスモールハウスは制作された。

つまり、宇宙がモチーフになっているこのシェルターは、確かに、白を基調として、外装も優しく発光しており、見た目もいかにも近未来な感じがする。

都会をバックにすれば、その出立ちは地球外から降り立った宇宙船そのもの。

このグランピング型シェルターの大きさは約10平方センチメートルほどと非常に小さい。建物を形作るフレームはアルミニウムのポールだ。
このポールを無数に組み合わせて、そこに耐火性のある帆布を貼り、宇宙を航海する小さな宇宙船のようなデザインにした。

基本は床の木材とアルミのポールと帆布でできているため、解体するのも簡単で、解体した後もぺちゃんこにして、ほぼ床のみが残るため、運搬も軽くて、素早く楽にできる。

中に入ると、ほぼベッドのみの小さなスペースだが、そこまで狭さは感じさせない、一面が白色と膨張色なため、広々とした印象がある。

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ベッドのみ置くと言うシンプルさも特筆すべきだろう。
つまりこのグランピングでは寝る以外の機能はないが、しっかりとフローリングとクイーンサイズのベッドを置くことによって、「寝る」という三大欲求の一つをしっかりと満たせるようなデザインをしている。

フローリングはバルトのカバ材を使用しており、フローリングの下には隠れた収納スペースがあり、ものが散らかることはない。

中から入口の方を見てみると、入り口が外の風景を切り取るフレームとなり、周りの美しい風景を鑑賞できる。

砂漠、山、海、色々な場所におけば楽しみ方も千差万別だ。

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このスモールハウスはオフグリットであるため、インフラ、ライフラインは基本的に自給自足可能だ。
そのため、街中でも自然の奥地でも、自分が好きな場所に自由に置いて生活することができる。

また、エネルギーの自給自足をすると言うことは、すべからく環境にも優しい建物にもなっている。
基本のソーラーパネルからアップグレードもすることができ、より強力なソーラーパネルを横に並べることで、USBチャージやLEDライト、スピーカー、クーラーなども動かすことができるので、非常に快適な生活を送ることができる。

しかし、従来型のデジタルデトックスなどを主眼においた自然主義回帰主義的な発想ではなく、むしろミニマリズムを取り入れて最先端の暮らしを送る、近未来のノマドの生活に焦点を当てている。

このスモールハウスにはデフォルトでWifiがつけられているため、このスモールハウスを僻地にセットしたとしても、ネットを通じて人々や社会とつながることができる。

本来、このキットはそのようなコンセプトで作られたが2021年現在、世界的なパンデミックを受けてその意味合いも変わってきている。

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日本でも病院の入院患者の逼迫率が取り沙汰されていたが、アメリカでもそれは同じで、連日病院にはコロナ感染患者が溢れかえっていた。

そんな中、このシェルターは簡易に、素早く設置できるため、ここで感染者を隔離する空間を数多く作ることもできる。
このように考えれば、今日本や世界で問題になっていることが解決するひとつの要素になるかもしれない。

今後、このような夢のある、未来のあるスモールハウスのプロジェクトやそれを担うスタートアップの企業が続々と増えてくると思うと、明るい未来が描けそうだ。

 

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