【YADOKARI採用募集インタビュー】タイニーハウスで新しい価値観を届けるYADOKARI相馬由季さんに聞く、「豊かさ」の再編集のしかた|日本初「高架下タイニーハウスホステル」運営統括マネージャー募集
みなさんは、自分が持っていた「概念」が崩れ落ちた経験、ありますか?
3.11の震災直後、津波で家が流されていく光景には、おそらく「家」だけでなく、そのとき手にしていた“安定した暮らし”の価値観を、根底から揺さぶられたのではないでしょうか。
物質的な豊かさだけでは、幸せになれない。
では、本当に大切にしたいものは何だろう。
あの瞬間から、きっと誰もが、そんな疑問を心の奥底に抱えることになったのではないかと思います。
今いる場所に固執せず、暮らしかたをもっと自由に捉えて、場所や時間、お金に縛られない自由な生きかたができないだろうか。ライフスタイルマガジン「YADOKARI」は、震災直後から、ミニマルライフ、小屋、タイニーハウス、多拠点居住を軸とした新しい生きかたを提案してきました。
以来、YADOKARIは日本のミニマルライフ、タイニーハウスムーブメントを牽引し、移動式スモールハウス「INSPIRATION」や小屋型スモールハウス「THE SKELETON HUT」を発表、全国の遊休不動産・空き家のリユース情報を扱う「休日不動産」や、新たな働き方を提案する「未来働き方会議」も運営。
さらには、元駐車場の土地を、移動可能なタイ二ーハウスやDIYでつくる屋台を利用したイベントスペース・オープンカフェキッチン施設「BETTARA STAND日本橋」の運営など、住まいと暮らし、働き方の原点を問い直し、これからを考えるソーシャルデザインカンパニーとして、さまざまな活動を展開しています。
そんな活動の背景にある思いは、「豊かさを再編集する」ということ。
今まで豊かだと思い込んでしまっていたかもしれない物事を見直して、自分に必要な物事を、あらためて問い直す。住まいに限らず、暮らしかたや働きかたなど、そのプロセスで導き出される、自分にぴったりとフィットするバランスを、みんなそれぞれに探しているのではないでしょうか。
そこで今回は、採用募集インタビューとしてYADOKARIプロデューサーの相馬由季さんに、豊かさの再編集のしかたについて聞いてみました。
YADOKARIプロデューサー・TINYHOUSE ORCHESTRA事業部 部長
前例のない、すべてが新しいことへの挑戦
現在、小さな暮らしを知る、体験する、実践するためのメディア「TINYHOUSE ORCHESTRA」の企画運営など、YADOKARIの企画全般のほか、タイニーハウスを使った遊休地の活用提案を手掛けている相馬さん。
「BETTARA STAND 日本橋」もその一つですが、YADOKARIの業務は、企画・プロデュースから施工、運営、発信まですべてを行うため、相手のニーズを汲みつつ、YADOKARIらしさと収益性のバランスをどう表現するかが難しいと話します。
「ただの施設運営ではなく、その場所が触媒となって、地域の住人や文化を巻き込みながら、新たなカルチャーの発信拠点となっていく。事業形態が新しいというだけでなく、その地域によって全く違った表情になるのが面白くて。一つとして同じものはないんです。
やりたいことを企画して、挑戦できる。それから日々、さまざまな分野で活躍している人に会うので、たくさんの刺激をもらっています。YADOKARIは少数精鋭なので、自己管理はもちろん、一人ひとりがプロとなり、仕事をつくっていく必要があります。」
YADOKARIには現在、自治体やディベロッパーから遊休地の暫定活用の相談が多く寄せられており、2018年春には、日ノ出町の高架下にタイニーハウスホステルがオープン予定。(採用について詳しくはこちら⇒https://yadokari.net/information/59037/)
また、タイニーハウスを使った施設運営のみでなく、動力付き(車と一体型)や自動運転の領域も視野に入れたタイニーハウスの開発や、メディアとリアルイベントの融合など、さまざまな取り組みが進められています。
「タイニーハウスは一つの手段に過ぎません。「豊かさ」には、暮らし、働きかた、食、地域など、さまざまなものが密接に関わっています。時代を読んで、広い視野を持って、多角的なアプローチを続けていく……。
業務は新しいことだらけなので、これが答え、というものがないんです。挑戦と試行錯誤の日々です。想定外のことが起こったり、大変なこともありますが、だからこそ、そこから学ぶことは計りしれません。」
タイニーハウスに感じた「自由さ」
相馬さんは、もともと新卒でログハウスメーカーに入社し、法人向けの事業企画を担当していたのだそう。人の生き方を変えるのではなく、その人が欲しい本当の豊かさに気づくきっかけを提供する面白さを感じていたといいます。
「4年前に、姉が急逝したんです。そのとき、一生は短く儚いんだと実感しました。大切なものと向き合って、悔いのないように毎日を丁寧に生きたいと、本当に強く思ったんです。よくよく考えてみると、一日の大半が仕事で、収入の大半は家賃に消えていく。この「不自由さ」を変えたいな、と思ったのが出発点かもしれません。」
もちろん好きな仕事ではあるけれども、自分にとって大切なものと、ちゃんと向き合えているのか……。そんな時に出会ったのが、タイニーハウスでした。
「好きな場所で、大切な人と一緒に、自由に生きていく。夢物語のようですが、考えてみると決して特別なことじゃなくて、根本的で、当たり前の幸せですよね。その当たり前の幸せを、手に入れることが難しくなっているんじゃないかなって。
タイニーハウスは、家賃を最小限にすることで、働きかたや時間を自由にしてくれる。それだけじゃなくて、必要最低限のモノだけを持つことで、本当に大切なものと向き合って、自分にとっての豊かさを再考するきっかけをつくってくれるんです。」
車輪がついている家を見て「自由さ」を感じたという相馬さん。インテリアにもこだわって、その人らしさがぎゅっと凝縮されていることにも共感し、自分自身もタイニーハウスを建てたいと思うようになったと話します。
「家って究極のセルフビルドですよね。家が建てられるなら、自分でなんでもつくれちゃう。食べ物から家具まで、暮らしに必要ないろいろなものを自分でつくることができたら、消費社会を降りることができるかもしれない。そのことに気づかせてくれるのが、セルフビルド、つまりDIYの世界だと思うんです。」
自分の手を動かして、発信する
住まいを小さくすることで、多額の住宅ローンを抱えるのをやめて、家族や友人、地域のための時間を増やして、自由に生きていく。自分自身もそういう生き方を選択したいし、そうした選択が当たり前にあるような状況をつくりたい。相馬さんがYADOKARIのプロデューサー職についた背景には、そんな思いがありました。
「独立することも考えましたが、少数精鋭で機動力、発信力のあるYADOKARIでまずはやってみようかなと。都心の超高層マンションの最上階に暮らすことが幸せな人もいるかもしれないけど、逆にその価値観からちょっと離れたいなと思う人や、小さな暮らしに興味を持つ人は増えてきていると思うんです。
でも、だからといって、すぐ小屋へ移住をどうぞ、と言っても、なかなか行動できないですよね。小屋といっても、自分にはどのくらいの大きさがちょうどいいのか、どんな場所に建てられるのか、それから価格や法律面の知識も欲しい。それで、「TINYHOUSE ORCHESTRA」を立ち上げました。」
ところが、すぐに相馬さんは、暮らしを小さくするためには「こんな段階で、こんな課題が立ちはだかるんじゃないか」という、その“課題”が、想像の域にあることに気づきます。
「タイニーハウスの課題や可能性を、自身で納得しながら、身をもって発信したい。だからYADOKARIの業務と平行して、自分自身のプロジェクトとしてタイニーハウスをセルフビルドすることにしたんです。自分の手を動かすことで、小さな暮らしを選択するために必要なステップが見えてくるんじゃないかと。そのステップを、みんなに知って欲しいんです。こうすれば小さな暮らしに移行できるよ、楽しそうでしょ、って。」
住まいかた、働きかたを、ひとつながりで見直す
どんなタイニーハウスを建てたいのかと相馬さんに聞いてみたところ、具体的なイメージが返ってきました。
「私、三角屋根が好きなんです。高い天井にはロフトをつくって、土間も欲しい。全体的には木の質感を感じるタイニーハウスで、車輪をつけて移動できるようにして、長さは20フィートくらい。それから、タイニーハウスをキット化して、誰でもつくれるようにしたいと考えています。」
もし小屋を建てるなら、こんな場所で、こんなことに時間を費やしたい……。自由に発想をしてみると、具体的なイメージが膨らんでくるのではないでしょうか。
でも相馬さんは、タイニーハウスはメジャーにはならないと思う、といいます。
「タイニーハウスを選択するのは、今も未来も、少数派かもしれません。タイニーハウスに住むことがゴールじゃないんですよね。どうやって生きたら自分は幸せなのか、その手段でしかない。自分自身と向き合ってみた結果、やっぱりシェアハウスだったとか、やっぱり一軒家だったとか、それでもいいと思います。
大切なのは、住まいかたや働きかたって別々に考えられることが多い気がしますが、本当はひとつながり、ということ。ひとつながりで考えて、自分にぴったりな住まいの選択肢であるかどうか。これからは、そうした境界線がどんどんなくなっていくといいなと思うし、YADOKARIでもそんな提案をし続けたいと考えています。」
相馬さんは「タイニーハウスを、一過性のブームで終わらせたくない」といいますが、そもそも、タイニーハウスは消費されるものではないのかもしれません。言葉が先行したとしても、それが商売の道具になったとしても、その人の生き方が変わることがタイニーハウスの本質にあるからです。
住まいかたも、働きかたも。
その境界線を見直すことができたら、再編集することができたら、おのずと人とのつながりかたや、地域とのつながりかたも、“いいつながり”になっていくのではないでしょうか。
たとえば今注目されている「小商い」は、働きかたの再編集をした結果、自分のなかに残った大切なものを、小さくスタートさせる手段なのだと思います。
タイニーハウスに暮らすということ、住まいを小さくするということは、暮らしかた、働きかたが変わる「はじまり」を入手する、ということなのかもしれません。そして、好きな場所で、大切な人と一緒に、自由に生きていくための答えは、案外シンプルなものなのだろうと思います。
現在YADOKARIでは、2018年春、横浜日ノ出町にオープンする、日本初の「高架下タイニーハウスホステル」の立ち上げ・運営統括マネージャーを募集しています。(採用について詳しくはこちら(https://yadokari.net/information/59037/))業務内容は幅広く、収益管理やスタッフ管理をはじめ、地域を巻き込んだ取り組みや、イベントの企画、実施まで。
さらには設計士やプロデューサーも募集中で、YADOKARIがこれから展開するタイニーハウスを活用した施設や新たなタイニーハウスの設計や企画プロデュースを担当してもらうことになるのだそう。
「YADOKARIの業務は自由度が高く、その人らしさが存分に出せることが魅力です。施設がその人の色になっていくんです。仕事の難易度は高いですが、その分、大きな達成感を感じることができます。
施設の運営統括業務については、ただ施設を運営したり収益を上げるのではなく、どんなふうに新しいカルチャーの発信や試みができるか、YADOKARIらしさと収益性のバランスをどう取るかにチャレンジしてほしいと考えています。
また、設計やプロデュース業務については、YADOKARIの構想をかたちにする、とても重要な役割であると捉えています。今までの経験や世界観、オリジナリティを加えて、ぜひ具現化をしてほしいなと思います。」
YADOKARIの業務は、業態としてだけではなく、人や地域とのつながり方まで、すべてが新しい取り組みです。
課題を自ら発見して、解決に向けて試行錯誤できる。
実現したいことがある、逆境に負けないタフさがある。
YADOKARIと一緒に新しいカルチャーをつくりたい。
タイニーハウスが好き、または興味がある。
次の時代のムーブメントをつくることに興味を感じるなら、これからのYADOKARIの担い手になってみてはいかがでしょうか。
▼採用について詳しくはこちら。皆さまのご応募お待ちしております!
⇒https://yadokari.net/information/59037/