築120年のレンガ小屋が、モダンなアトリエに変身「THE SHED」

オーストラリアの大都市シドニー郊外、クージービーチ(Coogee beach)まで歩いて行ける距離。大きなメタリックのスライドドアが印象的な切妻屋根の小さな小屋が「THE SHED」だ。

この74㎡のレンガ造の建物は、1890年にアイルランド人の鍛冶屋兄弟の作業場として建てられた。
120年以上経ったこの建物。ある時はバイク修理店、ある時は中古の機械置場で、最近では地元アーティストのスタジオでもあった。

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2003年、デザイナーのRichard Petersが2寝室の住居として購入しており。東側半分は、吹き抜けのリビングダイニング、2層の西側半分にはベッドルームとバスルームが各階にある。
南側の壁には、キッチン収納とクローゼットが設置され、通りからの騒音を緩和させている。小さなバスルームはコートヤードガーデン(中庭のように塀にかこまれた庭)に開け、プライバシーを保ちながらも、採光を得られる。両面に持つ開口を涼しい風が通り、熱い夏場を凌ぐことができる。

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室内のレンガ壁は白くペイントし、明るいベニヤを張り、採光を反射させることで、限られた採光を有効活用した。
断熱の入った新しい屋根は古い屋根を外側から覆うことで、元の金属屋根をリビングエリアに見せ、レンガ、木材、金属、コンクリートという建材が、まるで絵の具パレットのようにこの小さな住宅を彩っている。

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この「THE SHED」は街の著しい成長に伴い、限られた予算と土地という課題からリユースという選択肢を受け入れた住宅計画であり、ある都市の様態に影響を受けている。その都市とは、過密化し土地が不足する中で、狭い土地にフィットするように建物をデザインさせる東京だ。

限られた予算と土地(敷地面積99㎡)、程よい快適性、省エネルギー、最小限のプライバシー、これらを追求した小屋のリユースは、忘れられた路地をもリニューアルしてくれている。
オーストラリアの都市でも「負ける建築」の発想が求められてるのだろうか。

「負ける建築」:日本人建築家の隈研吾氏が著書「負ける建築」(隈研吾/岩波書店/2004)で唱えた21世紀に求められる建築感に対する一つの考え。構造・意匠ともに周囲を圧倒する存在感を持つ「勝つ建築」が20世紀に求められた反面、現在は、周囲の持環境・都市に開かれた「負ける建築」が求められ、またその存在が共同体のあり方に影響を与えるという建築感。

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via:
http://smallhousebliss.com/
http://thisispaper.com/
http://www.richardpetersassociates.com.au