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【対談】好きなライフスタイルを実現できる小屋「スケルトンハット」はこうしてできた。エンジョイワークス×YADOKARI特別対談

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鎌倉・葉山・逗子を拠点にする「エンジョイワークス」とYADOKARIとのコラボレーションで誕生した、タイニーハウス小屋「スケルトンハットS」「スケルトンハットL」。“好きなライフスタイルをインストールできる小屋”をコンセプトに、2016年春に発売を開始しました。

床面積3帖の「Sサイズ」と、床面積10帖+ロフト5帖の「Lサイズ」の2つのサイズを展開するスケルトンハットは、木の板を外壁に張ったボックス型の躯体(スケルトン)の中に自由につくれる内装(インフィル)を持ち、スケルトンの状態へ何度もリセットできる可変性が大きな魅力です。2016年7月には神奈川県葉山町で見学会も実施し、その魅力を多くの方に実感していただきました。

今回は、エンジョイワークス事業企画部で実際にスケルトンハットの設計に携わった濱口智明さんと、YADOKARI共同代表のさわだが、スケルトンハットをつくった理由と今後の展開について対談しました。

株式会社エンジョイワークス 濱口 智明
濱口 智明
株式会社エンジョイワークス 事業企画部 設計事務所を経て、2013年株式会社エンジョイワークス入社。設計者の視点で、家づくりの新たな提案として「スケルトンハウス」の事業化、「葉山小屋ヴィレッジ」等のコミュニティづくりの仕掛けなどにも取組み、「スケルトンハット」の企画・設計を行う。鎌倉在住。

エンジョイワークスが鎌倉・葉山・逗子を拠点にする理由とは

YADOKARIさわだ(以下、さわだ):現在、エンジョイワークスさんは鎌倉・葉山・逗子を拠点にされていますが、その理由について改めて教えてください。

エンジョイワークス 濱口さん(以下、濱口):弊社は2007年に東京都内で開業しました。開業当時は不動産業をメインにしていたのですが、お客さんのライフスタイルに合わせた住宅や建築などを意識的に提供したいという思いや、地域のコミュニティにもっと関わっていきたいという想いがありました。

エンジョイワークス濱口さん(左)とYADOKARIさわだ(右)
エンジョイワークス濱口さん(左)とYADOKARIさわだ(右)

当時、代表の福田が葉山に住んでいたのですが、その暮らしのなかで鎌倉や葉山、逗子といったエリアには、僕らが発信したいことに対する「受け取り手」がたくさんいると感じたそうです。実際にDIYやリノベーションとかに意識や興味がある人が多いし、自分の住まい方に対して意識的で、さまざまなアンテナを張っていてセンスがある人がたくさんいる。都内にももちろんいると思うのですが、このエリアのほうが出会いやすいんですよね。誰かの知り合いベースでつながりをつくりやすいし、個が立っている人も多い。そういう人たちがつながりあっているから、連携もしやすい。そういった人たちに私たちが提供する新しい試みを受け取ってもらって、具体的にいろいろと展開していきたいと思い、2011年に鎌倉に移転しました。

さわだ:このエリアは別荘文化が根付いている土地柄だし、昔からクリエイティブ文化が根付いているから文化人が住むイメージが強いですよね。そのせいか、ちょっと変わっている人は目立つし、その人たちがコミュニティを作っていたりしている。僕もこのエリアに引越してきて3〜4年経つけど、それを特に実感していますね。

スケルトンハットのベースとなった「スケルトンハウス」

さわだ:エンジョイワークスさんといえば、スケルトンハットのベースとなった「スケルトンハウス」を展開されていますが、スケルトンハウスのコンセプトについて改めて教えてほしいです。

濱口:今の日本で新築の家を建てるとなると、住宅展示場に行って、ある程度決まったものから選ぶのが主流ですよね。注文住宅もお客さんは注文する側であくまで消費者側でしかない。要望は出しているけど、気づいたら自分の理想の住まい方と100%リンクしているかというとちょっと疑問だったりするものです。でも、既成品にとらわれずに自由に一から家づくりをしようとすると非常に大変ですよね。そこで、スケルトンというしっかりとした躯体を用意して、内装設備はお客さんが決めていくという形を実現したのが「スケルトンハウス」です。

スケルトンハウスの一例
スケルトンハウスの一例
中はお客さん自身が自由に描くことができる
内装設備はお客さん自身が自分たちで決めることができる

さわだ:注文住宅は家に消費者が合わせていかないといけないけど、スケルトンハウスは家がその人の住まい方に合わせていくんですね。

濱口:その通りです。そのためにこちらで用意している「家づくりノート」を使ってもらっています。例えば、スケルトンハウスは形がある程度決まっているので、その形が決まっているなかでお客さんに好きな間取りを家づくりノートに描いてきてもらいます。例えば、お気に入りのソファを置きたいから、どういう部屋にしたいかをイメージするとかでもいいし、そもそも部屋という概念も取っ払ってもいい。床はフローリングがどういう素材から選べるか、ではなく、ラフな木の板を貼り付けただけの板がいいとか、用意されたものから選ぶという考えも取っ払います。それを成立させるための箱がスケルトンハウスという発想なんです。

衣食住のうち、衣食については民主化が進んでいるというか、自分からこだわりを持って自ら決められる人が多いですけど、住は何度もする買い物ではないから当然経験値がない。経験値も時間もないなかで選ぶとなると、どうしても既存の決まったものから選びがちです。だけど、住も衣食と同じように、自分の理想に合わせたものを追求してほしいんですよね。

双方の想いが合致してコラボが実現

さわだ:YADOKARIとはYADOKARI小屋部で「葉山小屋ヴィレッジ」という共同プロジェクトを立ち上げたのがきっかけですよね。

濱口:葉山公園近くの空き地の利活用の一環として、7棟の小屋からなるヴィレッジを作りました。毎年開催される「葉山芸術祭」の企画としても展開しましたね。

葉山ヴィレッジの様子
葉山小屋ヴィレッジの様子
葉山ヴィレッジでは手作りの小屋で小商いをする人も
葉山小屋ヴィレッジでは手作りの小屋で小商いをする人も

さわだ:当時、YADOKARIとしてもINSPIRATIONを販売し始めた頃でした。小屋をプロデュースするにあたっていろんなノウハウを得ることができたけど、心残りや実現できなかったこともある。それをリベンジしたいと思っていたところでした。新たに別のプロダクトとして小屋をつくりたいと思っていたところに、エンジョイワークスさんとの出会いがありました。スケルトンハウスの考え方や哲学を流用した小屋ができないかなと思いました。

濱口:スケルトンハウスは家を前提にしているので、基本サイズは80〜100平米ほど。ただ、別の形で提供できるものとしてもう少しコンパクトで組み立てられるものをつくれないかと模索していたのです。庭先に置ける母屋の付加装置というか、アプリ的な存在のものをつくって、可能性が広がるバリエーションを用意したいという想いがありました。 小屋ヴィレッジを展開するなかで、小屋のスペース感や小屋がつくる空間がいいねというお客さんも少なくなかったし、実際に庭先に小屋を建てたいという声もあったんです。弊社とYADOKARIさん双方の想いが合致した感じですね。

快適に住むことを意識したLサイズ

さわだ:半年くらいの期間で話し合いながら設計してもらって、昨年の 12月には「スケルトンハット」を仮リリースすることができましたね。設計するにあたって、どんなところを一番こだわりましたか?

濱口:基本的にはスケルトンハウスと同じ考え方で、箱として用意するけど、そこから先はお客さんが自由にしてもらうためのツールとして設計しました。 小屋って人によっては安っぽいイメージを持つかもしれないけど、住むことを意識してクオリティの高い技術を結集しました。接合部にはスケルトンハウスと同じ金物工法を採用しましたし、サッシも樹脂とアルミの複合サッシを使って、断熱性能が高く結露もつきにくいLow-Eの複層ガラスを取り入れました。

スケルトンハットのLサイズ
スケルトンハットのLサイズ

床面積10帖+ロフト5帖のLサイズは、大人2人と子ども1人までならちゃんと住める仕様になっています。床面積3帖のSサイズもちょっとした倉庫みたいなサイズですが、「母屋から飛び出てきた部屋」という発想として母屋と同じクオリティのものをつくりたいと考えました。

さわだ:INSPIRATIONは床面積が13平米くらいで、5畳くらい。本来はそれを本宅として住もうという提案にしたかったけど、正直言って超ミニマリストみたいな人じゃないと住むのが難しいんです。小屋とはいえ本宅として住むなら、もう少し広くないとなかなか厳しいですよね。実際に販売し始めると、2段重ねにしたいという要望があったり、書斎としてはちょっと広いという人もいたり、広さをカスタマイズしたいという声も多かったんです。 スケルトンハットはLサイズだと25平米でINSPIRATIONの倍くらい。標準設備も入れれば、ちゃんと住める小屋になっているのが魅力ですね。

自分たちで組み立てる「コミュニティDIY」を楽しめるSサイズ

濱口:Sサイズはキットになっているので自分たちでも組み立てることができるのがポイント。好きな場所にポンと立てることもできるんです。

スケルトンハットのSサイズ
スケルトンハットのSサイズ

さわだ:ログハウスキットとかも売っているけど、ただ売るだけではなくてコミュニケーションを誘発するような仕掛けはできないかと考えましたね。そこで思いついたのが「コミュニティDIY」。例えば、大工のお兄さんが1人いて、友だち数人と何日かかけて小屋を建てていくストーリーをイメージしました。北欧だと、イケアの家具みたいにキット化が進んでいて数人で一緒に家具や小屋を組み立てたりするんですよね。そういう文化が少しずつ日本にも入ってくれればいいなという願いも込めて展開したいなと思いました。

濱口:パネル化されているのでキットは結構重いんです(笑)。逆にその分1人では組み立てられないので、自然と友だちや家族を呼ぶしかない。自然とそういうコミュニティができるのがいいなと思いますね。ただ、細かいプラモデルとは違ってパネル化されているので、半日くらいでできます。半日かけて仲間とスケルトンハットを建てたら、あとは毎週末に中をコツコツ作っていくというのも面白そうですね。

スケルトンハット無限の可能性を実感。新たなサイズ展開も

さわだ:7月23日に実施した見学会では、35人くらいの方がいらっしゃいました。年齢層も幅広くて、他県からも足を運んでいただいたのは嬉しかったですね。

Lサイズの見学会の様子
Lサイズの見学会の様子

濱口:実物を見て質感や実際の空間を体感したい人が多かったですよね。特にLサイズは「思ったよりも高さがあることにびっくりした」という人や「吹き抜けが思ったよりも高い」という声もありましたね。今すぐは小屋を立てる計画はないけど見てみたいという人や、小屋を田舎に建てたいという人もいました。

Sサイズの見学会の様子
Sサイズの見学会の様子

さわだ:最近は小屋がいろんな文脈で注目されていますよね。ミニマルライフの延長で考える家や子どもが成人した後に小さく暮らすための家としてだけでなく、グランピングや二拠点居住で住む家として活用するとか。特にLサイズは住めるサイズなので、いくつかの家族とシェアする別荘にするとかもよさそうですね。小屋は単位としては小さいから、手が届きやすい。だからこその楽しみ方があると思います。

濱口:小屋を使ってホテルやりたいという声もあって、実際に興味を持っている人もいるので具体化するかもしれないですよね。一棟ごとオーナー制にして、使っていないときは貸し出す。中の仕上げはオーナーが作り上げるというのも面白いかも。 それと、今は展開していないのですが、SとLの間のサイズ感の小屋に興味を持っている人も多かったんです。二拠点居住や週末別荘としてはちょうどいい「Mサイズ」として提案したいですね。

全国各地のコミュニティを盛り上げるツールとして活躍してほしい

濱口:もともと地域や街が盛り上がることをやりたかったので、スケルトンハットがコミュニティを盛り上げるためのツールになればいいかなと思いますね。地域ごとに活用の仕方があると思うので、地域にベストフィットした形で活用してほしいです。スケルトンハットはあくまでも箱なので、使い方は自由。自分なりの使い方にちょうどいいと思ったら、ぜひ使ってほしいですね。 図6

図7

さわだ:今後全国的に展開していきたいので、全国の工務店さんとのネットワークを作っていきたいですね。「小屋工務店ネットワーク」みたいな感じで。そして、全国各地にいるスケルトンハットのキットを買った人が組み立て方を教えてくれるような仕組みもつくりたいですね。

【購入可能】YADOKARIがオススメする「THE SKELETON HUT」へのお問い合わせはこちらから

「SKELETON HUT S」
「SKELETON HUT L」

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鎌倉・葉山・逗子を拠点にする「エンジョイワークス」とYADOKARIとのコラボレーションで誕生した、タイニーハウス小屋「スケルトンハットS」「スケルトンハットL」。“好きなライフスタイルをインストールできる小屋”をコンセプトに、2016年春に発売を開始しました。

床面積3帖の「Sサイズ」と、床面積10帖+ロフト5帖の「Lサイズ」の2つのサイズを展開するスケルトンハットは、木の板を外壁に張ったボックス型の躯体(スケルトン)の中に自由につくれる内装(インフィル)を持ち、スケルトンの状態へ何度もリセットできる可変性が大きな魅力です。2016年7月には神奈川県葉山町で見学会も実施し、その魅力を多くの方に実感していただきました。

今回は、エンジョイワークス事業企画部で実際にスケルトンハットの設計に携わった濱口智明さんと、YADOKARI共同代表のさわだが、スケルトンハットをつくった理由と今後の展開について対談しました。

株式会社エンジョイワークス 濱口 智明
濱口 智明
株式会社エンジョイワークス 事業企画部 設計事務所を経て、2013年株式会社エンジョイワークス入社。設計者の視点で、家づくりの新たな提案として「スケルトンハウス」の事業化、「葉山小屋ヴィレッジ」等のコミュニティづくりの仕掛けなどにも取組み、「スケルトンハット」の企画・設計を行う。鎌倉在住。

エンジョイワークスが鎌倉・葉山・逗子を拠点にする理由とは

YADOKARIさわだ(以下、さわだ):現在、エンジョイワークスさんは鎌倉・葉山・逗子を拠点にされていますが、その理由について改めて教えてください。

エンジョイワークス 濱口さん(以下、濱口):弊社は2007年に東京都内で開業しました。開業当時は不動産業をメインにしていたのですが、お客さんのライフスタイルに合わせた住宅や建築などを意識的に提供したいという思いや、地域のコミュニティにもっと関わっていきたいという想いがありました。

エンジョイワークス濱口さん(左)とYADOKARIさわだ(右)
エンジョイワークス濱口さん(左)とYADOKARIさわだ(右)

当時、代表の福田が葉山に住んでいたのですが、その暮らしのなかで鎌倉や葉山、逗子といったエリアには、僕らが発信したいことに対する「受け取り手」がたくさんいると感じたそうです。実際にDIYやリノベーションとかに意識や興味がある人が多いし、自分の住まい方に対して意識的で、さまざまなアンテナを張っていてセンスがある人がたくさんいる。都内にももちろんいると思うのですが、このエリアのほうが出会いやすいんですよね。誰かの知り合いベースでつながりをつくりやすいし、個が立っている人も多い。そういう人たちがつながりあっているから、連携もしやすい。そういった人たちに私たちが提供する新しい試みを受け取ってもらって、具体的にいろいろと展開していきたいと思い、2011年に鎌倉に移転しました。

さわだ:このエリアは別荘文化が根付いている土地柄だし、昔からクリエイティブ文化が根付いているから文化人が住むイメージが強いですよね。そのせいか、ちょっと変わっている人は目立つし、その人たちがコミュニティを作っていたりしている。僕もこのエリアに引越してきて3〜4年経つけど、それを特に実感していますね。

スケルトンハットのベースとなった「スケルトンハウス」

さわだ:エンジョイワークスさんといえば、スケルトンハットのベースとなった「スケルトンハウス」を展開されていますが、スケルトンハウスのコンセプトについて改めて教えてほしいです。

濱口:今の日本で新築の家を建てるとなると、住宅展示場に行って、ある程度決まったものから選ぶのが主流ですよね。注文住宅もお客さんは注文する側であくまで消費者側でしかない。要望は出しているけど、気づいたら自分の理想の住まい方と100%リンクしているかというとちょっと疑問だったりするものです。でも、既成品にとらわれずに自由に一から家づくりをしようとすると非常に大変ですよね。そこで、スケルトンというしっかりとした躯体を用意して、内装設備はお客さんが決めていくという形を実現したのが「スケルトンハウス」です。

スケルトンハウスの一例
スケルトンハウスの一例
中はお客さん自身が自由に描くことができる
内装設備はお客さん自身が自分たちで決めることができる

さわだ:注文住宅は家に消費者が合わせていかないといけないけど、スケルトンハウスは家がその人の住まい方に合わせていくんですね。

濱口:その通りです。そのためにこちらで用意している「家づくりノート」を使ってもらっています。例えば、スケルトンハウスは形がある程度決まっているので、その形が決まっているなかでお客さんに好きな間取りを家づくりノートに描いてきてもらいます。例えば、お気に入りのソファを置きたいから、どういう部屋にしたいかをイメージするとかでもいいし、そもそも部屋という概念も取っ払ってもいい。床はフローリングがどういう素材から選べるか、ではなく、ラフな木の板を貼り付けただけの板がいいとか、用意されたものから選ぶという考えも取っ払います。それを成立させるための箱がスケルトンハウスという発想なんです。

衣食住のうち、衣食については民主化が進んでいるというか、自分からこだわりを持って自ら決められる人が多いですけど、住は何度もする買い物ではないから当然経験値がない。経験値も時間もないなかで選ぶとなると、どうしても既存の決まったものから選びがちです。だけど、住も衣食と同じように、自分の理想に合わせたものを追求してほしいんですよね。

双方の想いが合致してコラボが実現

さわだ:YADOKARIとはYADOKARI小屋部で「葉山小屋ヴィレッジ」という共同プロジェクトを立ち上げたのがきっかけですよね。

濱口:葉山公園近くの空き地の利活用の一環として、7棟の小屋からなるヴィレッジを作りました。毎年開催される「葉山芸術祭」の企画としても展開しましたね。

葉山ヴィレッジの様子
葉山小屋ヴィレッジの様子
葉山ヴィレッジでは手作りの小屋で小商いをする人も
葉山小屋ヴィレッジでは手作りの小屋で小商いをする人も

さわだ:当時、YADOKARIとしてもINSPIRATIONを販売し始めた頃でした。小屋をプロデュースするにあたっていろんなノウハウを得ることができたけど、心残りや実現できなかったこともある。それをリベンジしたいと思っていたところでした。新たに別のプロダクトとして小屋をつくりたいと思っていたところに、エンジョイワークスさんとの出会いがありました。スケルトンハウスの考え方や哲学を流用した小屋ができないかなと思いました。

濱口:スケルトンハウスは家を前提にしているので、基本サイズは80〜100平米ほど。ただ、別の形で提供できるものとしてもう少しコンパクトで組み立てられるものをつくれないかと模索していたのです。庭先に置ける母屋の付加装置というか、アプリ的な存在のものをつくって、可能性が広がるバリエーションを用意したいという想いがありました。 小屋ヴィレッジを展開するなかで、小屋のスペース感や小屋がつくる空間がいいねというお客さんも少なくなかったし、実際に庭先に小屋を建てたいという声もあったんです。弊社とYADOKARIさん双方の想いが合致した感じですね。

快適に住むことを意識したLサイズ

さわだ:半年くらいの期間で話し合いながら設計してもらって、昨年の 12月には「スケルトンハット」を仮リリースすることができましたね。設計するにあたって、どんなところを一番こだわりましたか?

濱口:基本的にはスケルトンハウスと同じ考え方で、箱として用意するけど、そこから先はお客さんが自由にしてもらうためのツールとして設計しました。 小屋って人によっては安っぽいイメージを持つかもしれないけど、住むことを意識してクオリティの高い技術を結集しました。接合部にはスケルトンハウスと同じ金物工法を採用しましたし、サッシも樹脂とアルミの複合サッシを使って、断熱性能が高く結露もつきにくいLow-Eの複層ガラスを取り入れました。

スケルトンハットのLサイズ
スケルトンハットのLサイズ

床面積10帖+ロフト5帖のLサイズは、大人2人と子ども1人までならちゃんと住める仕様になっています。床面積3帖のSサイズもちょっとした倉庫みたいなサイズですが、「母屋から飛び出てきた部屋」という発想として母屋と同じクオリティのものをつくりたいと考えました。

さわだ:INSPIRATIONは床面積が13平米くらいで、5畳くらい。本来はそれを本宅として住もうという提案にしたかったけど、正直言って超ミニマリストみたいな人じゃないと住むのが難しいんです。小屋とはいえ本宅として住むなら、もう少し広くないとなかなか厳しいですよね。実際に販売し始めると、2段重ねにしたいという要望があったり、書斎としてはちょっと広いという人もいたり、広さをカスタマイズしたいという声も多かったんです。 スケルトンハットはLサイズだと25平米でINSPIRATIONの倍くらい。標準設備も入れれば、ちゃんと住める小屋になっているのが魅力ですね。

自分たちで組み立てる「コミュニティDIY」を楽しめるSサイズ

濱口:Sサイズはキットになっているので自分たちでも組み立てることができるのがポイント。好きな場所にポンと立てることもできるんです。

スケルトンハットのSサイズ
スケルトンハットのSサイズ

さわだ:ログハウスキットとかも売っているけど、ただ売るだけではなくてコミュニケーションを誘発するような仕掛けはできないかと考えましたね。そこで思いついたのが「コミュニティDIY」。例えば、大工のお兄さんが1人いて、友だち数人と何日かかけて小屋を建てていくストーリーをイメージしました。北欧だと、イケアの家具みたいにキット化が進んでいて数人で一緒に家具や小屋を組み立てたりするんですよね。そういう文化が少しずつ日本にも入ってくれればいいなという願いも込めて展開したいなと思いました。

濱口:パネル化されているのでキットは結構重いんです(笑)。逆にその分1人では組み立てられないので、自然と友だちや家族を呼ぶしかない。自然とそういうコミュニティができるのがいいなと思いますね。ただ、細かいプラモデルとは違ってパネル化されているので、半日くらいでできます。半日かけて仲間とスケルトンハットを建てたら、あとは毎週末に中をコツコツ作っていくというのも面白そうですね。

スケルトンハット無限の可能性を実感。新たなサイズ展開も

さわだ:7月23日に実施した見学会では、35人くらいの方がいらっしゃいました。年齢層も幅広くて、他県からも足を運んでいただいたのは嬉しかったですね。

Lサイズの見学会の様子
Lサイズの見学会の様子

濱口:実物を見て質感や実際の空間を体感したい人が多かったですよね。特にLサイズは「思ったよりも高さがあることにびっくりした」という人や「吹き抜けが思ったよりも高い」という声もありましたね。今すぐは小屋を立てる計画はないけど見てみたいという人や、小屋を田舎に建てたいという人もいました。

Sサイズの見学会の様子
Sサイズの見学会の様子

さわだ:最近は小屋がいろんな文脈で注目されていますよね。ミニマルライフの延長で考える家や子どもが成人した後に小さく暮らすための家としてだけでなく、グランピングや二拠点居住で住む家として活用するとか。特にLサイズは住めるサイズなので、いくつかの家族とシェアする別荘にするとかもよさそうですね。小屋は単位としては小さいから、手が届きやすい。だからこその楽しみ方があると思います。

濱口:小屋を使ってホテルやりたいという声もあって、実際に興味を持っている人もいるので具体化するかもしれないですよね。一棟ごとオーナー制にして、使っていないときは貸し出す。中の仕上げはオーナーが作り上げるというのも面白いかも。 それと、今は展開していないのですが、SとLの間のサイズ感の小屋に興味を持っている人も多かったんです。二拠点居住や週末別荘としてはちょうどいい「Mサイズ」として提案したいですね。

全国各地のコミュニティを盛り上げるツールとして活躍してほしい

濱口:もともと地域や街が盛り上がることをやりたかったので、スケルトンハットがコミュニティを盛り上げるためのツールになればいいかなと思いますね。地域ごとに活用の仕方があると思うので、地域にベストフィットした形で活用してほしいです。スケルトンハットはあくまでも箱なので、使い方は自由。自分なりの使い方にちょうどいいと思ったら、ぜひ使ってほしいですね。 図6

図7

さわだ:今後全国的に展開していきたいので、全国の工務店さんとのネットワークを作っていきたいですね。「小屋工務店ネットワーク」みたいな感じで。そして、全国各地にいるスケルトンハットのキットを買った人が組み立て方を教えてくれるような仕組みもつくりたいですね。

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