【インタビュー】「仕事×トレーラーハウス」が生み出す新しい価値を。|神社の杜のワーキング・プレイス「8MATO」
「トレーラーハウスでの滞在は、目的ではなく手段。私たちはそこに宿泊することの先にある価値を探求し、提供していきたいです」
そう話してくださったのは「8MATO」のオーナー斎藤さん。
八ヶ岳南麓、神社の境内に隣接した広大な敷地の一角にYADOKARIのトレーラーハウス「ROADIE」、「ROADIE mini」の2つがお目見えしました。今回は、山梨県北杜市のコワーキング施設8MATOをご紹介します。
「仕事×トレーラーハウス」の掛け合わせが生み出すこれまでにない価値を追求されている8MATOさん。果たしてどのような空間なのでしょうか。施設のオーナー斎藤さん、そしてデザインを手掛けた吉野さんへのインタビューをお届けします。
五感で季節を感じながら「働くを楽しむ」ワーケーション施設を
ーー8MATOさんとは、どんな施設なのでしょうか?
斎藤さん(以下敬称略):「アウトドアで働く』というワークスタイルを大切にした、森の中のコワーキング施設です。
澄んだ空気が流れる風の通り道、
耳をすませば虫の鳴き声が聴こえ、
八ヶ岳の大自然に包まれる。
そんな空間で、思う存分仕事に向き合える機会を提供しています。
敷地内には、森と一体となるようにデザインされたオープンテラスとカフェテリア、清潔なトイレやシャワーも完備した『水屋棟』、そして宿泊可能なトレーラーハウスが2棟ございます。神社の森の一画という非常に神聖な場所に建てられた空間で仕事をし、そのままご宿泊していただくこともできる施設です」
ーー8MATOさんは、なぜ「アウトドアで働く」ということに焦点を当てて施設を作られたのでしょうか?
斎藤:「私自身、7. 8年前にこの近くにある別荘を持ち始め、自然の中で仕事をすることの心地よさを身を持って体感したことがきっかけにあります。この地域で過ごしていると、呼吸が楽になりすっきりした気持ちになりますし、これまで以上に頭が冴え、夜は深く眠れているように感じます。こんな快適に仕事が出来る場所があれば、多くの人が来てくれるのではないかなと思ったんです」
「中でも私が作りたかったのは、仕事の疲れを癒すことを目的とした「観光」を目玉としながら、オマケに仕事をすることも出来る「ワ―ケーション」のような体験ではなく、快適に働くことを第一優先とした施設です。心地よい環境で仕事をし、第二の目的として観光もできる。そんなコワーキング施設を目指していました」
働きながら、建物と人が自然と溶け合う空間
ーー快適に仕事が出来る空間となるよう、具体的にどんな工夫をされているのでしょうか?
斎藤:「まず1つは、滞りなく仕事をしていただくための工夫です。
インターネットやディスプレイなど仕事をするのに必要な機材を出来る限り集めましたが、中でも力を入れたのは約2700坪の森の中、どこからでもお繋ぎいただける高速Wifiの設置です。
自然の中のコワーキング施設は各地にありますが、屋外では電波が悪くなってしまったり、オンラインミーティングに参加するために管理棟の中に戻らなければならなかったり…なんてことも多いですよね。そういった心配もなく、どこででも仕事が出来るのがこの施設の大きな魅力です」
吉野さん(以下敬称略):「私は、この森の中から都内でお仕事されている方とオンラインミーティングをすることがあるのですが『バーチャル背景ですか?』って聞かれることが頻繁にあって…森の中から会議に参加していることによく驚かれています(笑) 」
斎藤:2つ目は、この施設の中でより快適にお過ごしいただくための仕掛けです。
せっかく八ヶ岳に来ていただくなら、ここでしか味わえない美味しい食事を楽しんでいただきたい。そんな想いで農薬も肥料を使わずに、自然の力だけで育てた良質なお野菜を使用したランチなどをご用意しています。
また、8MATOは名水百選のひとつにも選定された「八ヶ岳南麓湧水群」の中にあるので、美味しいお水をご堪能いただけるよう、地下62mの井戸を掘っています。
斎藤:「そして最後に、自然と調和するこだわりの建物です。とても神聖なこの場所の雰囲気を壊すことなく、大地の力と建物が一体になるような建物を選んでいます」
8MATOの未来を見据えて誕生したトレーラーハウス
ーーとても大切に作った場所に、トレーラーハウスを置いてくださったのですね。どうして私たちのトレーラーハウスを置いてくださることになったのか、教えていただけますか?
斎藤:「元々はテントをご提供していましたが、それだけだと宿泊のハードルはどうしても高くなってしまうように感じていて。この森の自然と融合するように存在してくれて、どなたでも快適に過ごすことのできる空間が欲しい。そんな想いで、オーダーメイドで作ることのできるトレーラーハウスを選びました」
吉野:「中でもYADOKARIのトレーラーハウスを選んだきっかけは、YADOKARIのメディアを見て、ポテンシャルの高さを感じたことでした。
これまで海外のユニークな建築や空間についてたくさん紹介されていましたよね。そんなYADOKARIとなら、世界の情報を踏まえた上で、この場所の雰囲気に合うものを一緒に考えていただけるのではないかと期待しました」
ーーありがとうございます。時間をかけて一緒にデザインを考えていきましたよね。完成したトレーラーハウスを見て、どんな印象を持たれましたか?
吉野:「期待以上のものが完成し、とても満足しています。
通常、カタログを見たりオンラインでお話をしながらデザインを決めていく企業さんが多いと思うのですが、YADOKARIはそれとは全く異なりました。担当の方が度々北杜市まで足を運んでくださったり、設計担当の方がここに宿泊し、焚火を囲み酒を交わしながら話したこともありました。
8MATOのこれからの展望にまで寄り添いながら、それを実現するためにYADOKARIに出来ることは何か、とても親身になって考えてくださり、本当に素晴らしい方々だなと思いました。ただの営業としてではなく、人としての深い付き合いの中で私たちのことを理解し期待を越えるトレーラーハウスを作ってくださったのだと実感しています」
斎藤:「実際に製造現場を訪問させていただいたことも印象に残っています。私たちのトレーラーハウスが作られていくプロセスを見て、より愛着が湧きましたし、完成時は本当に感動しました」
トレーラーハウスをきっかけに、お金では買えない価値を生み出してほしい
ーーこのトレーラーハウスでのおすすめの過ごし方があれば、教えていただけますか?
吉野:「個人のお客様はもちろん、是非、企業やプロジェクト単位でお越しいただき、チームビルディングの場としてもご活用いただけたら嬉しいです。
昼間は、森の中で熱くミーティングをしていただき、夜はろうそくの灯りでお酒を飲みながら普段出来ない話をして、みんなで同じ空間の中で眠る。そんな、普段オフィスの中で仕事をしたりビジネスホテルに宿泊する出張のようなものでは味わえない、森の中だからこそ作れる時間を過ごしてほしいです。
トレーラーハウスでの滞在をきっかけに、仕事ができるかそうでないかや、偉い人か偉くないかというような会社の中で気づかぬうちに身につけてしまった鎧のようなものを脱ぎ捨て、人と人との関係性の中で生まれる、お金では買えない価値が創造される場になったらいいなと思っています」
仕事というエンターテインメントが生まれる場所に
斎藤:「グランピング施設やトレーラーハウスを活用した宿泊施設では、そこに滞在することが大きな目的となっている場所が多いと思いますが、8MATOにとってトレーラーハウスに宿泊することは目的ではなくて手段なんです。
アウトドアで働くことによって、こんなにも人の繋がりが深くなり、アウトプットの質が高まり、 心地良い時間が過ごせるんだってことを知っていただきたい。仕事というエンターテインメントを楽しむための手段がこのトレーラーハウスだと思っています」
ーー斎藤さんにとってのお仕事とは、エンターテインメントなのですね。
齊藤:「はい、仕事はエンターテインメントにもなり得ると思っています。仕事を楽しいと思っている人がもっと仕事を好きになったり、これまであまりやる気になれなかった人でも、仕事を少しでも仕事を好きになってくれたら嬉しいです。
もしかしたら、気持ちよすぎて仕事にならないかもしれないけど(笑) そんな体験をしてみたい人には是非、訪れてもらえたら嬉しいです」
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今回はオンラインでのインタビューとなりましたが、広大な森を背景にご参加いただいたお2人のお姿から、施設の心地よさを追体験させていただけたような気がします。そして心なしか、ROADIEの木の香りが香ってきそうな感覚も…。
「この場所の素晴らしさは来ていただければ分かっていただけると思います。まるで血液が入れ替わったかような感覚になれますよ」そう話してくださった斎藤さん。ここで過ごす時間は、滞在してみなければ分からない非日常的な素晴らしいものなのでしょう。
自然の中で過ごす時間を愛する方々、そして仕事をすることが大好きな方々が集い、豊かな時間を共に分かち合う。そんな調和が生まれる場所8MATOに、皆さまも是非、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
▼「8MATO」公式サイトはこちら
https://8mato.biz/