ショットグラスが似合う、レイクサイドのハードボイルドな横顔
そこは青かった。しろい水鳥たちは、空に身をゆだね、時には湖にそれをゆだねた。ブルーの境界をさ迷いながら、しかし彼らはなぜか自信に満ちていた。
こんな情景を仲間たちと存分に味わえる家が、米国アイダホ州にある。Olson Kundig Architectsによる、Chicken Point Cabinだ。
レイクサイドに佇むこのモダンでスタイリッシュなキャビンは、文字通り、湖に開かれている。そこから見る光景は、息をのむほど美しい。
ガレージのように開く大きな扉は、約6m×9m。開けると、湖からの風がすーっと舞い込んでくる。リビングから直接外に出られるので、とても開放感がある。
また使いようによっては、自転車やバイクをそのまま乗り入れることだって可能だろう。たとえば、映画『TRON: Legacy』の主人公サム・フリンのように。もっとも、この扉の開閉は自動でなく手回しなので、屋内で開けてくれる人がいれば、の話だが。
インテリアにもこだわりが見える。金属製サイロでできた暖炉、トラックのサスペンションのスプリングで支えた作業台、ステンレスのバスルームシンクなど、ハードボイルドな匂いを漂わせている。
レイクサイドで仲間と集い、嫌な日々の記憶をショットグラスで飲み干したり、輝かしい未来のためにシャンパンを開けたりするのも悪くない。
鳥のように自由たれ。
ありったけの自然のなかで、僕らは昇華され、また、結晶化する。