都会の喧噪、その隙間。非日常を味わいたい。「Swamp Hut」
ああ、この喧噪から抜け出したい。仕事で埋め尽くされた日常から逃げたい。誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
非日常を求めて山へ入ったり、はたまた国外へ旅行したり。でも、できることなら近場で済ませたい。そう悩んでいる方も少なくないはず。
アメリカ合衆国、ボストンに拠点を置いている建築家、Keith Moskow と Robert Linn はそんな悩みを見事に解決しました。
彼らはボストンに拠点を置きながら、週末には西へ11キロ離れた場所に家族を引き連れ、非日常を味わっています。
ちょっとした林の中に、拠点を構えたのです。彼らはそれを「Swamp Hut」と呼びます。
Swamp Hut は、中央の正方形のデッキの側面(4カ所)に、仮説住宅のような1室をそれぞれ取り付けた形。
各部屋の屋根は急勾配で、高さは約4メートル。急勾配なおかげで、冬場は雪下ろしが要りません。全て滑り落ちます。
また4メートルという高さが、窮屈さを全く感じさせない空間をつくり出しています。
日中は林を探検、夜はデッキでBBQ。そんな生活を送っているそうです。
電気、水道、ガスは一切無いため、全て自分たちで用意しなければいけません。トイレは、彼らはコンポストトイレを使用しています。
とってもワイルドな生活になりますね。
現代がいかに便利か、自分がいかに支えられて生きているのか、実感できそうです。鳥のさえずりや、葉っぱの揺れる音が近隣の道路からの音をかき消し、都市近郊の、喧噪の中に非日常空間をつくり出します。
喧噪の中に居ても、工夫次第で非日常を感じられる。日常の中に、いかに隙間をつくるかが、鍵かもしれません。