
今や日本でも一般的になりつつある「コレクティブハウス(集合住宅)」での共同生活。その多様性は世界でじわじわと広がってきている。
このコレクティブハウスの多様性に欠かせないのが「シェアリング(共有)」の概念。
「コレクティブハウス」×「シェアリング」
ここから生まれる新たなライフスタイルとはどんなものがあるのだろうか?
そしてどんな未来を手に入れられるのだろうか?
生きかたを、遊ぶ住まい「YADORESI」や、入居者のクリエイティブ最大化をコンセプトとする「ニューヤンキーノタムロバ」など、暮らしにまつわる個性豊かなシェアの在り方を探求しつづけているYADOKARI。今回は、世界の多様な「シェア」のカタチを紹介していく。
そもそも「コレクティブハウス」とは?

https://www.housinglab.it/
コレクティブハウス(集合住宅)は、1935年のスウェーデン・ストックホルムで「スヴェン・マルケリウス(1889-1972)」によって生まれた。
そして1960年代には、働く女性が子育てに不安なく暮らせるように利用されていった。
一緒に住む人たちと共同キッチンやダイニングをシェアし、お互いに助け合えるところがメリットになっていたのだ。
共有のキッチンやリビングしかないシェアハウスと違い、各部屋にもキッチンやリビング等の設備が備わっているコレクティブハウス。
プライベートも保持しつつ、必要な時に他の住人とコミュニケーションをとれるのが大きな特徴である。
実例3つから見る「コレクティブハウス」×「シェアリング」の形

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コレクティブハウスのデザインや共有する施設は、環境、ニーズ、目的などによって変わるもの。
全く同じものは1つとしてない。
続いては3つの実例を用いて、どんなコレクティブハウスにどんな住民が集まり、どんなシェアリングをしているのかを見ていこう。
スラム街の再開発(インド)

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インドのサンジャイ・ナガルは、約300家族が住むスラム街。
ネット環境のようなインフラやセキュリティ設備のない場所でしたが、その反面、住民同士の結束力が強い地域である。
このスラム街の再開発として作られたコレクティブハウスで焦点が当てられたのは、「コミュニティ」と「健康的空間」。
中庭、屋上庭園、広い廊下など、今までの住民にかけがえのないコミュニティを持続できるシェアリング空間がある。
また自然光や換気できる構造・デザインによって、スラム街では得られなかった健康的空間を実現しているのだ。
無理に高度かつ高性能なシステムにするのではなく、地域のカルチャーを活かしたこのデザイン性。
家族ごとにスペースや綺麗な水までも所有することが難しい生活水準を上げるために、「シェアリング」の概念を上手く利用した形なのである。
都市での共同生活(ノルウェー)

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ノルウェーのスタヴァンゲルで造られたこのコレクティブハウスは、多様な年代の住民がコミュニティを持続しながら暮らせるデザインである。
核家族化が進む中、都市生活の中でもコミュニティをもって住民同士が支え合える暮らしにすることが目的であるこのコレクティブハウス。
どんな年代、性別でも暮らしやすいように、各部屋の構造は均一ではなく多様なタイプで設計されているのだ。

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シェアリングできるのはキッチンやダイニングだけでなく、図書室やアトリウムなど自分のリズムで使える施設も多数。
プライベート空間と、住民だけで限定的にシェアできる公共施設があるのは、コレクティブハウスだからこそできる設計なのである。
多世代家族の共同生活(シンガポール)

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コレクティブハウスは他人家族同士のためのものだけではない。
シンガポールでは、多世代の家族が将来的にも住んでいけるコレクティブハウスが造られている。
他人と暮らすコレクティブハウスではプライベート空間も重視されるが、家族で暮らすこのコレクティブハウスは視覚的な「安心」をも実現した。
共有のダイニング、ジム、図書室だけでなく各ベッドルームまでも、中央の庭園やプライベートプールの周りに配置。
どこからでも色んな場所に目が届く設計なのである。
プライベート空間も維持しながら、施設だけでなく視覚もシェアリングできるこの設計で、子供達や高齢の家族の様子もチェックできる。
「安心」にも焦点を当てたこのデザインも、新たなコレクティブハウスの形になっているのだ。
「限定的シェアリング」で多様性&安心ある暮らしと未来

コレクティブハウスでは、住民同士のコミュニティだけという「限定的シェアリング」によって、多様性と安心のある暮らしが手に入れられる。
ダイニングやキッチンは一般的な家庭にはあるが、実例にもあったような図書室、プライベートプールなどは個々で所有するのが難しいもの。
「子供たちだけでは遊びに行かせられない」
「祖父母だけでは何かあったら心配」
そんな家庭でも、住民しかいない、また敷地内であるという制限されたコミュニティで利用できるシェアリング空間は、安心で効率的なものなのではないだろうか。
シェアリングの概念は建築されたものにとどまらず、ビーチ、山、畑などの趣味や娯楽にも反映できるはず。
例えば「別荘のためのコレクティブハウス」。
ビーチサイドに大きい一軒の別荘、広いプライベートビーチを所有するのは金銭的に厳しいだろう。
しかし、複数の家族で各部屋を所有できるコレクティブハウスと、そこでシェアできるプライベートビーチを確保することは実現できるかもしれない。
夢ある多様性&安心ある暮らしと未来は、「コレクティブハウス」×「シェアリング」が叶えてくれるのではないだろうか。
【参照元】
東洋経済
HOUSING LAB
スラム街を再開発したコレクティブハウス(インド)
都市で共同生活できるコレクティブハウス(ノルウェー)
多世代で生活できるコレクティブハウス(シンガポール)
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環境に優しいライフスタイルを追求しようとしている若いカップルや、仕事も生活も安定してきた大人たちなど、多様なバックグラウンドを持つ人々からの注目が集まっているタイニーハウス。そんな中で、体が不自由な人や高齢者に向けて提供されているタイニーハウスがあることをご存じだろうか。
とはいえ、ただ小さい空間に住まいを移すというだけでは快適な住まいを手に入れることは難しい。彼らが暮らす小さな空間の中には、スライド式、折りたたみ式のデバイスや、ドロップダウン式に展開可能な家具など、彼らの苦手なことを理解し、「できること」を最大限引き出すことの出来る仕組みが備わっているという。
今回は、そんなタイニーハウスと体の不自由な人を繫ぐために取り入れたい、世界の「バリアフリーなタイニーハウスデザイン」を見ていこう。
車いすのアクセスにこだわったタイニーハウス

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まずご紹介するのは、アメリカのバーモント州に本拠を置く「LineSync Architecture」によるタイニーハウス。こちらは保健師、医師、理学療法士、作業療法士からの意見も加えながらデザイン設計を行い、特に特徴的なのは、「車いすのアクセス」にこだわった点である。
車いすでも生活しやすいよう、すべての設備が低めに設置され、ベッドの横に格納できるテーブルや低電力コンセントも併設されている。両開きかつ自動のエントランスで広々としたバスルームや、車いすで家に上がるためのスロープが必要な時にトラック上から降ろせる仕組みもあるのだ。また自力で移動しにくいシャワールームやトイレへは、ホイヤーリフトが運んでくれる。
車いす生活を営む人の自立した生活を促し、住む人の「できること」を最大限引き出してくれるタイニーハウスだ。
住人と一緒に考えるオリジナルタイニーハウス

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続いては、ドイツにあるタイニーハウスの建築会社「Tiny Rolli House」の事例。Tiny Rolli Houseは、持続可能なデザインやバリアフリーなどのアクセシビリティ分野に注力して運営している会社だ。
この家に住むコンラッドさんは、長年車いす生活だった。休暇のためにバリアフリーと謳うホテルに行っても、ドアの開きやスペース的な面などに不備があり、満足のいくバリアフリー空間を見つけることが出来なかったという。そんな彼のために作られた、こだわりが詰まったタイニーハウスを紹介しよう。

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今回は車椅子でアクセス可能でありながら、タイニーハウスの魅力が生きるデザイン性を取り入れることが課題であった。どうしてもバリアフリーを重視すると、「老人ホーム」や「病院」のような雰囲気になってしまうからだ。
このタイニーハウスは、木材や羊毛などの自然な素材を使用しながら、オシャレで持続可能な建築としてのデザインにもこだわったのだという。
とはいえ、そこに住む車いす利用者が独立して、動き回れるようにするための機能も妥協はできない。そこでTiny Rolli Houseは、車椅子からどこに簡単に手が届くか、どの位置なら引き出しが空くか、窓を開けることができるかなどをコンラッドさんと一緒にテストした。体が不自由な方の欠点に焦点を当てるのではなく、「どこまでできるか」に注目することを考えたのだ。
この家の特徴は、車椅子ユーザーが快適にタイニーハウスにアクセスできるようにする「スロープ」。タイヤのグリップ力を高めるため、デザイナーズフロアを敷いたデザインになっている。
また、
・キッチン下に取り付けた「引き出し式冷蔵庫」
・手の届くところにある「シンクとコンロ」
・車椅子でアクセス可能かつ上下移動できる「ヒーターテーブル」
などを取り入れ、立ち上がることなく利用できる家具家電設計を実現した。
そして、お風呂場には車いすから移動しやすい「シャワー室のベンチ」を。どうしても車いすから離れなければならない状況でも自力で動けるように、車いすとの高さを合わせ、無駄なグリップのないデザインを取り入れているという。
重要なものが小さなスペースにまとまっていることで、車いすの方でも、ただ振り向くだけで何にでも手が届くのだ。 この狭いスペースでもコンラッドさんに快適な生活環境と休息できるリラックス空間を提供できることとなった。
バリアフリーなタイニーハウスにおける大きな課題

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バリアフリーなタイニーハウスを手に入れるにあたり、大きなハードルとなるのがその費用だ。全自動、精巧な折り畳み式家具など、設計にも技術にもお金がかかってしまうだろう。
しかし、バリアフリーにしてくれる比較的安価なアクセサリーを使用することも出来るという。
例えば、バスルームで言うと
・サポートレール
・グラブレール
・シャワーシート
などが挙げられる。

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今の体調に合わせて設計しまうと、今後どれだけ動けなくなるか、どれだけの操作ができるかの見通しを立てるのは難しい。先に費用をかけるより、まずは最低限のデザインから挑戦していくことも1つの手段だ。
大幅にアクセシビリティデザインに振り切るのは全ての人にとって簡単なことではない。小さなポイントからピックアップしてアクセサリーを利用し、「できること」を最大限に引き出したあなたに合ったタイニーハウスを少しずつ育てていくのもいいかもしれない。
【参照】
アクセシブルタイニーハウス:自由でアクセシビリティのある暮らし
車椅子でアクセスできるタイニーハウス:障害のある人にとって大きな選択肢
小さく暮らす: 家具とアクセシビリティ
タイニーハウス革命 – アクセシブル
ホイールパッドタイニーハウス – LineSync Architectureによるアクセス可能なタイニーハウス
自分の家の庭に遊園地があったらいいのに…! 子どもなら誰でもそんな夢をみるだろう。そんな願いを、オーストラリアのプロの建築家が叶えてしまった。その「夢の遊び場」はオークションで高額で落札され、チャリティーに役立てられることにもなったという。一体どんな遊び場なのだろうか。 (さらに…)
壁の機能とはなんだろうか?物理的な(もしくは哲学的な)意味である空間とある空間を分ける物と言える。しかし今回は壁のもう一つの機能に着目しよう。それは「落書きできるスペース」という機能だ。
南米チリにある「Workshop in the City」と名付けられた屋根裏部屋ならぬ“屋根上部屋”は落書き用につくられた作業部屋である。
(さらに…)
スペインで、マドリードに次いで2番目に人口が多い都市バルセロナ。世界的スターであるリオネル・メッシを擁する、サッカーチームのFCバルセロナが有名だが、なんといっても、アントニオ・ガウディがデザインし、未だに建設中の世界遺産サグラダ・ファミリアが、建築家のみならず、毎年多くの外国人が訪れる歴史的観光地として有名だ。今回紹介するスモールハウスは、そんな歴史的建造物が多いバルセロナで、有機的な建築思想とは対極にある、モジュール型のリゾートホテルだ。
(さらに…)

都心部でのライフスタイルはそのままに、日常の中でもう少し自然を感じることが出来ることが「ログハウス」での暮らしです。
木のあたたかみや香り、時の変化とともに色合いが変化していく姿を室内で楽しむことが出来れば、たとえ都心に住んでいたとしても、まるで自然の中で暮らしているかのような気分を味わえるのではないでしょうか。
場所・時間・お金に縛られないライフスタイルの実現・提案を目指しているYADOKARI。
今回も、場所の特性に縛られることなく、都市部に住んでいながらも自然とのつながりを感じることの出来る住まい「ログハウス」の魅力についてご紹介します。
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自然豊かな鎌倉の山辺に佇む「HANS LOG」のログハウス。この家には、同じく鎌倉市内にある海辺のマンションから、一目惚れした山辺のログハウスへお引越しした大坪航さんご一家が暮らしています。
前回のインタビューでは、長野県の八ヶ岳山麓「クラスベッソ蓼科」内「HANDS LOG」のモデルハウスにご宿泊いただき、HANDS LOG」の印象や、これからのライフスタイルについて、ログハウス暮らしが始まったらやってみたいことなどを話してくださった大坪さん。
(前回の記事はRefill公式サイトから!)
今回は入居して4ヶ月が経った鎌倉のログハウスにお邪魔して、大坪さんご一家のライフスタイルの変化や、ログハウス暮らしの魅力を伺いました。

1ヶ所ずつ、自分たちで作り上げるログハウス
ーーー「HANS LOG」のログハウスで新生活をスタートして約4ヶ月が経ちますが、ログハウスに住んだことによって、生活に変化はありましたか?
家にいるのが本当に楽しくて、「居たくなる家」だなと感じています。前の家は海が目の前という立地の良さは魅力でしたが、家の中にずっといたいなと思うことはなくて。ですがログハウスに暮らし始めてからは、家の中にいると気持ちが安らいで、休日に一日中家にいても全く苦にならないんです。そこは大きな変化だと思います。
ーーーアウトドア好きな大坪さんが「家にいるのが楽しい」と感じるのはすごいですね。ご自宅にいる時間が増えたなかで、ログハウスならではの特徴を感じることはありますか?
本格的な夏を迎えるのはこれからですが、今のところ家にいて暑さや寒さを感じることがあまりなくて。調湿効果があるからか、家にいても気温や湿度のストレスを感じないのは良いところかな。あとは、室内干しでも洗濯物がよく乾くのが嬉しいですね。

ーーーログハウスの内装はお引き渡し時からかなり変化していると思いますが、ご自身でDIYされたのでしょうか?
この家に住み始めてからかなりDIYに凝っていて、自分たちで少しずつ家を作っています。テレビの後ろの壁掛けにネジを打ったのが僕のDIYのスタートでした。始めは簡単な家具の組み立てに使うような3ボルトのプラスビットを使っていましたが、太い丸太が使われている箇所はそれだと太刀打ちできなくて。いろいろ調べた結果、マキタのインパクトドライバーとドリルを購入しました(笑)。
自分たちで1週間に1ヶ所ずつ進めていこうと話をして、窓に竹材のウッドブラインドを付けたり、クローゼットの中に無垢材を使って手作りの棚を設置したり、照明がなかったところにシーリングライトを付けたり、キッチンの収納を増やしたり、趣味の筋トレ用のロープや懸垂のグリップを設置したりと進めてきました。
引っ越したばかりの頃は、週に5~6回くらいのペースで近くのホームセンターに通っていましたね(笑)。最初は木材の板の目が分からず間違った切り方をしてしまったりもしましたが、少しずつDIYのスキルも上がっているのではと思います。この家に住むまでは工具メーカーの名前もあまり分かっていませんでしたが、用途に合わせて工具がすごく増えたし、木材の種類にもかなり詳しくなりました。

ご自身で設置したロープでトレーニングをする大坪さん

大坪さんが設置した懸垂のバー。奥様はぶら下がり健康器として使用しているんだとか。ぶら下がって腰を伸ばすととても気持ち良いそうです!
家族も友人も、みんなで「家」を楽しむ
ーーー前回のインタビューでお話しいただいた「お家キャンプ」の構想は実現しましたか?
実は今、業者さんに依頼して庭を整える計画を進めているんです。カリフォルニアスタイルのドライガーデンにして、タープを貼ってバーベキューやキャンプができるようにしたいと思っています。

庭の奥には、裏山のハイキングコースに繋がる階段があって、その奥が竹林になっているんです。そこも整備していただく予定なので、綺麗になった竹林をライトアップして、グランピング施設のようにできたら面白いなと思っています。
あとは畑も作る予定です。日照時間があまり長くないので、パクチーやキノコなどを育てようと考えています。ゆくゆくは庭にピザ窯を設置するのも良いなと思っているので、畑で育てた具材でピザを作れたら最高ですね。庭が完成したら、アウトドア好きの友人がテントを張って泊まったりしたら楽しいだろうなと思っています。

これから素敵な場所に変わる予定の庭

段々畑になる予定の斜面
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「ログハウス」での暮らしをスタートして生活が一変。生活に新しい楽しみが増えたという大坪さん。
その変化は大坪さんご自身だけにあったのではなく、ご友人やご家族との過ごし方など、周囲の人の暮らしにも変化をもたらしたのだとかーー。
はたして、どんな変化があったのでしょうか?
記事のつづきはこちら!
「あなたにとっての贅沢なくつろぎを感じられる場所は?」
そう問われたとき、あなたならどう答えるだろう。お気に入りのソファの上や、通いなれたカフェの一席、日常を忘れて作品に没頭できる映画館の椅子など、さまざまな答えが考えられる。
座る場所を自分で選ぶことは、規模の大小にかかわらず、自分の意思を尊重できる贅沢な時間だと言える。憧れの景色を備えた一戸建てを構えたり、ベランダにある日当たりのよい場所に折りたたみいすを広げたり…ボリュームは違えど、好きな場所でくつろぎたいという想いは共通している。
十人十色の多様な回答が得られそうなこの問いに対し、多くの人が「公園」と答えるであろう国が、フランスだ。フランスの人々にとっての公園とは、子どもが遊ぶ場であるのはもちろん、大人が憩いを求めて、歩き、彷徨い、くつろぎのひとときを過ごすための場所でもあるというのだ。はたしてフランスの公園にはどんな特徴や仕掛けがあるのだろうか。
ほっと一息つける場所としての公園
フランスの公園を代表する場所に、パリ6区に位置するリュクサンブール公園がある。パリ市内では6番目に大きな公園で、約22ヘクタールもの広大な面積を誇る巨大庭園だ。園内は季節の花々や小川、そしてもちろん子どもたちが遊べる小さな遊具などがある。なかでも目を引く存在が、突如あらわれる緑色の椅子だ。この椅子は1923年に公園内に設置されたもので、以降、伝統的な工房によって、公共向けにも一般向けにも生産されている。

注目すべきは、リュクサンブールの椅子がもつ、カーブを主とした美しいデザインだ。誰もが座りやすく、ゆったりとくつろげる形を求め、生産元の工房は試行錯誤を繰り返してきた。
友人と面と向かい合って話すための直角の椅子、あたたかな日の日差しをたっぷり浴びるために上向きに設計した椅子、小さな子どもがおままごとに使えるような椅子…抗UVコーティングにより、屋外に設置してもその魅力を保ち続けるリュクサンブールの椅子は、リュクサンブール公園をはじめ、パリのあらゆる公園に見られる「ごくごく普通の椅子」になっている。
座りたい場所に、椅子が合わせてくれる
この緑の椅子、昨日と今日では置いてある場所が違う。日本のように、椅子と机が一体型になったタイプのものや、地面に固定されたベンチ型のものとは異なり、なんと「自分が座りたい場所に好きに動かしていい椅子」なのだ。

公園を見渡すと、椅子が置いてある場所は統一されておらず、まるで散らかした後の遊び場、休み時間に入った後の教室の椅子のようなありさまだ。ただ、敷地内に散りばめられた椅子にあるのは「ここに座っていた誰か」の軌跡であり、不思議と悪い気持ちはしないのが面白いところでもある。輪になって置かれた椅子たちからは、誰かが楽しくおしゃべりしていた様子が、視界一杯に青空が広がるスポットに、真横に2つ並べられたデッキスタイルの椅子からは、手をつないで語りあうカップルの姿が浮かび上がってくる。

世界に広がるリュクサンブールの椅子
リュクサンブールの椅子の魅力に取りつかれているのは、パリ市民だけではない。オランダのアムステルダム動物園や、アメリカのハーバート大学の屋外スペース、ニューヨークのブルックリンブリッジパークなどに導入されており、パリから世界に座る楽しみを届けているのだ。

置かれた椅子や、決められた位置にある椅子に座るだけでなく、たまには自分が決めた好きな位置に座るのもいいだろう。キャンプ場やピクニックのような非日常でもいいし、いつも座っているオフィスチェアや、キッチンの椅子の配置を変えてみてもいい。椅子の種類は違っても、好きな場所で過ごす贅沢を味わうのに過不足はないはずだ。
決められた場所に決められたものがある、その安心感はもちろん大事だが、たまには「こんなところにこんなものが」という意外性を味わってみたい。それは、住む人の気持ちによって場所が変わるタイニーハウスや、座る人が望むあたたかさ・景色を備えた場所に置きなおすリュクサンブールの椅子にも通ずる視点だ。
参考サイト:
`L’histoire des chaises iconiques du jardin du Luxembourg à Paris`,actuParis,
https://actu.fr/ile-de-france/paris_75056/l-histoire-des-chaises-iconiques-du-jardin-du-luxembourg-a-paris_47232751.html
`La chaise “Luxembourg”, itinéraire de la plus parisienne des assises`,Marie Clair maison
https://www.marieclaire.fr/maison/chaise-luxembourg,1143381.asp
モバイルオフィスアーキテクチャーとスピエジェル・アイハラワークショップは、女性用下着のブランド 「True & Co.」のためのモバイルショップを提供した。ちなみに「True & Co.」は、実店舗を持たない、ウェブのみで展開しているブランドだ。 (さらに…)

日常から離れ非日常へと誘う、泊まれる借景。
2024年1月26日、モバイルハウスを活用した宿泊施設「TENAR(テナール)」から、地元のアウトドア企業GATESと提携した新たな拠点「ALPS LAPS withTENAR」が山梨県南アルプス市に誕生した。
一番の魅力は、富士山と甲府盆地を一望できる眺望。
モバイルハウスを活用した施設としては珍しく、各客室には露天風呂が設置されており、お風呂にゆったりと浸かりながら景観を一望出来る。
これまでにも長野県の白馬村、安曇野市などに拠点を構え、小さな空間の中での上質なアウトドア体験を提供してきたTENARであるが、その魅力は上質さだけではない。施設そのものが環境にやさしく持続可能であるということも、大きな特徴であるという。
「ALPS LAPS withTENAR」とは、どんな施設なのだろうか。
TENARを運営する株式会社CountryWorks代表取締役の岩本淳兵さんを訪ね、この場所の魅力についてお話を伺った。
小さいけれど上質。「ALPS LAPS withTENAR」が提供する非日常の宿泊体験とは?
南アルプス市、アルプスの裾野の果樹園を越えた先の山の中にある「
ALPS LAPS withTENAR」。 広場のような空間の中に寝室棟と露天風呂棟がセットになった2つの小さな客室が佇んでいる。
岩本さん 「お客様にご提供するのは、小さなモバイルハウスと、10a(ten are/テンアール = 1,000㎡)の自然空間です。せっかく自然の中にいるのなら、他のお客様の声が聞こえることなく静寂な時間を過ごして頂きたい。そんな思いで、空間を広く確保しています。
まるで自然を独占しているかのようなプライベート感と、自然の中に溶け込んでいるかのような開放感の両方をお楽しみいただけることがTENARの魅力の1つです。」
そして、岩本さんが手掛けるモバイルハウスの特徴は三角窓。この大きな窓から、夜景や朝焼けなど、時の経過と共に変化し続ける景色を一望することが出来るという。
岩本さん 「TENARのフィールドを作る際、この三角窓でどんな景色を切り取るか、ということを意識して、空間の中で一番美しい景色を切り取れる場所に、モバイルハウスを設置しています。」

cap : 寝室棟:シングルベッドがふたつ並べられた室内。空間そのものは小さいが、2人で過ごすには十分に快適な空間だ。(写真提供:株式会社CountryWorks)

cap: 絶景を見渡しながらゆったりと過ごせる露天風呂。星空を眺めながら、朝日が昇る瞬間に合わせてなど、どんな時に入浴しても異なる味わいがありそうだ。(写真提供:株式会社CountryWorks)
寝室棟の三角窓、露天風呂、屋外のデッキ、焚き火をしながらなど、季節・時間の移り変わりと共に違った表情を見せてくれるこの景色を、様々な角度から楽しめる。

(写真提供:株式会社CountryWorks)

(写真提供:株式会社CountryWorks)
そして、食事は山梨県産の食材をふんだんに使用する甲府市のイタリアンレストラン「山梨レストラン メリメロ(meli-melo)」による「ALPS LAPS withTENAR」専用のディナーコースのケータリングや朝食ボックス。 この場所だからこそ味わえる上質な食事だ。
暮らし方、生き方のアップデートをモバイルハウスと共に。

(写真提供:岩本さん)
岩本さんが、モバイルハウスを活用した宿泊事業にこだわる理由は、その可動性を活かし、ワンシーズンのみでも気軽に運用できる宿泊サービスをつくるため。
そして短期間での運用を重視するようになったきっかけには、学生時代の北海道での農業経験があるという。
岩本さん 「大学の夏休みに学生を集めて北海道の地方に数十人単位で泊まり込み、農家さんのお手伝いをしながら地方の魅力を満喫するという学生サークルを運営していました。その時に実感したのが農家さんの収穫時の人手不足。生活していくうちに、夏に人が集まらない理由は、来た人が快適に住める場所がないからなのではないかという仮説に至りました。

写真提供:岩本さん
特に深く関わっていた、ワインなどで有名な北海道仁木町では、夏の収穫期の6〜10月頃には多くの農家で人手が必要になり、札幌や県外、海外からも人が来るのですが、彼らにとっての快適な住まいを提供することが難しく、人が十分に集まりません。その一方でニセコのように、冬になると観光客やリゾートバイトをしに来る学生が集まるエリアもあるのですが、同様の理由で人手不足や家賃高騰などの課題が存在しています。
季節によって人の需要が変わるなら、人と一緒に家を移動できる仕組みを作れればいいのに。
そんなことを考えていた時に目をつけたのがモバイルハウス。
住居を移動させることの出来る仕組みがあれば、暮らし方や働き方をもっとアップデート出来ると思ったんです。」

岩本さんは 学生時代、北海道でご自身で手掛けたモバイルハウスに住まれたご経験もあるという。(写真提供:岩本さん)
上質だけど、持続可能。モバイルハウスだからこそ実現できる価値。

TENAR 安曇野穂高ビューホテルフィールド(写真提供:株式会社CountryWorks)
そうしてスタートしたモバイルハウスを活用した宿泊施設TENAR。モバイルハウスを活かした宿泊事業の一番の魅力は、他の宿泊施設とは比べ物にならないほど、環境負荷が少ないことなのだそう。
岩本さん 「ホテルって実は環境負荷がすごく高いんです。広い空間を常に暖かい状態に保たなくてはならないし、施設を建てるために山を切り開く必要があります。
しかし、宿泊業は景気やトレンドに左右されやすい業界です。建物を建てたとしても、ブームが去り集客が困難になった観光地には、高額な解体費用を捻出できずに放置され、廃墟になってしまった施設も多く、これでは持続可能な業態とは言えません。
ですがモバイルハウスなら、基礎工事の必要がなくすぐに設置が出来ます。そして別の場所に移動させたら、その土地は何事もなかったように元の状態に戻ります。
また、狭い空間なので一日中室内を温めていても、そこまでたくさんのエネルギーを使用することなく部屋を温めることが出来ることも大きな魅力です。私が実際にニセコでモバイルハウス生活をしていた時は、スト―ブを1カ月付けたままにしたとしても、月の灯油代は5000円ほど。
モバイルハウスを活用すれば、宿泊事業がもっと持続可能なものになるんです。」

TENARのモバイルハウスは、デッキを含め基礎をつくらず設置されている。簡単に設置が出来て、解体工事の必要がないという。(写真提供:株式会社CountryWorks)
狭いことは決して不便なことではなく、とても豊かなこと

(写真提供:株式会社CountryWorks)
日常の中では感じることのない幸せな時間を味わうことの出来る「ALPS LAPS with TENAR」。 必要最低限のもののみを備えた上質な空間は、静寂な環境の中で、本当に美しいものだけに目を向け、これからの暮らし方を改めて見つめるきっかけを与えてくれているようにも思えた。
モバイルハウスの天井高を出来るだけ高くしたり、空間を広くするための工夫をあえて取り入れなかったという岩本さん。
彼が手掛ける「TENAR」には、「空間が狭いことは決して不便なことではなく、とても豊かなことだと知ってもらえたら」というメッセージが込められているのだ。
ミニマルであることの豊かさを探求し続けているYADOKARI。 私たちのメディアやタイニーハウスに関心を持ってくださる方の中には、多くを持たず、最小限であることの豊かさに関心を持ってくださっている方が多いのではないだろうか。
そんな方におすすめしたいのが、岩本さんが手掛ける「ALPS LAPS with TENAR」での滞在。
小さな空間だからこそ実現した環境への負荷が少なさと、それを感じさせないほどの上質で贅沢な宿泊体験を、ぜひご自身の身をもってご体感いただけたら幸いだ。日常から離れ、心身を癒すと共に、あなたにとっての「豊かさ」に気づくきっかけになるかもしれない。
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岩本さんが手掛ける「TENAR」安曇野拠点・南アルプス拠点は、土地の事業者とタイニーハウスの運用をシェアできるYADOKARIの新サービス「LIFESTOCK」にて、オーナー様を募集中。自然豊かな場所に設置され、豊かな暮らしをご堪能いただけるTENARを是非、オーナーとして運用されされてみてはいかがでしょうか?
ALPS LAPS withTENAR (南アルプス):
https://yadokari.net/wp/orchestra/tenaralps/
TENAR 安曇野穂高ビューホテルフィールド:
https://yadokari.net/wp/orchestra/tenarnagano/

また、LIFESTOCKは2024年春にLIFESTOCK 初の拠点を山梨県北杜市小淵沢にオープン。
オープンに向けて、オーナー希望者が優先的に検討を進めることができるウェイティング受付をスタートしています!なお、ウェイティング申し込みをしてくださった方には、小淵沢拠点オープンに向けた詳細や、今後追加されるその他の拠点の最新情報を随時お届けします。ぜひご登録ください!
◾️ウェイティング登録用フォーム:https://info.yadokari.net/form/lifestockwaiting
◾️「LIFESTOCK」特設ページ:https://yadokari.net/wp/orchestra/lifestock/
ここは水車とチューリップの風景が有名な西ヨーロッパの国、オランダ。
roosros architecten(ロースロス・アーキテクテン) の建築家、stefan de vos(ステファン・ドゥ・ヴォ)が建設したプレハブタイプのスモールハウス。
小さなスケールで生きるミニマリズムのプロジェクトからできたこの‘petit place’(小さな場所)は、街や村、平地や水上、山の上でも本当にどこでも建設することができる。コンセプトは‘live wherever you please’ 。日本語に訳すと、「どこでも望んだ場所で生きる」ということになる。
(さらに…)

都心部でのライフスタイルはそのままに、日常の中でもう少し自然を感じることが出来たら。
そう考えていらっしゃる方の暮らしの選択肢に取り入れていただきたいのが、「ログハウス」での暮らしです。
木のあたたかみや香り、時の変化とともに色合いが変化していく姿を室内で楽しむことが出来れば、
たとえ都心に住んでいたとしても、まるで自然の中で暮らしているかのような気分を味わえるのではないでしょうか。
場所・時間・お金に縛られないライフスタイルの実現・提案を目指しているYADOKARI。
今回は、場所の特性に縛られることなく、都市部に住んでいながらも自然とのつながりを感じることの出来る住まい「ログハウス」の魅力についてご紹介します。
※この記事は、YADOKARIにてサービス立ち上げの伴走支援を行った、サブスク型の新・宿泊サービス「Refill」に関するインタビューを通して作成されました。
「Refill」に関する紹介記事はこちら(リンク:https://refill-service.studio.site/interview-1/interview1)
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住み慣れた鎌倉に「HANDS LOG」のログハウスを購入した大坪航さんご一家。休日の過ごし方は、キャンプやサウナ、旅行、トレイルランニングなど、断然アウトドア派です。
「ログハウスを中心に、アウトドアを楽しみたい!」と大坪さん。おうちキャンプ、サウナ、DIYも……!と構想が膨らみます。
今回、大坪さんご一家には、長野県の八ヶ岳山麓「クラスベッソ蓼科」内「HANDS LOG」のモデルハウスにご宿泊いただきました。ログハウスの生活をお試し体験できる、新しいスタイルのリゾート施設です。「HANDS LOG」の印象や、これからのライフスタイルについて、お伺いしました。
◯自然が似合う、ログハウスの魅力
ーーー蓼科の「HANDS LOG」のログハウスにご宿泊いただきありがとうございます!周囲は「東急リゾートタウン蓼科」が擁する深い森。蓼科の森の印象や「HANDS LOG」の印象は、いかがでしょうか?
僕はトレイルランニングが好きなのですが、今は蓼科の森を走りたくて、うずうずしています。コースとしても楽しそうですね。この後、10kmくらい走って……明日も走ろうかな。
「HANDS LOG」は、家全体に天然木を使っているので、やっぱり癒されますよね。特に、僕たち家族は自然の中で過ごすキャンプが好きなので、木の雰囲気がすごく落ち着くんです。
あとはインテリアの雰囲気も、勉強になりますよね。写真を撮って帰って、新居の参考にしたいです。
〈以下、大坪さんより後日談。
インタビュー後は、ログハウスに癒されすぎて、お酒がすすみ走れなかったです(笑)
翌朝は10kmしっかりと走って、たくさんの野生のシカに遭遇しました〉

「東急リゾートタウン蓼科」の森の中で、ログハウス暮らしを試す「HANDS LOG」の施設
ーーー今まで住んでいた鎌倉の地に、新居として「HANDS LOG」のログハウスを購入されました。ライフスタイルをそのままに、ログハウスの生活を叶えられそうですね。
鎌倉は、東京や横浜へアクセスが便利な立地なのに、海や自然があるし、スポーツもできるのが魅力。鎌倉に住むことは、僕たちにとって精神衛生上すごくいいと思いますね。東京で仕事をして帰宅する電車の中でも、鎌倉に近づくうちに心が落ち着いていく気がします。その地でお気に入りの家に住むことができるのは、とっても嬉しいです。
新居の外壁は黒塗りでシック、一見ログハウスっぽくないところが逆に良かったですね。背後に竹林があって、雰囲気が出ていました。一方で、内観はしっかりとした木目が見事、ヒノキの香りもお気に入りです。

大坪さんの新居。背後の竹林と、青い空に映える。
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趣味を通して自然を体感されてきた大坪さん一家の暮らしは、ログハウスの購入を経て、住む場所やライフスタイルを変えることなく、いつでも自然を感じることの出来る暮らしへと変化しました。
そんな大坪さんが考えるログハウスの魅力や、理想の暮らしとは–?
インタビューのつづきはこちら!
ここは南半球の美しい自然があふれるオーストラリア、ニューサウスウェールズ州のニューカッスル。
オーストラリアの面積は7,686,850 kmと日本の約20倍。その広大な面積の割に人口が少なく、総人口約2,413万人と日本の人口の5分の1。人柄もおおらかで、何か全てがゆったりとしている。そんな中で、もちろん家の敷地や造りもゆったりとしたスペースのある家が多い。
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