お知らせ
2025.01.23
西海市のヒノキを贅沢に使い、西海市ならではのタイニーハウスデザインを募集する「さいかいタイニーハウスデザインコンテスト2024」。およそ7月から10月の募集期間を経て、11月下旬に西海市にてコンテストの受賞作品を決める審査会が開催されました。
第2回となる今回も力作がたくさん寄せられました。昨年に引き続いてご応募いただいた方もおられ、様々な年代や地域の方から応募がありました。なかでも学生や海外からの作品の割合が増え、バラエティーに富んだ個性あふれる作品が集まりました。
今年は新たな賞の設定もあり、それぞれの賞にふさわしい作品を選ぶため、審査員が熱く議論を交わして選考し、受賞作品を決定しました。その様子をレポートいたします。
初冬でありながら、どこか暖かみが感じられた11月の末の頃、西海市大瀬戸町にある公共施設の一室にて審査会が行われました。
杉澤西海市長より開会のご挨拶をいただき、審査会が始まりました。
杉澤西海市長は「西海市は自然環境を重視し、カーボンニュートラルなど取組を続けている。西海市の森林資源を活かしてつくる「さいかいタイニーハウスデザインコンテスト」に今年も作品が集まったのはとても嬉しく、コンテストを通して西海市の認知が広がっていると感じる。応募作品は優れたものばかりなので選考は大変になりそうだが、頑張っていきましょう」とお話いただきました。
つぎに、宮原審査委員長により、審査の流れについてご説明いただき、「今年は応募者に届けられる賞の種類が増えている。審査にてしっかり選びましょう。」とお声がけいただきました。
今回は、西海市を訪れた人に楽しんでもらうためのタイニーハウスのデザインを考える、“さいかいかんこう“がテーマ。応募要項にタイニーハウスを設置する敷地イメージとして西海市の特徴をよく表す「山のサイト」と「海のサイト」のイメージ画像が加わり、タイニーハウスが置かれる環境の想定を深めることも可能となりました。
さらに新たな試みとして、提出物に「デザイン」のみでなく「妄想滞在記」を設定。訪れる人の目線で、タイニーハウスを利用した西海市での過ごし方を日記の形式で文章に綴り、作品の利用シーンや世界観を表現いただきました。
今年の賞は以下6種、9作品です。
・最優秀賞 1点
・奨励賞 1点
・学生賞 1点
・妄想滞在記賞 1点
・タイニーハウス西海モデル開発研究会賞 1点
・YADOKARI賞 1点
・佳作賞 3点
審査はこのような流れで行われました。
・一次審査:審査委員が事前に選出した推薦作品を発表
・二次審査:推薦作品を互いに評価しながら作品を絞り込む
・最終審査:更なるディスカッションを通して入賞作品を決定
一次審査にて、審査委員が事前に選んだ推薦作品を発表し、それぞれの専門領域や活動から全体講評と推薦作品についてご説明いただきました。こちらには審査員のプロフィールとともに全体講評をご紹介いたします。
●審査委員長
長崎総合科学大学 名誉教授 宮原 和明さん
長崎総合科学大学の建築学科名誉教授として西海市および県内のさまざまな取組に奔走していらっしゃるなか、今回も作品の審査委員長を務めていただきました。
「今年もたくさんの良い作品があつまった。妄想滞在記の設定も加わって企画がユニークなものが増えた。募集期間に夏休みも入り、学生の応募が増えたが、実力のある作品も多く喜ばしいと思った。特長の秀でた作品を数多く見て、頭を悩まされた。」といただきました。また、選考では「訪れた人に、西海市に滞在した経験を、どう次につないでもらうかも大切だ。タイニーハウスを通じて西海市の観光の新しいスタイルをつくっていきたい」とお話しいただきました。
●審査員
長崎県建築士会 女性委員会 元委員長 三好 智子さん
長崎市にて女性の建築士として長く活躍されている三好さんは、地域に建てる建築を数多く手掛けてこられたことから、使いやすさや過ごしやすさを重視して見ていただきました。「全体的に作品の質が高かった。また、学生の応募が増えていたが、学生らしいアイディアもたくさん見ることができた。西海市は土地が広くて、ゆったりとした風土、そして豊かなヒノキが特長である。こうした環境をどう利用しているかを気にかけた。」とお話しいただきました。
西海市のタイニーハウス西海モデル開発研究会 会長 谷川 信平さん
谷川さんは西海市にて建築会社を経営されており、タイニーハウスのモデル開発や空き家の活用など、地域の住まいづくりに取り組んでおられます。コンテストではタイニーハウスを建設する観点でのアドバイスを多くいただきました。「今年も実力がある作品が集まっている。ヒノキの活用を細かいところまでしっかり考えられた作品など、自分では思いつかないと感じるアイディアもあった。そのまま建てるには少し難しい点があっても、アイディアが素晴らしい作品が多かった」といただきました。
YADOKARI株式会社 共同代表 上杉勢太さん
トレーラーハウスなど可動産を活用した新しい暮らしや、地域コミュニティのあり方を提案し、全国各地にて活動しているYADOKARI株式会社の上杉 勢太さんは「タイニーハウスを建てた後も西海市を訪れる人を交えてどう地域との関係を持たせるかを重視した。また、今回学生作品が多いが、日頃よりZ世代は他人との交流を多く希望するわけではないと感じている。そうしたことが作品にも表れていると感じたが、それをどのように西海市の観光や滞在に向けて表現しているかを気にかけた」とお話いただきました。
一次審査作品をすべてテーブルに並べ、他の審査員の評価も取り入れながら、各審査員が再度審査をし、作品選考を行いました。
2次審査後、作品が提案する内容に審査員も多くの気づきや新しい期待に心を動かされながら、今回のテーマ「さいかいかんこう」に叶うタイニーハウスについて審査員が熱く議論し、各賞に相応しい作品を選出しました。
選考の結果、以下の作品に受賞が決まりました。
◎最優秀賞
作品名:「西海で夢を叶える小商企業!!小商いをできる、移住者の家。」
お名前:川端 威士 様、白水 高広 様
◎奨励賞
作品名:「ヒノキを編む」
お名前:蟻川 佑太 様、村田 奈津子 様
◎学生賞
作品名:「木隠の旅籠」
お名前: 岡田 隼斗 様、石井 丈巳 様
◎妄想滞在記賞
作品名:「旅路を誘う7つの好寄家」
お名前:阿部 有希 様、稲葉 大将 様
◎タイニーハウス西海モデル開発研究会賞
作品名:「Between the Forest and the Sea」
お名前:岩橋 翼 様
◎YADOKARI賞
作品名:「道草処」
お名前:杉本 将平 様、茨木 歩 様、高橋 真美 様、小山 海 様
作品の詳細は「受賞作品決定」のページをご覧ください。
審査員による受賞作品の講評も後日掲載予定です。
◎佳作
作品名:「眾樂小屋」
お名前:吳 兆昌 様
作品名:「NOT A TINY HOUSE」
お名前:武藤 誠 様
作品名:「ヘルスメガホン」
お名前:小倉 源吾 様
審査員の議論の末に受賞作品が選ばれました。応募作品に描かれたタイニーハウスや妄想滞在記等を拝見し、応募者の皆さんが抱かれる世界はどれもワクワク・ドキドキさせてくれる素晴らしいものでした。
応募期間中、コンテスト応募の調査で西海市に訪れた方もいらっしゃったと西海市の職員の方に聞きました。タイニーハウスコンテストを媒介に応募者の方々との西海市との新しい繋がりが生まれています。