イギリスでは住宅販売価格と賃貸価格の高騰により、住宅危機となっているという。そんな背景もあってか、雨後のタケノコのように、ニョキニョキと様々なタイプのスモールハウスがイギリス各地に出現している。

今回紹介するのが、「Y:Cube」という低所得者のための賃貸住宅。
バックパッカーへ宿を提供していることでお馴染みのYMCAと、建築事務所のロジャース・スターク・ハーバー + パートナーズのコラボで実現した26平米のキューブ型スモールハウスだ。この家はもともとカラフルなビーチハウスからインスピレーションされたそうで、周辺の重厚な雰囲気と一線を画して、とってもカラフルだ。

さて、内部はどうなっているのだろうか。「Y:Cube」はレゴブロックのように好きなモジュールを組み立てて家をつくることができる画期的な住宅だ。各キューブはダブルベッドが設置されたベッドルームと、そこにつながるバストイレを完備。小型ながら機能的なモダンキッチンや勉強机、ソファーを置いたくつろぎのためのスペースまである。限られたスペースの中だが、実に機能的かつ居心地の良い空間ではないだろうか。

この建物は移築が可能で、耐久性のあるキューブの外装は工場で組み立てられ、補強されたパネルを再生可能な木材フレームに固定することで作られいている。内部に水道、暖房及び電気系統部品を設置。それぞれ完成したキューブをつなぎ合わせて、中庭タイプの形状の2階または3階建ての集合住宅となる。

内装デザイン、プロジェクト管理及び建築はイギリスの請負業者であるインスルシェルが担当した。
35棟の「Y:Cube」がYMCAの所有する土地に建築される見込みで、1件3万ポンド（約520万円）で販売される予定だ。また、週に140ポンド（約24,000円）で賃貸もできるそう。「Y:Cube」が、今後どんなふうにイギリス国内で広がっていくのか楽しみである。

Via:
http://tinyhouseblog.com/pre-fab/ycube
http://www.ymcalsw.org/ycube