あなたはどっち派? 太陽光発電 or 風力発電 in タイニーハウス

タイニーハウスの中でも車でけん引可能なモバイルハウスは、その多くが送電網や上下水道などの社会インフラに接続していない「オフグリッドハウス」でもあります。現代社会においては、電気が無い家で暮らすのはなかなか大変。そのため、多くのモバイルハウスでは自然エネルギーを活用した自家発電を行っているのです。その代表格が、「太陽光発電」と「風力発電」。今回は、そのメリットとデメリットをそれぞれ見てみたいと思います。

太陽光発電のメリット&デメリット

(c)Naoko Kurata

まずは、自然エネルギーとして一番メジャーな「太陽光発電」のあれこれを見てみましょう。発電時の温室効果ガス排出がゼロなど、環境負荷が少ないのは自然エネルギーの共通メリット。では、太陽光発電ならではのメリットとは何なのでしょう。

【太陽光発電のメリット】

・発電時の音が静か
・ほぼメンテナンス不要
・曇っていても発電可能
・初期費用に関して、自治体から補助を受けられることもある

雨の日や曇りの日の発電量が気になるところですが、晴れの日よりは少ないながらも発電はするのだそう。メーカーによってもコンディションは異なると思いますが、パナソニックの商品は公式HPに「曇りでは発電量が晴天の1/3~1/10、雨天では1/5~1/20になります」との記載がありました。停電状態になることはなさそうですね。
また、同様にパナソニックのHPに、自治体から受けられる補助金を調べられるページもあります(補助金がない自治体もあり)。太陽光発電の導入を迷っている場合は、一度お住いの自治体を検索してみてはいかがでしょうか。

(c)Naoko Kurata

【太陽光発電のデメリット】

・設置のための初期費用が高い
・メンテナンス費用がかかる
・夜間は発電できない

太陽光発電のデメリットは、主に初期費用やメンテナンス費用などの金銭面が大きくなるようです。ただし、初期費用は前述の補助金を利用したり、ローンで購入することで(一時的に)負担を軽減することもできそうです。太陽光パネルの購入や設置にかかる費用のローンを「ソーラーローン」と呼び、優遇金利を提供している金融機関もあります。ご利用の金融機関に同様のサービスがあるか、調べてみる価値はありますね。
またメンテナンス費用も、通常は太陽光発電パネルの寿命といわれてる20年を目途に用意すれば大丈夫だと考えられています。日ごろから少しずつ予算をキープしておけば、いざという時に慌てることも無いのではないでしょうか。
そして夜間の電気使用には、蓄電池の購入が必需品です。

風力発電のメリット&デメリット

(c)Naoko Kurata

モバイルハウス生活の先駆者たちはほとんど「太陽光発電派」ですが、オランダの「Tiny TIM」は、数少ない風力発電装置を搭載したタイニーハウス。非常にクリーンなイメージの風力発電ですが、実は意外なデメリットも。メリットと併せてみてみましょう。

【風力発電のメリット】

・風が吹けば、24時間発電可能
・デザイン性が高いタービンがある

夜間は発電できない太陽光発電と異なり、風力発電は24時間発電が可能であるということが最大のメリット。そして近年では、風ぐるまのようなタービンのみならず、様々なデザインのタービンも販売されています。

【風力発電のデメリット】

・発電量が安定しない
・家庭で必要な電力をすべて賄えない
・タービンの風切り音が気になることがある

前述のように、風さえ吹けば24時間発電可能な風力発電。けれど、風が24時間安定して吹き続けることはほとんどありません。更に、一般的な家庭が必要とする電力をすべて賄うためには、タービンのロータは直径18フィート(約548cm)以上にする必要があるという研究結果もあるのだとか。タイニーハウスにしろ一般的な家にしろ、それはあまり現実的なサイズではないですね。
そしてタービンの風切り音ですが、こちらは近年では改良が進んでいるようです。ゆっくり回ってあまり音をたてない機種など、メーカーが「静音」をアピールする機種も増えているのだとか。ご自宅に導入をご検討の際は、そういった観点から商品選びをしてもいいかもしれません。

どっちも派のハイブリッド発電

(c)Naoko Kurata

太陽光発電と風力発電、それぞれの長所短所を見てきましたが、2つの発電方法を合わせた「ハイブリッド発電」というやり方も存在します。前述の「Tiny TIM」も風力発電タービンのみならず、実は屋根には太陽光発電パネルを搭載しているのです。

多くの再生可能エネルギー専門家によれば、ハイブリッド発電システムは 、単一のシステムに比べていくつかの利点があるのだそう。多くの地域では、太陽が最も明るく長い夏には風が弱まり、太陽光が弱まる冬は風が強く吹くことがあります。風力および太陽光のピーク稼働時間は日々や季節の異なる時期にくるので、それぞれを併用すれば上手く電力を生成する可能性が高くなるのです。

ひとつの発電方法に固執することなく、様々な方法を模索していけたらいいですね。

ライター:倉田直子

Via:
sepco-solarlighting.com
elprocus.com
energy.gov
ygrene.com
treehugger.com