
今やこのワードで検索されない日はないほど関心を集めている「平屋」「小屋」「タイニーハウス」。インスタでハッシュタグを付ければ数万〜数十万の画像がヒットします。人口が減少し、新築や大きい家へのニーズが減っている今、これらは未来に向けた住まいの現実的な選択肢になりつつあるのでしょうか?
そんな「実際の所」を知りたい国内のビルダーが2018年11月13日、Tinysに集結。平屋・小屋・タイニーハウスをめぐる最新動向と、これらに先駆的に取り組んでいるビルダーの実例をシェアした「平屋・小屋・タイニーハウス ブランディング戦略報告会」の様子をレポートします!

ミニマムな住まいの最新ニーズや市場動向、それらを活用した取り組みの実例を知るため、車輪付きの宿泊施設兼コミュニティスペースである「Tinys Yokohama Hinodecho」に日本各地からビルダーたちが集まった。
住まいニーズの最新動向と「平屋元年」
はじめに、最新の時流と住まい手の価値観、平屋へのニーズについて、窪田国司さん(株式会社COTO UNIT代表取締役 主席クリエイター)に教えていただきました。

窪田国司氏/株式会社COTO UNIT 代表取締役 主席クリエイター。ハウスメーカーや工務店の視点に立って、ミニマムなコンセプトハウス、民泊、移住を視野に地方創生企画住宅、まちづくりをプロデュースしている。
窪田さんによると、今年は投資型民泊のニーズに対応している住宅会社が利益を大きく伸ばしているそうです。
「理由は『都心リスクヘッジ』。ここ数年増えている地震、洪水、台風といった自然災害の影響で、都心部に暮らす人々が『別の地域にも家族の居場所を持つ』必要を感じ始めており、それが投資型民泊も視野に入れたコンパクトな平屋へのニーズという潮流を生んでいるんです」
震災を経た30代の住まいの価値観

1980年代〜2000年初頭に生まれたミレニアル世代は、今までとは異なる新しい住まい方・働き方の価値観を持っており、現在、住宅適齢期を迎えている。
多感な時期に東日本大震災を体験した30代前後の世代は「家族で過ごすこと」を重要視しており、住まいを自分らしいライフスタイル実現の場と考えています。今年はそんな彼らが、21〜27坪くらいの平屋を現実的な住居として望み始めた「平屋元年」だと窪田さんは言います。
「2拠点居住といっても従来の『本宅+別荘』的な考え方ではなく、セキュリティとしての志向。そのため災害地区を避け、新幹線や空港からのアクセスの良い場所・立地が選ばれます。インターネットを使えば出勤せずに仕事ができる今、この志向はむしろ合理的なんですね」
暮らし慣れたマンションが感覚の基準

casa projectが開発を手がけた平屋の規格住宅「casa cago」の室内。
しかし、そこでなぜ「平屋」が好まれるのでしょう? それは都心でのマンション生活を基準に考えてみると容易に納得できます。
「そもそもマンションの部屋のつくりは床がフラットな『平屋』、広さも70㎡(2LDK)あれば十分で、実際に最も多く売れているのがそのサイズ。つまり、彼らが体感でしっくりくる生活の場の構造と規模感が『平屋70㎡』なんです」
最近はマンションでタバコを吸えないケースも多く、「自分の物なのに言うことをきかない家」になっていることも。愛煙家でなくとも、せっかく都心ではない地域に2拠点目を持つなら、自由度の高い一戸建てをと望む気持ちも理解できます。
ゼロ金利時代の終焉

大自然の中にポツンと建つタイニーハウスは、ミレニアル世代にとっての新しい豊かさを具現している。(Via:Airbnb)
一方でお金の話もシビアです。2018年の夏以降、金利が上昇し始め、ゼロ金利時代は終わりを迎えました。今や3000万、4000万といった額の住宅ローンは借りられない、借りたとしても返せない、という状況に変わっています。
「そうなるとやはり『建てられるとしたらコンパクトな平屋じゃない?』になって来るんですよね」
「平屋+α」が人気、共同所有や投資型所有も

地面に近い平屋では外とつながるライフスタイル、アウトドアリビングも人気が高い。「casa cago」外観一部。
窪田さんのお話によると、その平屋においても、いくつかの顕著なトレンドがあるようです。
まず住まいの機能として「平屋+α」であること。小屋裏のあるロフトハウスや、デッキ・庭を居住空間の一部として楽しむアウトドアリビングは特に人気が高く、他にはガレージ付きの平屋やリゾートにあるようなコテージ感覚の平屋も。好まれるインテリアも、一時の西海岸やブルックリンといったやんちゃなテイストではなく、成熟した自然志向であるミッドセンチュリーモダン系へと移っているそうです。
また、所有についての価値観も変わってきていて、独占することよりも仲間とのタイムシェアや共同所有、あるいは民泊などで収入を生みながら必要な時には自分も使うといった投資型所有の方が、少ない負担で大きな豊かさを得られる賢い方法だと考えられています。
ユニット単位で段階的に建築していく

台湾ではミニマルなユニットをつなぎ合わせていく規格住宅「行動木屋」の人気が高まっている。(Via:famwood.com)
そしてもう一つ見逃せないトレンドが、「段階建築」という家の建て方だそうです。
台湾で今、月に100棟近く建設されているのが「行動木屋」というユニット式のミニマムな平屋。リビングやキッチン、ベッドルーム、バスルーム、ワークスペースといった生活の場をユニット状に分け、自分に最も必要な場から段階的に建てていくという考え方の規格住宅です。価格はローンなしでも購入できる手頃なもので、ライフスタイルや家族の人数の変化に応じて建て増ししていくケースが多く、年間で1000棟以上も建築されているとのこと。先が読みにくい時代において、建物全体を付加したり削ったりできる家は、住まい手にとって非常に使い勝手が良さそうですね。
こうした可変性のある住まいからさらに発展して、もはや「不動産を持たなくてもいい。空き地にコンテナハウスを置けば十分、別の場所に移る時にはコンテナごと引っ越せばいい」といった「住み移ること」を前提とした住まいを考える人も増えてきているようです。
小屋フェスから始まった新たな出会い

2015年9月に長野県茅野市で開催した「小屋フェス」では、日本各地のビルダーによる20棟の小屋を展示。これを機に小屋ブームはいっそう加速した。(Via:SuMiKa)
さて、続いて「小屋」の動向について、9日間で14000人の来場者を記録した「小屋フェス」の仕掛け人であるSuMiKaの名取良樹さん(株式会社カヤックLIVING パートナーマーケティングマネージャー)にお話ししていただきました。

名取良樹氏/株式会社カヤックLIVING パートナーマーケティングマネージャー。自分らしい家づくりをしたいユーザーと住宅事業者とのマッチングサービス「SuMiKa」を運営。同サイト内で規格住宅のオンラインマーケット「SMARTMADE」も展開している。
「その人らしい住まい方を実現してほしいので、『SuMiKa』では家づくりのいろんな形を提示しています。建築家と一緒に家をつくることから離脱した人たちの今までの選択肢はハウスメーカーだったわけですが、その間を私たちは提供したいと思っています。そんな中でSNS上でリーチ数が伸びるのは、やはり『小屋』や『平屋』の投稿。なので、『小屋』というキーワードを取りに行ったというのが小屋フェスのもう一つの狙いだったんです」
家づくりのフックはいろいろあっていい

小屋フェスでも展示された天城カントリー工房による小屋「KIBAKO」。平屋と同じく、ロフト付き、デッキでのアウトドアリビングの潮流がここにも見られる。
「家づくりや住宅販売に取り組む中で私たちが感じているのは、住宅を購入するお客さんにとって、何がフックでも良いんじゃないかということです。なので私たちは、小屋をマーケティング商材の一つ、お客さんとの出会いをつくるものと位置づけています。小屋フェスに来た人も、実際小屋を買ったかというと傾向としてはそうではない。でもそこでお客さんが工務店を知り、小屋ではなく他の物を一緒につくったり、後日家の相談に来たりするケースはあります」
ユーザーは小屋に何を求めているのか?

「SuMiKa」内にある「小屋市場」にはさまざまな工務店の小屋が並ぶ。これをきっかけに工務店と知り合い、他の物(家など)を一緒につくっていることが多いという。
では、小屋に惹かれて来る人は、小屋に何を期待しているのでしょうか?
地方と人材のマッチングサービス「SMOUT(スマウト)」も手がける名取さんの見解は次のようなものです。
「地方や地域に目が向いている若者が多くなった今、暮らし方や仕事の仕方が非常に多角化しています。それに伴い、東京の家に住み地方にゴージャスな別荘を持つという従来のスタイルとは違い、東京の住まいもミニマム、もう1つの拠点もミニマム、両方合わせてどういう生活をするか、という価値観が生まれている。だから2拠点目、3拠点目は小屋でいいんじゃないかという発想です。
特に男性なら分かると思いますが、小屋を持ちたいと思う入り口は『小屋の中で何する?』というワクワク感です。しかし現実的にはスペースや予算、建築基準法などの理由で、都心の敷地には建たないことが多い。そういう中で実際に小屋が建つ状況というのは、ある程度絞り込まれるんじゃないかと思います」
小屋を建てている施主の実態
ここで月に5〜6棟の小屋を施工しているという岡山県の植田板金店に、お客さまの実態ついて教えていただきました。

岡山県で板金業を営む株式会社 植田板金店 代表取締役の植田博幸氏。実際に小屋を建てている自社顧客の動機や状況について自らの経験をシェアしていただいた。
「やはり趣味で建てたいと思って小屋を見に来るお客さんのほとんどが、奥さんを説得できないんですよ(笑)若い人だと、趣味のために100万円以上する小屋を買うより車や他の物を買わなくちゃならないし、お金のある50代60代の人だと『2階空いとるやん』と奥さんに言われてしまう(笑)ですから、うちが小屋をやり始めた初期は、ほとんどがネイルサロンなど女性のビジネスのニーズでしたね。店舗の初期投資としては安いですから。でも1年ぐらいやっていたら趣味で建てたいというご夫婦が現れ、今は少しずつそういうお客さんも増えています。需要のない所からコツコツと喚起してそうなってきたという感じです」
「動く家」のムーブメント

Tinys Yokohama Hinodechoもタイヤがついている「可動産」つまり「車」。車両型にすることで場の可能性が広がるケースもある。
「平屋」「小屋」についての状況が分かった所で、YADOKARIのウエスギからは「タイニーハウス」、特に「モバイルハウス」の動向について紹介させていただきました。

ウエスギセイタ/YADOKARI株式会社 共同代表取締役。平屋・小屋・タイニーハウスの最新動向を、世界の事例、異業種の動きも合わせて解説。
「世界では自然災害と金融危機をきっかけに、住まい方や可処分所得の使い方を再編集する動きが同時多発的に始まっています。
アメリカのタイニーハウスムーブメントは、サブプライムローンの破綻によるリーマンショック後に2008年から起こった文化で、タイヤ付きのシャーシで家を引っ張って住宅ローンに縛られない暮らしをしようというミレニアル世代(1980年代〜2000年代初頭に生まれた世代)の動き。これが面白いのは、設計図がインターネットで誰でもダウンロードできるオープンソースになっている点や、それをみんなで作ろうというコミュニティ型のプロセスがあるという点で、住まい方や豊かさを考え直そうという意識がよく表れています」
車を改造して、移動を住処に

スクールバスを家族でDIYしモバイルホームに仕立て直した「スクーリー」。白く輝く車両の中には、一家でくつろげるリビングや水回り、子ども部屋も備えている。(Via:dwell.com)
「この流れでミレニアル世代にもう一つ生まれてきたカルチャーが『Van Life (バンライフ)』。中古の車をリノベーションしてその中で住んだり仕事をしたりするムーブメントで、これが今アメリカではファッション化しています。昔のヒッピー的な意味合いではなく、カジュアルな暮らし方の一つとして行われているんですね。インターネットによってラップトップ一つあればどこでも仕事ができるようになり、場所に縛られない職種が増え始めたことで『移動する暮らし方』や『多拠点居住』も現実のものになってきています」

レトロなワーゲンバスを改造して住まいにしている彼の職業は、契約金2億円のメジャーリーガー。彼にとっての豊かさとは豪邸に住むことではなく、移動しながら海でのサーフィンや森でのキャンプを日常として暮らすこと(Via:Daniel Norris)
不動産から可動産へ
「国内市場でも、実は過去20年間でキャンピングカーが今年いちばん売れています。購入しているのはいわゆるアクティブシニア層(2007年以降に定年を迎えた団塊の世代)で、良い主屋も別荘も持っているんだけど、定年退職した奥様と一緒に温泉のある道の駅を転々とキャンピングカーで回るみたいな時流が出てきていて、しかもそのキャンピングカーの空いている期間を再レンタルする企業が伸びていたりするんですね。
つまりは、不動産がカジュアルになってきている。そういう人が多数派になってきているという意味ではなく、時代と共に豊かさの価値観が変容してきているのを感じていただけたら」
自動運転技術の発展、住宅と車が双方から歩み寄る

2018年9月にボルボ・カーズが発表した自動運転のコンセプトカー「360c」。運転席のない車内には、4つの異なるインテリアが施され、自動運転がもたらす移動するリビングスペースの未来を予期させる。(Via:cardesigntv.com)
「国内の自動車メーカー各社でも、自動運転技術の発展・モビリティ時代の到来を見越して、仕事ができるバンや家とドッキングする車など新しいタイプのモビリティを開発している一方で、設計事務所や大手ディベロッパーなど建築分野の企業も車のリノベーションを手がけ始めています。両方の側から、移動・可働を含んだライフスタイルへのアプローチが進んでいるのが興味深いですね。この先10年くらいで、モビリティと平屋が連動した家づくりのムーブメントが来そうな予感がします」
「地域マルシェ」×「トレーラーハウス」を自社のブランディングに活用

神奈川県茅ヶ崎市の建設会社 松尾建設株式会社の敷地で奇数月の第1土曜に定期開催している「茅ヶ崎ストーリーマルシェ」。回を重ねるごとに出店希望者が増え、地域に賑わいの場を創出している。
さて、報告会の後半は、すでに小屋、平屋、タイニーハウスを活用した取り組みを始めているビルダーの代表に、事例をシェアしていただきました。
神奈川県茅ヶ崎市で、自社の敷地内にトレーラーハウス(キッチン仕様)を設置し、マルシェなどのさまざまなイベントに活用している青木隆一さん(松尾建設株式会社 代表取締役)に、具体的な活動内容とその効果についてお話しいただきました。

青木隆一氏/松尾建設株式会社 代表取締役。「ストーリーのある家づくり」を目指し、注文住宅を主軸とするビルダー。早くからタイニーハウスムーブメントに着目し、トレーラーハウスをコミュニティ作りに活用。
「2013年から会社の駐車場敷地を利用してマルシェを始めたんです。5年やり続けて、参加してくれる店舗は20店を超え、出店希望を多く頂くようになってきました。2018年1月には中古コンテナを改装したトレーラーキッチンを作りました。キッチンがあることでマルシェやイベントのリピーターが増えましたし、いっそう人が集まりやすくなりましたね。みんなで楽しむ良い受け皿になっています。」
YADOKARIともコラボレーションして盛り上げているこの場所を夜も活用しようと、夏には映画上映や、花火、マルシェの常連さんたちとの飲み会も開催。地域に対しては、地元の商店街の飲食店を集めて合同BBQも行いました。お店同士が知り合うことで、お互いに口コミし、お客さんや地域同士の繋がりや循環を生むのが目的です。

冷蔵コンテナを改装しキッチンをつくったことで活動の幅が広がった。「冷蔵庫だから断熱も要らなくて工事は楽だったよ」と青木さん。

日中のマルシェが終わると、夜からは茅ヶ崎の皆さんとまちづくりを考えるイベントも開催。まさに地域のコミュニティハブ、コモンスペースとして賑わいをみせている。
新しい価値観の建築会社として認知される
こうした活動は、会社としてどのような成果につながっているのでしょうか?
「マルシェをやっていると、『あそこでおもしろいことやり始めたよね』と興味を持って見に来てくれる人が増えました。松尾建設を知ってもらえる一つの機会になっています。最近は車の改造の依頼まで受けていて、車検場と往復しながら俺は何屋だ?と思った瞬間もありましたが(笑)、でもこういうことをやっていると新しい価値観を持った建築会社だと認知してもらえます」
地域密着型だからこそ、自社を地域へ開いていく

イベントだけでなく、飲食店を始めたい人のトライアルの場としても活用して行きたいと青木さんは考えている。地域活性・地域貢献にもつながる試みだ。
「今後はトレーラーキッチンを、店舗を出したい人のトライアルの場として貸し出していこうと思っています。自分で飲食業を始めたい人がいたとしても、いきなり店舗を持つのは大変でしょう。その一歩を踏み出せるきっかけになれば。同様にアーティストの活動を支援するライブや、地元飲食店のコラボイベント、施主さんたちを集めてのBBQなど、地域の中の良いイメージの場所にしていきたい。災害時には炊き出しの場としても役に立てるかもしれません」
地域密着型のビルダーのこれからの在り方として、自分たちの会社を地域に開き、コモンスペース、コミュニティ・ハブとしての役割を果たしていくことが鍵になりそうです。
▼ 松尾建設 青木社長の手がける「茅ヶ崎ストーリーマルシェ」特集インタビューはこちら
http://www.matsuo-story.com/report/213/
タイニーハウスのワクワク感が、家づくりにつながる

先代はゼネコンとの仕事を事業の柱にしていた。青木さんが会社を継いでから、注文住宅事業やタイニーハウスを活用した事業を展開。元々の社屋の前に新しく加わった平屋の事務所やマルシェのスペースがその歴史を物語っている。
「マルシェも30回以上やって、それだけを見ると正直持ち出しもあるんですが、めぐりめぐってうちを選んでくれる人がいるのも事実。小屋やタイニーハウスに惹かれてくる人はワクワク感に魅力を感じているんです。そのワクワクを家づくりへ持っていくこともできるんですよね」
厳しくなっていく市場のどこで勝っていくのか。自然素材やデザイン性などいろんな要素はありますが、「ワクワク感」も重要な要素かもしれませんね。
カスタマイズできる平屋がもたらしたもの

CINCAがcasa projectと共に開発した平屋の規格住宅「casa cago」。日本人の空間の体感値の基本になっている6畳を1ユニットとして組み合わせ、自分好みの住まいをつくることができる。
最後は、2017年に誕生した、6畳1ユニットを自由につなげて住まいをつくることができる平屋の規格住宅「casa cago」を、カーサプロジェクト株式会社との協業で手がけた愛知県高浜市のビルダー畠孝二郎さん(株式会社シンカ 代表取締役)に、「平屋」での事業の広がりについて伺いました。

畠孝二郎氏/CINCA 代表取締役。かかわる人の幸せづくりをミッションに、愛知県高浜市で注文住宅や規格住宅を手がけるビルダー。平屋・小屋を切り口に新しい事業展開を開始
「私たちは愛知県で2番目に小さな町で、車で30分圏内をメインに家づくりをしているビルダーです。日頃の仕事のほとんどは地域からの紹介によるもの。そんな中で、このcasa cagoを始めてから私たちの会社に起こった大きな変化と言えば、『平屋を建てたい』というお客さまがものすごく増えたことです。
私たち地域の工務店がこれから生き残っていくためにキーとなるのは、お客さま一人一人の人生観、いわゆるライフスタイルを大事にすることだと思います。私たちが提供するのは家という『モノ』ではなく、お客さまが人生を過ごしていくのにどういう住まい方をしたいかという『コト』。それをお客さまと話す機会が最近とても増えました」
新しい豊かさの価値観を持つ施主と出会うために

平屋を自社のインスタグラムに投稿したところ、ふだんの10倍以上の「いいね!」が寄せられ、畠さんは思わず「事件だ!」と叫んだそう。
「例えばメガ企業に勤めていて年収も非常に高く、1年の3分の1くらい休日があるというお客さまもいますが、彼らがそのお金や時間をどう使うのかというと、過ごしたいライフスタイルを実現するために平屋を求めていたりするんです。
ひと昔前は平屋と言えば年配者の終の住処みたいなイメージでしたが、最近は若い人が口コミやネットから『平屋』というキーワードで驚くほどたくさん来てくれます。坪単価の高い土地柄なので、平屋の場合は、土地から購入して…というよりも、ご両親が持っていた土地に建てることになるケースが実際は多いのですが、問い合わせの数から見ると可能性は非常に感じます」

ル・コルビュジエのカップ・マルタンの休暇小屋を彷彿とさせるミニマムなデザインは、飽きることなく長く愛用できそう。規格化されていることで良質な資材を使った家をリーズナブルに手に入れられるのも施主には大きなメリット。
平屋+外構のニーズも多い
「来年は自社の駐車場として確保していた200坪の土地に、平屋+外構のモデルハウスをつくろうと計画しています。平屋はプラス庭のニーズが多いんですよ」と畠さん。
平屋独特の地面との近さから、庭と一続きになったアウトドアリビングや自然に包まれる暮らしへの志向が加わるのもうなずけます。
「casa cago」はcasa projectの提携工務店でも取り扱える規格住宅です。実物は愛知県蒲郡市にある泊まれる住宅展示場「SHARES ラグーナ蒲郡」で宿泊して体感することもできます。
▼「casa cago」公式サイトはこちら
https://www.casacago.com/
▼ 展示施設「SHARES ラグーナ蒲郡」の詳細はこちら
https://www.shares-gamagori.com/

広々とした敷地に建つコンパクトな平屋は、リゾートに暮らすようなのびやかな暮らしをもたらしてくれそうだ。
報告会参加者の声
「平屋」「小屋」「タイニーハウス」ムーブメントの背景にあるお客さまの豊かさの価値観の変容、そして実際に自社の魅力づくり・顧客づくりの戦略としてこれらを取り入れているビルダーの成果を知ることができたこの報告会。参加者の方々に会場で感想を聞いてみました。

熊本の住宅会社で広報を務める女性も参加。「自社でも小屋商品を展開しており、参考になるお話がたくさん聞けました」とのこと。
横浜の設計事務所から参加した女性は、
「大きい家が好まれなくなって来ているのを感じ、お客さんはどこへ行っているんだ?というのを知りたくて参加しました。最近のお客さんのニーズが知れて良かったです。ここから設計事務所としてどうしていくかを考えたい」
栃木県で地域密着型の工務店を営む経営者の男性は、
「日本の社会が縮小していく中で、若い世代が家を持とうと思わなくなって来ています。地域の過疎化も進む中で、何か人を呼べるものがほしいと参加しました。Tinysのような動産を使った宿泊施設は魅力的。ぜひ知見やノウハウを今後も勉強していきたい」
熊本が本社の住宅会社の女性は、
「今までは2000万円代くらいの新築を建てるお客様が多かったのですが、時代は変化しています。自社にも小屋商品があるので、今日の戦略を参考に、違うニーズを捕まえたい」

報告会の後は全国から集まったビルダーさんたちが一緒にテーブルを囲んでBBQ。リアルな情報交換ができ、互いに刺激し合える貴重な機会となった。
それぞれ地域は違っても、家づくりでお客さまに喜んでもらいたいという気持ちは参加したビルダーの誰もが同じ。反対に家を購入する側も、住まいの価値観を齟齬なく理解し、自分らしいライフスタイルを実現してくれるビルダーを心から求めているはずです。「平屋」「小屋」「タイニーハウス」の存在が、その幸せな出会いの一角になれば良いですね。
ブランディング戦略報告会の後は、Tinys恒例のBBQにみんなで舌鼓を打ち、寒さに負けないホットな夜は幕を閉じました。
関連企業
カーサ・プロジェクト株式会社
https://www.casa-p.com/
casa cago
https://www.casacago.com/
松尾建設株式会社
https://www.matsuokensetsu.co.jp/
CINCA
http://www.cinca.co.jp/
株式会社植田板金店
http://uedabk.jp/
株式会社カヤックLiving
https://www.kayac-living.com/
YADOKARI株式会社
https://yadokari.net/wp/
企業の戦略には、「デザイン思考」や「アート思考」が重要だと指摘されている昨今ですが、果たしてクリエイティブなセンスって一朝一夕に習得できるものなんでしょうか?ニューヨークを本拠に、コワーキングスペースをグローバルに提供するWeWorkは、幼少時の教育のあり方に注目。起業家マインドを育てる新しいスクール「WeGrow」を、マンハッタン・チェルシー地区の本社近くにオープンさせました。
(さらに…)
ここはイタリアの北東、Malborghetto Valbruna (マルボールゲット・バルブーナ)地方。アルプス山脈の中のJulian Alps (ジュリアン・アルプス)という部分から、1,250メートル上がった地点の間にあるUgovizza (ウゴビッツァ)というオーストリアの国境沿いにある長閑で小さな村。
この村に、Architetto Beltrame Claudio(アーキテット・ベルトレイム・クラウディオ)という建築会社の、DomusGaia (ドムス・ガイア)によって建設された持続可能なエコB&Bがある。
(さらに…)
海抜が低いため、「低い土地の国」と言われているオランダ。運河や風車がよく整備された美しい景観で「水と風車の国」というイメージが強いが、今回のスモールハウスは、そんなイメージとは少し違ったオランダの森の深くにひっそりと佇んでいる。
Woonpioniers (ウーン・パイオニア)という建築会社のDaniel Venneman (ダニエル・ベネマン)という人物が中心となって建築した、このスモールハウスIndigo Atelierwoning (インディゴ・アトリエワーキング)は、論理的に製品を作っていくオランダらしいアイデアが詰まっている。
(さらに…)

イラスト:千代田彩華
小屋を媒介にして、仲間やコミュニティができる事例を探してみた。
「つかう」「つくる」「あつまる」。いろいろなシーンが見えてきた。
小屋をみんなで「つかう」
仲間やコミュニティは、何かを共有することで生まれ、関係が深まる。
小屋ならば、一番シンプルなのは小屋そのものを共有することだ。
共同で手に入れて、みんなで楽しめば、仲間との思い出が増えていく。
地域のみんなが活用する「コミュニティスペース」という発想もある。
人が立ち寄って日常を共有する、カフェのような役割を果たしたり、
子どもたちが集まって遊ぶ公園代わりになったりするだろう。
協力して「つくる」
小屋を「つかう」のではなく、みんなで「つくる」のも良い。
それなりに大きなものを作るから、協力して進める作業が多いのだ。

みんなで協力してDIY
デザインやDIY技術、現場の仕切りなど、いろんな人の”得意なこと”が活きる。
熟練者が、興味のある人に技術を伝授する場面なんかもあるだろう。

子どもにも仕事が
こうして一つの「小屋」を完成させ、思い出や達成感をともにする。
2018年の夏、10人以上が集まった1週間の泊まり込みのワークショップで、モバイルハウスをつくって手に入れた松永さんが、次のように話してくれた。
「一人でつくるのは、技術的にも精神的にも難しかったと思います。みんなで楽しくやるのが、完成させる一番のコツだったんじゃないかな」

制作途中に記念写真。中央から黒い手袋で手を振っているのが松永さん。このモバイルハウスで、仲間を訪ねる旅に出るという(龍本さん提供)
小屋をつくることで仲間ができ、仲間がいるから小屋もできるのだ。
極論すれば、必ずしも小屋でなくても良いだろうけれど。
モノ自体ではなく、そのプロセスである「つくる」を共有する。
みんなでDIYをするのに、小屋はちょうどよい規模感だ。
小屋同士が時間や思い出を共有する「あつまる」
小屋は小さいから、「あつまる」ことにも向いている。
小さな家で暮らす人たちは、価値観が通ずる部分もあるだろう。
屋外スペースを共有して暮らせば、けっこう距離が近い”ご近所さん”になる。
移動可能な小屋であれば、日時を決めてどこかに集まるのも楽しい。

30台以上のモバイルハウスが大集合した「キャンパーフェス2018in安曇野」
実践者同士だからこそ、語り合えることもあるだろう。

モバイルハウスの工夫をお互いに紹介して情報交換
都市の”部活動”としての小屋
何かを共有して、仲間を増やしたり、つながりを深めたりする。
そんな”部活動”のような機会が、都市に求められているのかもしれない。
小屋を「つかう」時間、
小屋を「つくる」体験、
小屋で「あつまる」空間。
小屋は、いろいろなシーンを誰かと共有するのに絶妙なスケール感だ。
(了)
| 【都市科学メモ】 |
小屋の魅力
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仲間やコミュニティをつくるツールになる |
生きる特性
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共有しやすさ、適度なDIY難度、機動力、価値観が似た人を集める力 |
結果(得られるもの)
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仲間・コミュニティ、思い出や時間の共有、協力体験、小屋を完成させる活力 |
手段、方法、プロセスなど
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ひとつの小屋を共同でつかう
すでにある仲間やコミュニティで小屋を手に入れれば、そこで過ごす時間を共有できるようになる。 |
イベントに参加する
「つくる」仲間を気軽に探したい人向け。小屋が自分のモノにならないかもしれないが、ネットワーク、思い出、充足感は得やすい。経験豊富な人から知恵を得られる可能性も。SNSなどを通じてイベントを探すのも有効。いきなり「つくる」イベントではなく、まずは小屋をテーマに交流するような場に出かけても良い。下記は具体例
YADOKARI小屋部
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複数の小屋が集まる
自分の小屋がある前提。タイニーハウスビレッジのような場所に住んだり、モバイルハウスでイベントに参加したりする。小屋を持つ者同士、価値観に通ずるところがあるはず。小さい小屋だからこそ、広くないスペースにたくさん集まれるし、専有するものが少ないからこそ、シェアや助け合いが生まれやすい。 |
| 【Theory and Feeling(研究後記)】 |
| 前回記事のここで書いた「旅する星空案内小屋」みたいなの、どこかでみんなでつくってしまうという方法があるなぁ、と書きながら妄想が膨らんできたりしました。
その勢いで11月上旬、「キャンパーフェス2018in安曇野」にお邪魔して情報を集めてきたわけですが、その話はまたどこかで。(たに) |
「都市を科学する」の「小屋編」は、横浜市の建築設計事務所「オンデザイン」内で都市を科学する「アーバン・サイエンス・ラボ」と、「住」の視点から新たな豊かさを考え、実践し、発信するメディア「YADOKARI」の共同企画です。下記の4人で調査、研究、連載いたします。

人口750人の小さな村が「タイニーハウスの村」として国内外から注目を集めています。そんなきっかけとなったタイニーハウスデザインコンテスト開催も今年で3回目。
応募者不問、未来の住まい方を一緒に創り、地域課題の解決に寄り添いませんか?今年もたくさんのご応募お待ちしています!
応募者不問!「タイニーハウス デザインコンテスト2019 小菅村×YADOKARI」開催!
日本初「タイニーハウス デザインコンテスト2019 小菅村×YADOKARI」開催!(応募登録2019/2/28 作品提出3/31 まで)
⇒ http://kosuge.yadokari.net/
小菅村×YADOKARIで、第3回目となる「タイニーハウスデザインコンテスト」を開催します!官民協働で行われるこのコンテストの素晴らしいところは、受賞作品が実際に建設され、村の試住・移住の拠点となり、さらに販売も行っていくという実践活用に重きを置いているところ。絵に描いた餅では終わりません。
受賞作品が実際に村に建設され、村の課題解決に向けた活用を行う
第1、2回(2017、18年)は累計応募も世界中から450組を超え、優秀作品に選ばれた6作品が実際に小菅村に建設されることとなりました、今回も優秀作品が実際に建設・販売・活用される予定です!
【第2回:2018年】タイニーハウスデザインコンテスト審査会のレポート(クリックで記事にジャンプ)
【第1回:2017年】タイニーハウスデザインコンテスト授賞式をレポート(クリックで記事にジャンプ)

未来の住まい方を一緒に創り、地域課題の解決に寄り添いませんか?
タイニーハウスや小さな暮らしのムーブメントは、自然災害や金融危機が大きなキッカケとなり日本だけではなく、欧米・欧州・北欧などの先進国を中心に同時多発的に始まっています。
またこれらの動きは、消費文化へのカウンターとしても機能し、人間関係、物との距離、働き方、産業サービス、経済システム、コミュニティのあり方など、あらゆることを再編集するきっかけになることでしょう。
このコンテストを通して「本当の豊かさとは?」を皆で考え、議論し、未来の豊かな暮らしの選択肢を一緒に創っていきましょう。たくさんのご応募をお待ちしております!
コンテストの詳細・応募申込はこちら
⇒ http://kosuge.yadokari.net/


建築の業界で近年注目されている「デジタル・ファブリケーション」。コンピューターで数値制御されたデジタル工作機械を使うことで、生産者とユーザーがダイレクトにつながり、多くの人の手を介さずにアイデアをかたちにできる技術です。
小さな住まいを提案するYADOKARIは、この新しい技術を家づくりに応用したいと、常々考えていました。
今回インタビューした建築家の秋吉浩気さんは、デジタル・ファブリケーションの伝道師として活躍している先駆者。その秋吉さんが家づくりのプロジェクトをかたちにしつつあるといいます。
後編では、デジタル・ファブリケーションと家づくりについてうかがっていきます(前編をご覧になりたい方はこちら)。
▼ 記事本編はこちら
https://house.muji.com/life/clmn/small-life/small_181127/
広大な国土面積を誇るカナダ。雄大で豊かな自然に恵まれ多くの森林を有している。美しい紅葉の時期が過ぎると、吹雪が舞い、極寒の厳しい冬を迎える。
(さらに…)
家族や自分の時間を大切にする働き方を選びたい。コンピューターとネットワークテクノロジーの進歩により、通勤のための時間やストレスを省けるリモートワークがグローバルに広がっています。イギリスやオーストラリアでは、自宅の裏庭に手軽に設置できるバックヤードルームやガーデンスタジオの需要が拡大中。プレハブ建築で費用を抑え、基礎を必要としないインストールの簡単さが人気の秘密のようです。
オーストラリアのメルボルンに本拠を置くArchiBloxは、サステナブルなプレファブ式タイニーハウスのデザインで世界的に高い評価を得ています。モダンでカスタマイズ性に優れたデザインと、フレキシブルなモジュラー構造システムにより、設計・建築・設置の期間を大幅に短縮しているのが特徴。住宅維持に必要な量を上回るエネルギーを生み出す、世界初のカーボン・ポジティブ・プレハブハウスで、2015年にはサステナビリティ・アワードを受賞しています。
ArchiBloxのバックヤードルームは、ユーザーによるカスタマイズを前提としたミニマルなパッケージになっています。「バックヤードルームは、個人の使いみちや個性を反映したユニークなデザインになるべき」という考えが基本にあり、ユーザーのイマジネーションを限定するようなプランは提供されていません。高品質なサステナブルな素材のモジュールデザインを生かして、インテリアのレイアウトやエクステリアの仕様など、個人のあらゆる要望に応える建築が最大の特徴と言えます。
エントランス部分にL字のウィンドウとガラス張りドアのレイアウトを採用すれば、明るい採光と開放性を確保することができます。ワークスペースをコーナーに置くことで、ディスプレイの反射を抑えて作業に集中することができるのが魅力です。
アウトドアデッキを追加すれば、仕事の小休止にピッタリなスペースです。
中2階を追加してベッドルームを設置すれば、ゲストルームや宿泊施設としても利用できます。天窓もほしいかも。
フロアとブックシェルフのブラックと無垢材の組み合わせが、インテリアに落ち着きを与えています。カスタム家具のデザインの品質も素晴らしい。
環境に配慮してプレハブ製作されたガーデンスタジオは、6週間で設計・製作を行ってデリバーされ、5日以内に設置が可能です。ホームオフィス、ヨガスタジオ、リトリート、隠れ家といった幅広い用途に使える柔軟性があります。
持続可能性を念頭に置いて設計され、プレファブリケーションとモジュラー建築を用いて、コストパフォーマンスと時間効率性に優れたArchiBloxのプロダクトは、消費者の共感を得るアプローチと言えるでしょう。ほとんどのコンポーネントはプレファブで作られてから一体化するため、材料のロスは最小限に抑えられ、ビルド時間も大幅に短縮できます。基本プランは建築許可を必要しない床面積に収められているので、オーダーからインストールまでの手間もかかりません。
オーストラリアのプレハブ・アウトドアルームと言えば、ガーデンスタジオを専門に手がけるInoutsideが、低価格と豊富なプランから高い人気を得ています。
Inoutsideのユーザーは、おもにアウトドアのワークスペースとしてバックヤードルームを使用している例が多いようです。2重窓で防音性が高いことから、ミュージシャンや映像エディターなどのクリエイティブな職種の人が、自宅の作業部屋として使っているなど。DIYキットで自分でアッセンブリーすれば、かなり安く費用を抑えられるのも魅力です。
イギリスのガーデンスタジオと比較すると、オーストラリアのバックヤードルームのエクステリアとインテリアは、シンプルなデザインになっている印象を受けます。中身を自分でカスタマイズすることに重点を置いているのかもしれません。そもそもバックヤードのある住環境そのものがうらやましい限りですが。
Via:
detailcollective.com
inoutside.com.au
blessthisstuff.com
yadokari.net
(提供:#casa)

タイニーハウスのデザインを、ペットの住まいに応用したらどうなるでしょう?人の快適さと、小さな毛むくじゃらの家族の感じる心地よさは同じでしょうか?サステナブルなペットの住居という「ドギー・ドリームハウス」。ソーラーパワーやハイテクを使った、くつろぎの犬の住まいということです。
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西カナダの冬山の気候はとても厳しい。通常のキャビンや屋根の形状では、豪雪時の積雪には耐えられませんでした。アシンメトリーで高く鋭角的にそびえる「Cobby」の印象的なルーフシェイプが、これを解決しました。極寒の時期でも、グランピングに快適な宿泊を提供できるようにデザインされ、ミニマルなインテリアながらも、信頼性に重点をおいて開発された全天候型キャビンです。
2016年に設立されたリトル・キャビン・カンパニーは、西カナダのブリティッシュ・コロンビア州ファーニーに拠点を置くスタートアップ。ラグジュアリーなキャンプ体験ができるグランピングの成長マーケットをおもなターゲットにしています。Cobbyはあらゆるシーズンや気候において、快適な居住ができるように設計された同社のフラッグシップ・モデルのキャビンです。
Cobby(ニューファンドランド島の言語で “小さな家” という意味)の特徴は、非常に優れた断熱性と耐積雪性に加え、基礎となる土台を必要とせず数時間で設置できる手軽さにあります。また、ベースデザインをもとに、個人の要求にしたがって柔軟にカスタマイズできる点も大きな魅力。アウトドアのデッキやバスルームなどを用途に応じて追加することができて、オフィススペースやゲストハウス、ヨガスタジオなどに幅広く活用可能です。
エクステリアでまず目を引くのは、アンバランスな非対称ルーフライン。片側がAフレーム構造のようにシャープに切り落とされた高い屋根は、内部のタイニースペースに対して余裕を感じさせる効果があります。雪が過剰に積もらないような構造設計と、リビングスペースを確保するための絶妙なバランスから生み出されたデザインです。
ファサードに注目してみましょう。エントランスの長方形のガラスドアのまわりに、2つの三角形の窓が目一杯に配置されて十分な採光に配慮しています。バウハウスの平面構成アートのような、ミニマルで印象深いファサードとなっています。フロントにはひさしで覆われた小さなデッキエリアがあり、外部電源ソケットが備えられています。
Cobbyの外寸は3.7メートル x 3.4メートルで、床面積を104平方フィート(9.7平方メートル)におさめて、カナダの建築許可必要基準の107平方フィート(10平方メートル)未満になるように設定されています。つまり購入すれば、建築許可申請なしに即設置ができるということ。また、品質、耐久性、機能性のすべての面で、州とカナダ建築基準の両方の要件を満たした建築になっているので、品質面でも安心。
オプションのアウトドアデッキでスペースを拡張させると、キャビンのルーフの影が外に伸びているかのようなデザインになります。なかなか心憎い演出です。
省電力LEDがパッケージに含まれており、壁の中の完全配線により、すぐに電力網に接続でき、オプションのソーラー発電システムを追加すればオフグリット化も可能。リサイクルファイバーを充填させて断熱処理を徹底して行っているので、冬季でも最小限の暖房熱ですむ構造になっています。
キャビンの建設資材は、外壁のサイディングに使われている持続可能なスギ材や、インテリアの光沢ラミネートされたバーチ材を含め、すべて地元カナダ産のものが使用されています。
全天候型のデザインは、マイナス30℃の氷点下で数週間に渡ってテストされ、雨・雪・ヒョウや厳しい夏の暑さなど、西カナダの山で経験するあらゆる気候条件に耐えられるかを厳しくチェックされています。
Cobbyは完全に組み立てられた状態で配送され、基礎を必要としないので2〜4時間ほどで設置が完了します。
Cobbyの価格は、約2万5,000カナダドル〜(約213万円, 1CAD=85円)。安全性、保温性、エネルギー効率に優れた全天候型タイニーハウスは、メンテナンス費用や燃料費を考えるとお買い得かも。将来、カナダや北米のグランピング施設に設置されているシーンを目にする機会があるかもしれません。
Via:
thelittlecabincompany.com
inhabitat.com
treehugger.com
(提供:#casa)


リノベーションプロジェクト・デザインイメージ
※リノベーション後のCGはイメージです。現場での調整等により変更になる場合があります。
タイニーハウスのムーブメントが起こる半世紀も前から大都会の真ん中で圧倒的な存在感を放つ、いわばレジェンド・オブ・タイニーハウスがあります。
それが「中銀カプセルタワービル」です。
メタボリズム建築の代表

外観
ランダムな積み木のような立方体の居室が重なり、そのカプセル一つ一つに印象的な丸い窓。宇宙船のような、ドラム式洗濯機のような、なんともユーモラスな外観。この中銀カプセルタワービルは日本を代表する建築家・黒川紀章氏によって設計された集合住宅です。タワー全体で140コの「カプセル」が、建物全体を支える構造と設備や動線シャフトとなっている「タワー」にくっついています。

中銀カプセルタワービル外観2
1972年、まだ卓上電卓が普及するかしないかの時代に、この斬新な思想の建築は生まれました。当時、メタボリズム(新陳代謝)と名付けられた建築運動・思想は、東洋からの前衛的な考え方として、海外で高く評価されました。今でもこの建物の前では、毎日たくさんの外国人旅行者がこのカプセルタワーを撮影している、大人気スポットになっています。都市が新陳代謝する。多様性のある暮らし、働き方、そして住まい方を、46年も前に提案し実現した名作建築です。
カプセルの中はどうなっている?

現存するカプセル内の設備
一つのカプセルは、幅2.5m×奥行き4.0m×高さ2.5m(約5.5畳)の大きさ。
この最小限とも言うべき居住空間には、もともと備え付けのベッドや家具、電話やテレビ、オープンリールデッキ、そしてユニットバストイレが、まさに宇宙船のようにデザインされていました。今でも十分に未来を感じさせるデザイン。二拠点居住とか、タイニーハウスとか、モバイルハウスとか、スケルトンインフィルとか。現代に生まれた新しい住まいや暮らし方を、すでに46年前にデザインした名作建築ですね。いや、まだまだ私たちは、中銀カプセルタワーに追いついていないかもしれません。
ビル存続の危機?!

水漏れなどの老朽化によりこれまで何度となく保存か解体かと議論が繰り返されてきた、中銀カプセルタワービル。築46年、一般的でないプラン、銀座8丁目という立地などから、解体→更地→売却という目論見が進むのも当然の流れなのでしょう。中銀カプセルタワービルは解体の危機に瀕していますが、保存再生を望まれている方も国内外に多数いらっしゃいます。
ウクライナから来た救世主、テンシャン

1991年生まれ。2012年ウクライナオデッサ大学建築学部卒業、2014年同大学都市デザイン学部卒業。2017年までオデッサにある建築設計事務所勤務で実務を学ぶ。以前から興味のあったカプセルタワービルを研究するため、2017年9月より東京工業大学に留学中。2017年冬から、カプセルに居住中。
このカプセルを空き家再生クラウドファンディングサイト「ハロー!RENOVATION」の物件として掲載したところ、来日間もないウクライナ人の建築家、ヴォロディミール・デレズニチェンコ氏(愛称:テンシャン)がどうしてもこのプロジェクトを担当したいと手をあげてくださいました。現在、東京工業大学に留学をしていますが、留学の目的がカプセルタワーの研究というカプセルの申し子。テンシャンの故郷ウクライナやロシアでも、メタボリズム建築は存在しており、発祥の地でもあり提唱者の一人である黒川紀章の建築に魅せられているんです。そして、テンシャンはすでにカプセルに住んでいます。

テンシャンの現在暮らしているカプセル
彼は毎日のように自分のカプセルとこのプロジェクトのカプセルを往復して、デザインを検討しました。
これは住みたい!完成予定のカプセルデザイン

丸窓が居場所になるデザイン
※リノベーション後のCGはイメージです。現場での調整等により変更になる場合があります。
スケルトン部分をリノベーションした上で、インフィルには三つのコンセプトを立てています。
一つ目は、都市とのコミュニケーションとしての丸窓に、居場所をつくること。北鎌倉明月院の丸窓から発想を得ています。丸窓にソファーとなる家具をつくり、カプセルに包まれたような感覚で過ごすことのできるデザイン。
二つ目は、オリジナルデザインであった造り付け家具を、現代のデバイスに置き換えてコンパクトにすること。固定電話やラジオ、デッキ、エアコンなどが美しい家具の中に納まっていたが、現在はスマホひとつで対応できるようになっています。これによって省スペースとすることができるので、家具もコンパクトに設計していきます。

収納
三つ目は、ウクライナのアイデンティティを表現すること。ヴィシバンカというウクライナの繊細な織物を壁の仕上げとします。
原設計で大切にされていた、快適な最小限の居場所というコンセプトは変わらないものの、時代や暮らしに応じたインフィルに入れ替えていく考え方です。将来、新しいカプセルを設計していく中では、インフィルの取り替えが容易かどうかは、ポイントになっていくことでしょう。
この物件にあなたも住めるかもしれない

マンスリーカプセル
リノベーションされたカプセルも、多くの方にカプセル体験をしていただく仕掛けとなることがコンセプト。これまでにない「マンスリーカプセル」として賃貸運用します。最短1ヶ月単位で借りることができるので、一回カプセルで暮らしてみたかった!方はもちろん、都心への長めの出張や、プロジェクトのアイデアを集中して考えるサードプレイス、執筆家の書斎、写真家のスタジオ、友人とのシェアスペース、そして長期間の旅行を楽しむ外国人のための拠点など、使い方は様々。丸窓を通してコミュニケーションする東京の風景と、10平米という茶室のような空間が、クリエイティブな発想と、新しい体験を生み出します。
家賃は9万円〜12万円程度を想定。これには光熱費を含み、一定の家具を準備する事業計画なので、トランク一つで暮らし始めることができます。「中銀カプセルタワービル保存再生プロジェクト」には、カプセルバンクというカプセルを買いたい、借りたい方などの登録者が、すでに約75名もいらっしゃるんです。人気がわかりますね。
クラウドファンディングで保存再生運動に参加可能!11月30日まで。

▼ 詳細はこちら(上部画像クリックでも飛べます)
https://hello-renovation.jp/renovations/1400#nakaginInfo
このマンスリーカプセルのアイデアは、空き家再生クラウドファンディングサイト「ハロー!RENOVATION」でクラウドファンディングプロジェクトとして公開されています。目標募集額は3,500,000円で、一口金額は5万円です。本ファンドにご出資いただいた皆さんには、定期的な事業の運営実績の情報開示をしていく計画です。これにより、稼働状況や、維持運営費用などの具体的な情報を得られるほか、利用者のニーズやプロモーション検証など、事業者と同じ視点で事業に参画いただくことができます。リターンは施設の稼働実績に応じて変動します。つまり、本ファンドにご出資いただいた皆さんが施設運営に関わり、利用者の皆さんと一緒に魅力的で持続可能なマンスリーカプセルを創っていくことができれば、リターンが増える(※)ことも考えられます。
一般的には、結果としての稼働実績に応じたリターンとなりますが、前述の通り、本ファンドについては、事業運営に参画いただくことができます。本事業をジブンゴト化していただくための、ひとつの仕掛けとして捉えてください。
※事業の状況により、償還される出資金は元本を割る可能性があります。
気になる人は、ぜひ一度空き家再生クラウドファンディングサイト「ハロー!RENOVATION」をのぞいてみてください。
https://hello-renovation.jp/renovations/1400#nakaginInfo
不動産特定共同事業者商号又は名称
株式会社エンジョイワークス
登録番号:神奈川県知事(1)第1号