【ROADIE開発秘話】代表作であり、出発地点。~大自然での暮らしに込めたYADOKARIの想いとは~


自然の中の暮らしを実現するタイニーハウス「ROADIE」。
これまでと一味違う、三角屋根の温かみ溢れるデザインに仕上がったこのモデルは、自然の中での暮らしを誰よりも愛し、チーム内随一のキャンパーでもあるメンバー、石橋慎司さんが手掛けたYADOKARIのオリジナルタイニーハウスだ。

「こんな奥深い自然の中で暮らせる手段は他にない。タイニーハウスを通して自然の中での豊かな暮らしを多くの人に伝えたい。」
そんな想いからYADOKARIに入社したという石橋さん。彼がROADIEの製作に舵を切ったのは、入社してからわずか2週間後のことだったという。

今回は、ROADIEの企画から完成に至るまでの背景を石橋さんに直撃。

YADOKARIメンバーも知らない⁉ ROADIEの開発秘話をみなさんにご紹介しよう。

自然の中でこれほどまでにくつろげる空間は他にない。
コンセプト「自然×タイニーハウス」に込めた想い

「自然の中の暮らし×タイニーハウス」の企画が上がったのは僕が入社して2週間後、社内には「もうやっちゃおうよ!」という雰囲気と勢いがあり、僕がYADOKARIに入社してやりたかったことと、会社が新たにやりたかったこと、パズルのピースがぴったり合ったような感覚でした。
そんなYADOKARIのスピード感と周囲のサポートに背中を押され、自分が中心となって新たなタイニーハウスの企画・開発をスタートさせることになりました。


自然の中で暮らせるタイニーハウスを作りたいと思った背景は、これまでキャンプ場の開発やイベント関係の仕事を経験してきたことにあります。
まだ誰もキャンプした事がない場所でテストも兼ねてまずは自分でキャンプしてみてから空間づくりを考えてみるなど、仕事も遊びも境界線なく楽しんで取り組んでいました。その結果、都心で暮らす日常だけでは決して味わえない豊かで特別な時間を過ごす機会が非常に多くて、もっと多くの人にも体験して欲しいと常々思っていました。

タイニーハウスが身近なものになったのもこの時。その時はコロナで導入したばかりのタイニーハウスがなかなかオープンできず、もどかしい気持ちだったのですが「まずは自分でもちゃんと試してみよう。」と切り変えてしばらく滞在したところ、快適に長く滞在する事ができて、自然の中で暮らす事のイメージが持てたんです。

日光の光とともに目がさめ、外にでると緑あふれる豊かな情景がある日常。目覚まし時計をかけなくても自然と早く起きられるし、仕事もはかどります。週末は友人や同僚もやって来て賑やかに自然の中で過ごし、夜は焚き火囲みながら深い話もできたり様々な学びや気づきが得られた日々でした。毎日が充実していて、自然の中で暮らすことの豊かさを身をもって体感することが出来たように思います。

テントでの滞在も日光や風、木々のざわめきや鳥の声などの自然がダイレクトに伝わるので好きですが、タイニーハウスであれば、仕事や料理も不自由なく出来て、家族全員が快適に眠ることだって出来ます。より深い自然の中にこれほどまでにくつろげる空間をつくれる手段は、タイニーハウスの他にないんじゃないかって。

「奥深い自然の中での豊かな暮らしを多くの人に広めていきたい。」当時抱いたこの想いを、新しいタイニーハウスをつくることによって実現できたらと思ったんです。


YADOKARIがメインで企画しているのはトレーラーハウス型のタイニーハウスなのですが、市場にあるトレーラーハウスだと箱感、プレハブに近い質感イメージが強いと感じています。
僕が作りたいタイニーハウスはそれとは違う。人の手で作ったぬくもりが感じられる工芸品のようなもの、その場所で「暮らす」ということをもっと意識して、こんな暮らしをしたいという想いや愛情が、垣間見えるような丁寧な空間を作りたいと思いました。
自分の好きなビルダーさんのタイニーハウスを思い返したり、社内のみんなと「YADOKARIらしいタイニーハウスってどんなものだろう?」と話し合う中で、これまでのようなものではなく、切妻形状で赤い屋根、ウッド調で木の温かみが感じられるデザインに仕上げることに決めました。

数々のシーンを思い浮かべて生まれた、一人ひとりの居場所と自然とのつながりをつくる工夫。

内装を設計する上でまず重視したのは、タイニーハウスという小さな空間の中に、居場所となるような場所をたくさん作ることです。


 まず、こだわった空間はリビング。ソファを置けるほどの広い空間と、大きな窓を設置しました。リビングにゆったりと座った時に外の景色が大解放で見えることも、自然とのつながりを感じられる重要な要素なんじゃないかと思っていて。
例えば焚き火をしているとき。窓がこんなにも大きいから、たとえ寒いからと室内に入ったとしても、引き続き暖を取りながら焚き火を見続けられるんです。そうやっていろんなシーンを楽しんでもらいたいです。
ROADIEにとって窓は、自然とのつながりを感じられる一番のポイントになっているようにも思います。


寝室となるロフトにも窓を設置。目覚めてすぐ、外の景色を見られることも外せないポイントでした。



あとキッチンにも外を眺めることの出来る窓を設置しています。窓は広く開けることが出来るので、中にいる人と外にいる人でもしっかりコミュニケーションが取れるし、お皿や料理を渡し合うことも出来る。そうしてタイニーハウスの中にいながらもアウトドア空間とつながることが出来る仕様にしました。

料理だけじゃなく、顔を洗ったり歯を磨いたりする時間にも外の景色を見られるからいいですよね。何気ない瞬間に、目の前が開けて外が見えると本当に気持ちがいいんです。


トイレとシャワーはそれぞれ別の空間の中に設置すると決めました。ユニットシャワーを活用している事例が多いけれど、そうすることによって生まれてしまうストレスが多くあるような気がしていて。
 たとえば、どうしても臭いが残ることが気になったり、洗面台を長く使っている人がいて、トイレに入りたいのに入れないとか。「小さい空間だから、仕方ない。」と妥協せず出来るだけたくさんの居場所をつくって、ストレスなく安心して過ごせる空間に仕上げました。



あまり気づかないかもしれないですが、屋外コンセントを外側の窓付近に設置していることも工夫のひとつ。野外にいながらも、照明の電源確保や、スマホやパソコンの充電が出来たらいいなと思って。
あとは、冷蔵庫も外の窓からすぐ近くの場所に置けるように設計したことも僕のこだわりです。冷えたお酒を呑みたいけれど、わざわざ室内に取りに行くのが面倒、なんてこともよくあるじゃないですか。キャンプやアウトドアでの暮らしを経験されたことのある方なら、共感していただける方がきっと多いんじゃないかなと思います。

こうやって、自分が体験した自然の中での幸せなひと時だったり、ちょっとした不便を思い出しながら生まれたアイディアを詰め込んで作ったのがROADIEです。実際に見学していただいたり住んでみていただき、良さを分かってもらえたらうれしいです。


「ROADIE」っていう名前も、すごく愛を込めて名付けていて。
実は僕、ライブやフェスの会場、ステージをつくる仕事をやっていたこともあるのですが、バンドのライブやツアーなどで活躍する「ローディ」という楽器の運搬・設置・調整を担う人達がいるんです。

移動・設置というプロセスがタイニーハウスに暮らすまでのプロセスと一緒だなと思っていたのですが、今回僕が手掛けたタイニーハウスには「調整」の役割もあるんじゃないかって。その役割が、「私たちの暮らしと自然を接続させる」こと。
「このタイニーハウスに暮らせば、目の前の自然とシームレスにつながることが出来る。」と思えるような存在になってくれたらいいなと思っています。そんな想いから「ROADIE」と名付けました。
他のメンバーからもいくつかアイディアをもらったりもあったのですが、「ごめん、ちょっとこっちだわ。」っていう感じで・・・(笑) 譲れない想いがありましたね。

ROADIEは代表作であり、出発地点

ROADIEは僕自身にとっての代表作。お披露目会や見学会でも賞賛をいただくし、本当に作ってよかった。

今後は、以前から「ここに住めたらいいなあ」なんて気になっていた大自然の中にROADIEを設置したい。そうしてみなさんに、自然の中での豊かな暮らしを体験してもらえるような仕組みをつくれたらいいなと思っています。そうすれば僕だけじゃなくて、世の中にいる多くの人に自然の中でも暮らすことが出来ることを、こんな豊かさがあるんだってことを感じてもらえるんじゃないかって。
ROADIEは代表作だけど、出発地点。ROADIEを通して新たな暮らしを豊かさを提案していきながら、もっともっと豊かなシーンや暮らしが生まれる空間をつくっていけるよう、アップデートし続けていきたいと思っています。