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ニューヨーカーのために作られたボストン郊外のレンタルタイニーハウス「Getaway」。世界的にも有名で、今ではアメリカの15か所に点在している。
そんなタイニーハウスのレンタルサービスが、社会の中でも比較的若いミレニアル世代からの注目を集めているという。


その理由の1つにあげられるのが、アメリカの社会情勢の変化だ。
かつてアメリカンドリームの象徴だった郊外の車や邸宅は、ミレニアル世代にとって、手の届かない存在になりつつある。
「保守的な投資家」として知られているミレニアル世代は、車移動が必要な郊外のマイホーム暮らしより、歩いて行ける範囲内での都市生活でのライフスタイルへと移行した。
そして、タイニーハウスのレンタルサービスを活用した「持たないダウンサイジング」への道、つまり所有することなくミニマルな暮らしを自身の生活の中に取り入れていくライフスタイルを切り開いているというのだ。

「Getaway」とはどんなものなのだろうか。今回はミレニアル世代の間で話題となっている「持たないダウンサイジング」の在り方を一緒に見ていこう。

タイニーハウスレンタル「Getaway」の取り組みと効果

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タイニーハウスのレンタルとして注目を集めているGetaway。
週末レンタルを通じて、自然あるタイニーハウスの暮らしを都市に住む人々に提供してくれるものだ。拠点によって異なるが、一泊一万円台で宿泊できる拠点も数多くあり、心と体の休息の時間や、自分と向き合う時間を気軽にとれる手段として活用されている。Getawayのサービスのターゲットはミレニアル世代に限らず、多くの世代に向けられたものなのだという。

Getawayは、全国の主要都市から 2 時間以内で自然へアクセスできるように設置された。
ファミリーやグループでも利用できるこのサービスでは、
・調味料と食料のあるミニキッチン
・アメニティのあるシャワー、トイレ
・外でのバーベキューや薪、食料、ピクニックセット
・ペットの、おやつ、水入れ、トイレグッズ

など、あらゆる自然体験をしながら不便なく暮らせる設備が揃っている。

https://journal.getaway.house

また、面白いのは「スマートフォンをロックボックスに入れて過ごす」点だ。
デジタルデトックスを図ってくれるシステムとコンセプトになっていて、タイニーハウスでの生活に十分集中できるのではないだろうか。

またこのサービスによって、限られたスペースでハイクオリティなデザイン空間を楽しむというスタイルを、下の世代にも知ってもらえるきっかけになる。このアプローチで、小さな家に住むだけでなく、小さなスペースだからこそできる、環境と心身に配慮した生活を広めることになるかもしれない。

タイニーハウスレンタルは「持たないダウンサイジング」?

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ダウンサイジングな暮らしと、自然の中での持続可能な生活のワクワクするような魅力は十分伝わったのではないだろうか?
しかしそうはいっても郊外にタイニーハウスをいきなり持つことは未だ難しいかもしれない。それは都市の生活格差に悩むミレニアル世代だけでなく、子育てで手が離せない世代、金銭的に悩ましい方、仕事等の忙しさを理由に、購入したとしても管理が出来ない方にも当てはまる。

そのような方こそ、タイニーハウスのレンタルや、タイニーハウスを活用した宿泊施設などを一時的に利用してみることをすすめたい。日本にも、小さな空間を提供する宿泊施設などが数多くある。持てないからと諦めず、まずはミレニアル世代のように「借りてみる」ことから始めよう。タイニーハウスのレンタルというちょっとした贅沢が、ストレスを抱えている人たちに、メンタルの安定と癒しを与えてくれるはずだ。

今後「持たないダウンサイジング」のサービスが浸透すれば、この生活のメリットもデメリットも少し見えてくる。そして、リアルにタイニーハウスがある暮らしを多くの人がイメージでき、住まいの場の選択肢の一つとして検討してくれる人が増えてくるのかもしれない。

【参照】
Getaway公式HP
小さな贅沢:「タイニーハウス」で説く建築
ミレニアル世代は小さな家に夢中ー彼らが団塊の世代といかに違うかを浮き彫りにする 3 つの理由
ミレニアル世代の視点: タイニーハウスは新しいアメリカンドリームなのか?

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「明日からは、どこでも好きな場所で働いてください!」
なんて言われたとしたらあなたはどんな場所を選ぶだろう?

自宅?お気に入りのカフェ?それとも日本を離れて海外?

十人十色、様々なアイディアが思い浮かぶだろうが、まさか「宇宙でのリモートワーク」を頭に思い浮かべた人はいないだろう。

今回ご紹介するのは、隕石のような外観を持つオフィス空間「Pebble pod」。

まるで、宇宙からやってきた宇宙人たちが地球でリモートワークをしているかのような非日常を想像してしまいそうな斬新なスモールハウスだ。
宇宙でリモートワークをするなんていう未来が訪れることもあるのだろうか…?
今回は、そんな未来を想像させる近未来的なオフィス空間「Pebble pod」を覗いてみることにしよう。

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2020年初頭、パンデミック前からのニーズを踏まえ、誕生した個別のプレハブ・ワークステーション「Pebble pod」は、2010年に創立されたハローウッドによって手掛けられた。建築デザイン分野で活躍し、タイニーハウスの制作やアートフェスティバルのスポンサーなども務めているブダペストにある建築・デザイン事務所だ。

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他に類を見ないこだわり抜かれた近未来空間を作るために、光ファイバーを取り扱う会社とタッグを組んで誕生したのがこの「Pebble pod」。
オブジェのような、ずっしりとした外観デザインでありながら、ヨーロッパ中への一体輸送も可能な運送・設置の容易さを強みとしているというから驚きだ。

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そして素材には、燃えにくいミネラル・コアとアルミ・パネルのアルコボンドで構成されており、外観のカスタマイズも可能。パイン材やコーテン・スチール、ガラス張りの玄関や窓など、さまざまなオプションで自分好みにカスタムすることができる。

高さ約3.6メートル、86平方フィートの広さは、6人が快適に利用できる設計となっている。スタートアップや小さな会社にはもってこいのサイズ。こんな斬新なオフィスを採用したならば、社会からの知名度も社員のモチベーションも大きく跳ね上がりそうだ。

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外装のみが斬新なものなのでは…?と思いたくもなるが、実はそうではない。Pebble podの内部もまた近未来的な雰囲気を放っている。ミニマルな空間だからここそ設備も最小限。小さなエアコンやLED照明、モニター用電動マウント、デジタルボードなど、ハイテク設備が完備されている。

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「自宅や旅先でのリモートワークなんていう働きかたはもう古い」そんな文言とともに、人間が宇宙で働き始める時代がいつかは到来するのだろうか。

そんな未来を想像せずにはいられない、隕石を思わせる外観と未来的な内装が融合した「Pebble pod」で、未来の新しい働き方の疑似体験してみたいものだ。

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https://hellowood.eu/pebble-pod
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ここアメリカ西海岸は、古くからキャンパー、キャンピングカーが数多く作られ、モバイルハウスの文化が強く根付く土地だ。

彼の名前はライアン・オードネル、木工職人である傍、タイニーハウスのビルダーとしても活躍している人物だ。2018年にハンブル・ハンド・クラフトという会社を設立。このタイニーハウスも彼がハンドメイドで製作したものだ。

彼が以前に手がけた「El Toto」は、スペイン語で「オス牛」という意味のスモールハウスで、木工職人である彼のスキルやこだわりが随所に光っている。

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彼の作る家は木材に関して、人一倍のこだわりがある。

内装のパネル材としてシダの木材を使用し、床材はすでに2次使用された竹材をもう一度使用している。古いものを使用すれば味が出て、非常に心地のいい色合いと雰囲気の空間となった。

このダイニングテーブルは、老木のセコイアの一枚板を天板にして作った。
テーブルは上下に高さの調整ができるようになっている。テーブルの天板を下に下げると、今ソファーになっている部分と連結し、この部分がベッドにもなる。

壁の木以外の部分は、安価ながら大理石のような光沢を出し耐摩耗性に優れたスキムストーンを使用している。

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天井はダイニングテーブルと同じ、セコイアの木を使用している。
しかし、同じセコイアでも赤ワインを醸造する樽を再利用。このような素材の再利用はコスト削減になるだけでなく、他にはないオリジナリティを出すことができる。

実はオーナーのライアンはこの家を製作する前に、アメリカ西海岸沿い全てで「木材探しの旅」を決行していたのだ。
だからこそ、このような多様な木材を使い、見た目も美しい仕上がりになっているのも頷ける。

木材一つ一つにそれぞれの物語があるため、訪れた人にそのこだわりを「これが何で、あれが何で」と説明するのが楽しいそうだ。

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そしてこれが彼の新作、タイニーハウス型のトレイラーで、名前は「Acorn」。

「El Toro」と同じく、彼の木材へのこだわりがよく表れており、そのミニチュア版、そしてモバイル版がこのAcornと言える。

このタイニーハウス型トレイラーは通常のタイニーハウスとしてはもちろん、下にタイヤが付いているのでキャンパーバンとしても使える。

外装はミノムシのように細かい木材を張ったものを使用し、独特の質感を出している。
屋根を支えている木も、太く真っ直ぐしたものではなく、あえて、少し曲がった、遊び心のある木材を使用している。

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トレイラーながら、しっかりとした造りのタイニーハウスで、生活できる十分な設備は整っている。

コンパクトなキッチンでは、水道はもちろん、冷蔵庫なども装備。

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主に使っている木材はマツの木で、El toroと同様セコイア材をアクセントとして使用している。

スペースを有効活用するために、ロフト部分には簡易なベッドがあり、1階部分にもマットを敷きつめると多くの人間を収容できる。

壁にはギターやスケボの板もかかっており、男子にとっては夢のような部屋作りとなっている。

玄関にはちょっとしたテラススペースもあるため、ここでバーベキューやガーデニングなども楽しむことができる。

カルフォルニアなどアメリカ西海岸は有名なサーフスポットが点在するので、サーフボードを乗せながら海岸線沿いを旅するにはもってこいだ。

こだわりのスモールハウスを作っている過程も楽しみながら、好きな物に囲まれた生活。誰しも一度は憧れる生活だろう。

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ギリシャの建築家たちDeltarchi | Dragonas Christopoulou Architectsによるこの小屋は、都会の喧騒に疲れた人々のオアシスとすべく考案された。 (さらに…)


あなたはこれまで、何を重視してご自身の住まいを選んできただろうか。

駅への近さ、水回りの広さ、セキュリティなど、大切にしたいポイントは人それぞれ。しかし、多くの人がお部屋との運命の出会いを感じるポイントの1つに、日当たりの良さや、外との繋がりを感じられる開放感があげられるのではないだろうか?

窓から差し込む光の具合や、そこから見られる景色はいつだって、私たちの暮らしを彩るもの。

今回は、そんな「窓」にこだわりを持つフランスのスモールハウス「LUMIPOD(ルミポッド)」をご紹介しよう。窓メーカーによって展開されたというこの空間には、どんなこだわりが詰まっているのだろうか。

窓メーカーが作る唯一無二の住まい

via: businessinsider

ルミポッドは、フランス・リヨンを拠点とする窓メーカー、ルミセーヌとフランスのオート・ルノミー・ギャラリーが共同で作り上げた円形の形が特徴的なミニマルで新しい住宅ラインだ。

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部屋の中央にベッドが設置されているが、ワードローブや浴室も完備され、直径5.5mという小さな空間でありながら、十分に充実した暮らしを実現出来る。

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ルミポッドの最大の魅力は、言うまでもなく、湾曲した大きなガラス窓。これによって室内と野外の境界が曖昧になり、心地よい開放感を提供している。

窓を開けているときは、まるで屋外にいるかのような開放感を、そして閉めているときには、自然の中にある小さな繭の中にこもっているかのような特別な体験を味わえるだろう。

湾曲したガラスを使用し、180度動かせるこの意匠性のあるデザインは、何と特許を取得したルミセーヌにしか生み出すことが出来ないものなのだという。

目指したのは、高級ホテルのような内装デザイン

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ルミポッドは窓だけでなく内装空間の細部にまでこだわり抜かれている。

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例えば、特注で制作されたオーク材突き板のキャビネット、「すべての材料が資源に戻り、循環しつづける製品、仕組みづくり」を重視して、近年世界的に用いられる「Cradle to Cradle」の認証を得たセラミックタイル、吊り下げ式のキングサイズベッドの設置などがその例だ。
その広さから快適に眠ることができ、就寝時以外は壁に収納し空間を生み出すことの出来る仕組みは、ミニマルな空間の中での滞在をより快適なものにしてくれているだろう。

via: LUMIPOD

そして、ドイツの水栓金具老舗メーカーAXOR、北欧を代表する照明ブランドLouis Poulsenといった世界的にも名高いブランドと提携することで、屋内の快適さと屋外の静けさがシームレスに融合した贅沢な体験を提供している。

住まいだけに限定しない、多様なサイズ展開

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現在展開されているルミポッドには、直径5.5メートルから8メートルまでの様々なサイズが展開されており、宿泊だけではなく、オフィス空間やサロンとしてなど多様な用途で使用することが出来るように考えられている。

たとえば、18㎡のルミポッド5は、ミニマルなホテルルーム、オフィスやマッサージルームになどとして、26㎡の広々としたお部屋を持つルミポッド6は、会議室やウェルネスルームに。ルミポッド8は、広さ42㎡の広い空間を持つことから、ファミリールームまたはラグジュアリースイートとしても利用できる。

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そして、もっともミニマルなラインは、直径2.5メートル。サウナ用につくられたかわいらしいフォルムを持つルミポッドだ。モダンでどこか秘密基地のような雰囲気を持つこの建築は、小さいながら、どんな場所に設置をしたとしても存在感を放ちそうだ。

あなたがルミポッドを設置するとしたら・・・

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この「ルミポッド」は、大きな船や陸路での移動と、2.3日での設置が可能。このラグジュアリーな外観からは想像出来ない設置の容易さを強みとするルミポッドであるが、現在は100%オフグリッドな住まいを作るべく、開発が進められているという。

via: businessinsider

あなたがこのルミポッドを手にしたとしたら、この大きな窓をどこに設置したいだろか。ぱっと思いついた光景の中に、あなたにとっての「豊かさ」や理想の住まいが隠れているかもしれません。

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移動式の小さな図書館に憧れたことはないだろうか。普段は建っていない場所にある。そんな非日常感にワクワクしてしまう。それだけでも特別なのに、ソウル大公園内に登場した3つの小さな図書館は、遊び心あふれるデザインと居心地の良さで来館者の心をつかんでいる。 (さらに…)

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ウィーンの郊外に位置する「Villa minimale(ヴィラ・ミニマーレ)」は、4つの木製の箱を組み合わせてつくられたような形が特徴的な、4人家族に向けてつくられた小さな住まい。ドイツで開催されているデザインアワード「GERMAN DESIGN AWARD2024」を獲得し注目を集めている建築の一つだ。
空間をミニマルにシンプルな住まいを手に入れることが出来るタイニーハウス、しかし家族一人ひとりのプライベート空間をしっかりと確保するためには、思考錯誤が必要だ。

今回ご紹介するこのヴィラ・ミニマーレは、自然とのつながりと、家族一人ひとりの快適さ、その両方を実現する、家族にとって最適化された小さな空間ともいえそうだ。

はたしてどんな空間なのだろうか。一緒に見ていこう。

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clemens kirsch(クレメンス・キルシュ)建築スタジオによって建築されたこの建物は、イタリアとアメリカの建築様式を取り入れ、4つの木製の箱を組み合わせてつくられたような空間が特徴的だ。

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中でも特徴的なのは、この吹き抜けの構造。建物の中央につくられた空気空間は、居住者が室内から外の景観や自然と一体となることを可能にすると共に、4つの箱を組み合わせて誕生した広い空間をうっすらと分け、プライベート感を演出している。まさに、この住まいの核となるものだと言えるだろう。

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また、木製の内装は温かみを感じさせ、居心地の良さを演出している。外壁はプレハブの木造建築で明るいガラス張りの木材と銅製の屋根が組み合わさり、美しい外観を形作っている。

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「ヴィラ・ミニマーレ」の1階にはダイニングスペース、キッチン、バスルーム、プライベート感を演出するアルコーブが配置されている。

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また、自然とのつながりを感じさせるのは、吹き抜け空間だけではない。上階には天窓から星空を眺めることができる3つの寝台が設置されており、まるでキャンプに来ているかのような感覚を味わえるという。

家の雰囲気が四方の自然と調和し、景観を取り入れながらも居住者にプライバシーを提供するこのヴィラ・ミニマーレは、自然と接続することの豊かさと、自己と向き合い生きることの大切さを教えてくれているようかのようだ。

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みなさんは、自然とのつながりと、自己と向き合う時間を取ることが出来ているだろうか。自分自身でそのような時間を設けることがなかなか難しいという方も少なくないだろう。毎日を過ごす住まいが、そんな時間を演出してくれたら。私たちの暮らしはより豊かなものになっていきそうだ。

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bigsee.eu
clemenskirsch.at

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トロント郊外の湖畔に、1軒の大きな別荘が建っている。ここは2家族が共有している、言うなればシェアハウスでもある別荘。しかし、他のシェアハウスとは少し違った考え方のもとに作られた家なのだという。 (さらに…)


今や日本でも一般的になりつつある「コレクティブハウス(集合住宅)」での共同生活。その多様性は世界でじわじわと広がってきている。
このコレクティブハウスの多様性に欠かせないのが「シェアリング(共有)」の概念。
「コレクティブハウス」×「シェアリング」
ここから生まれる新たなライフスタイルとはどんなものがあるのだろうか?
そしてどんな未来を手に入れられるのだろうか?

生きかたを、遊ぶ住まい「YADORESI」や、入居者のクリエイティブ最大化をコンセプトとする「ニューヤンキーノタムロバ」など、暮らしにまつわる個性豊かなシェアの在り方を探求しつづけているYADOKARI。今回は、世界の多様な「シェア」のカタチを紹介していく。

そもそも「コレクティブハウス」とは?

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コレクティブハウス(集合住宅)は、1935年のスウェーデン・ストックホルムで「スヴェン・マルケリウス(1889-1972)」によって生まれた。
そして1960年代には、働く女性が子育てに不安なく暮らせるように利用されていった。
一緒に住む人たちと共同キッチンやダイニングをシェアし、お互いに助け合えるところがメリットになっていたのだ。
共有のキッチンやリビングしかないシェアハウスと違い、各部屋にもキッチンやリビング等の設備が備わっているコレクティブハウス。
プライベートも保持しつつ、必要な時に他の住人とコミュニケーションをとれるのが大きな特徴である。

実例3つから見る「コレクティブハウス」×「シェアリング」の形

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コレクティブハウスのデザインや共有する施設は、環境、ニーズ、目的などによって変わるもの。
全く同じものは1つとしてない。
続いては3つの実例を用いて、どんなコレクティブハウスにどんな住民が集まり、どんなシェアリングをしているのかを見ていこう。

スラム街の再開発(インド)

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インドのサンジャイ・ナガルは、約300家族が住むスラム街。
ネット環境のようなインフラやセキュリティ設備のない場所でしたが、その反面、住民同士の結束力が強い地域である。
このスラム街の再開発として作られたコレクティブハウスで焦点が当てられたのは、「コミュニティ」と「健康的空間」
中庭、屋上庭園、広い廊下など、今までの住民にかけがえのないコミュニティを持続できるシェアリング空間がある。
また自然光や換気できる構造・デザインによって、スラム街では得られなかった健康的空間を実現しているのだ。

無理に高度かつ高性能なシステムにするのではなく、地域のカルチャーを活かしたこのデザイン性。
家族ごとにスペースや綺麗な水までも所有することが難しい生活水準を上げるために、「シェアリング」の概念を上手く利用した形なのである。

都市での共同生活(ノルウェー)

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ノルウェーのスタヴァンゲルで造られたこのコレクティブハウスは、多様な年代の住民がコミュニティを持続しながら暮らせるデザインである。
核家族化が進む中、都市生活の中でもコミュニティをもって住民同士が支え合える暮らしにすることが目的であるこのコレクティブハウス。
どんな年代、性別でも暮らしやすいように、各部屋の構造は均一ではなく多様なタイプで設計されているのだ。

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シェアリングできるのはキッチンやダイニングだけでなく、図書室やアトリウムなど自分のリズムで使える施設も多数。
プライベート空間と、住民だけで限定的にシェアできる公共施設があるのは、コレクティブハウスだからこそできる設計なのである。

多世代家族の共同生活(シンガポール)

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コレクティブハウスは他人家族同士のためのものだけではない。
シンガポールでは、多世代の家族が将来的にも住んでいけるコレクティブハウスが造られている。
他人と暮らすコレクティブハウスではプライベート空間も重視されるが、家族で暮らすこのコレクティブハウスは視覚的な「安心」をも実現した。
共有のダイニング、ジム、図書室だけでなく各ベッドルームまでも、中央の庭園やプライベートプールの周りに配置。
どこからでも色んな場所に目が届く設計なのである。

プライベート空間も維持しながら、施設だけでなく視覚もシェアリングできるこの設計で、子供達や高齢の家族の様子もチェックできる。
「安心」にも焦点を当てたこのデザインも、新たなコレクティブハウスの形になっているのだ。

「限定的シェアリング」で多様性&安心ある暮らしと未来


コレクティブハウスでは、住民同士のコミュニティだけという「限定的シェアリング」によって、多様性と安心のある暮らしが手に入れられる。
ダイニングやキッチンは一般的な家庭にはあるが、実例にもあったような図書室、プライベートプールなどは個々で所有するのが難しいもの。

「子供たちだけでは遊びに行かせられない」
「祖父母だけでは何かあったら心配」
そんな家庭でも、住民しかいない、また敷地内であるという制限されたコミュニティで利用できるシェアリング空間は、安心で効率的なものなのではないだろうか。
シェアリングの概念は建築されたものにとどまらず、ビーチ、山、畑などの趣味や娯楽にも反映できるはず。

例えば「別荘のためのコレクティブハウス」。
ビーチサイドに大きい一軒の別荘、広いプライベートビーチを所有するのは金銭的に厳しいだろう。
しかし、複数の家族で各部屋を所有できるコレクティブハウスと、そこでシェアできるプライベートビーチを確保することは実現できるかもしれない。
夢ある多様性&安心ある暮らしと未来は、「コレクティブハウス」×「シェアリング」が叶えてくれるのではないだろうか。

【参照元】
東洋経済
HOUSING LAB
スラム街を再開発したコレクティブハウス(インド)
都市で共同生活できるコレクティブハウス(ノルウェー)
多世代で生活できるコレクティブハウス(シンガポール)

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環境に優しいライフスタイルを追求しようとしている若いカップルや、仕事も生活も安定してきた大人たちなど、多様なバックグラウンドを持つ人々からの注目が集まっているタイニーハウス。そんな中で、体が不自由な人や高齢者に向けて提供されているタイニーハウスがあることをご存じだろうか。

とはいえ、ただ小さい空間に住まいを移すというだけでは快適な住まいを手に入れることは難しい。彼らが暮らす小さな空間の中には、スライド式、折りたたみ式のデバイスや、ドロップダウン式に展開可能な家具など、彼らの苦手なことを理解し、「できること」を最大限引き出すことの出来る仕組みが備わっているという。

今回は、そんなタイニーハウスと体の不自由な人を繫ぐために取り入れたい、世界の「バリアフリーなタイニーハウスデザイン」を見ていこう。

車いすのアクセスにこだわったタイニーハウス

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まずご紹介するのは、アメリカのバーモント州に本拠を置く「LineSync Architecture」によるタイニーハウス。こちらは保健師、医師、理学療法士、作業療法士からの意見も加えながらデザイン設計を行い、特に特徴的なのは、「車いすのアクセス」にこだわった点である。

車いすでも生活しやすいよう、すべての設備が低めに設置され、ベッドの横に格納できるテーブルや低電力コンセントも併設されている。両開きかつ自動のエントランスで広々としたバスルームや、車いすで家に上がるためのスロープが必要な時にトラック上から降ろせる仕組みもあるのだ。また自力で移動しにくいシャワールームやトイレへは、ホイヤーリフトが運んでくれる。
車いす生活を営む人の自立した生活を促し、住む人の「できること」を最大限引き出してくれるタイニーハウスだ。

住人と一緒に考えるオリジナルタイニーハウス

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続いては、ドイツにあるタイニーハウスの建築会社「Tiny Rolli House」の事例。Tiny Rolli Houseは、持続可能なデザインやバリアフリーなどのアクセシビリティ分野に注力して運営している会社だ。

この家に住むコンラッドさんは、長年車いす生活だった。休暇のためにバリアフリーと謳うホテルに行っても、ドアの開きやスペース的な面などに不備があり、満足のいくバリアフリー空間を見つけることが出来なかったという。そんな彼のために作られた、こだわりが詰まったタイニーハウスを紹介しよう。

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今回は車椅子でアクセス可能でありながら、タイニーハウスの魅力が生きるデザイン性を取り入れることが課題であった。どうしてもバリアフリーを重視すると、「老人ホーム」や「病院」のような雰囲気になってしまうからだ。
このタイニーハウスは、木材や羊毛などの自然な素材を使用しながら、オシャレで持続可能な建築としてのデザインにもこだわったのだという。

とはいえ、そこに住む車いす利用者が独立して、動き回れるようにするための機能も妥協はできない。そこでTiny Rolli Houseは、車椅子からどこに簡単に手が届くか、どの位置なら引き出しが空くか、窓を開けることができるかなどをコンラッドさんと一緒にテストした。体が不自由な方の欠点に焦点を当てるのではなく、「どこまでできるか」に注目することを考えたのだ。

この家の特徴は、車椅子ユーザーが快適にタイニーハウスにアクセスできるようにする「スロープ」。タイヤのグリップ力を高めるため、デザイナーズフロアを敷いたデザインになっている。
また、
・キッチン下に取り付けた「引き出し式冷蔵庫」
・手の届くところにある「シンクとコンロ」
・車椅子でアクセス可能かつ上下移動できる「ヒーターテーブル」
などを取り入れ、立ち上がることなく利用できる家具家電設計を実現した。

そして、お風呂場には車いすから移動しやすい「シャワー室のベンチ」を。どうしても車いすから離れなければならない状況でも自力で動けるように、車いすとの高さを合わせ、無駄なグリップのないデザインを取り入れているという。

重要なものが小さなスペースにまとまっていることで、車いすの方でも、ただ振り向くだけで何にでも手が届くのだ。 この狭いスペースでもコンラッドさんに快適な生活環境と休息できるリラックス空間を提供できることとなった。

バリアフリーなタイニーハウスにおける大きな課題

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バリアフリーなタイニーハウスを手に入れるにあたり、大きなハードルとなるのがその費用だ。全自動、精巧な折り畳み式家具など、設計にも技術にもお金がかかってしまうだろう。
しかし、バリアフリーにしてくれる比較的安価なアクセサリーを使用することも出来るという。

例えば、バスルームで言うと
・サポートレール
・グラブレール
・シャワーシート
などが挙げられる。

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今の体調に合わせて設計しまうと、今後どれだけ動けなくなるか、どれだけの操作ができるかの見通しを立てるのは難しい。先に費用をかけるより、まずは最低限のデザインから挑戦していくことも1つの手段だ。
大幅にアクセシビリティデザインに振り切るのは全ての人にとって簡単なことではない。小さなポイントからピックアップしてアクセサリーを利用し、「できること」を最大限に引き出したあなたに合ったタイニーハウスを少しずつ育てていくのもいいかもしれない。

【参照】
アクセシブルタイニーハウス:自由でアクセシビリティのある暮らし
車椅子でアクセスできるタイニーハウス:障害のある人にとって大きな選択肢
小さく暮らす: 家具とアクセシビリティ
タイニーハウス革命 – アクセシブル
ホイールパッドタイニーハウス – LineSync Architectureによるアクセス可能なタイニーハウス

Via: designboom.com

自分の家の庭に遊園地があったらいいのに…! 子どもなら誰でもそんな夢をみるだろう。そんな願いを、オーストラリアのプロの建築家が叶えてしまった。その「夢の遊び場」はオークションで高額で落札され、チャリティーに役立てられることにもなったという。一体どんな遊び場なのだろうか。 (さらに…)

via: http://www.archdaily.com/

壁の機能とはなんだろうか?物理的な(もしくは哲学的な)意味である空間とある空間を分ける物と言える。しかし今回は壁のもう一つの機能に着目しよう。それは「落書きできるスペース」という機能だ。

南米チリにある「Workshop in the City」と名付けられた屋根裏部屋ならぬ“屋根上部屋”は落書き用につくられた作業部屋である。

(さらに…)

TINY HOUSE JOURNALタイニーハウスの“現在”を知る

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