どんな人にも、どんな場所にも住まいを。三輪車の家「Tricycle House」
世界の人口は70億人を超えているとか! 人は増えるけれど、土地には限りがある。高層ビルを建てれば住める部屋は増えるけれど、そんなところに部屋を借りる経済的な余裕がなかったら……
People’s Architecture Office (PAO) + People’s Industrial Design Office (PIDO)が考えだしたのは、三輪車にくっついた究極のモバイルハウスだ。
自転車大国で、人口の増え続ける中国。経済的に余裕がなかったら、屋根のあるところで住むのは諦めなくてはいけない……?
いやいや、そんなことはない。誰でも快適な住まいを持っていい。
中国の場合、土地の私的所有は認められていない。それをうまく利用したのがこの三輪車の家である。
素材は半透明のプラスチック。計算しつくされた折り目は、アコーディオンのように折りたためる。それはそれはミニマムな空間だけれど、驚くことにはシンクも、コンロも、なんとバスタブだって完備されているのだ!
水回りの設備も、丈夫なプラスチックでできた折りたたみ式だ。使わない時には収納できる。ひし形に繰り抜かれたおしゃれなシェルフは、ぱたんと倒せばダイニングテーブルになるし、ベッドにだってなる。
心配いらない。この三輪車モバイルハウスは、他のモバイルハウスと合体できるのだ。モバイルハウスだけじゃない。「モバイルガーデン」だってある。どこでもガーデニングだって楽しめてしまう。
都市部の駐車場は、夜の間は使われない。そのスペースを住まいに利用しない手はない。都心に住まいがあるから、通勤の渋滞に巻き込まれることもない。
半透明のプラスチックは、プライバシーを守りながらも光を通す。昼間は日光が、夜間は街の明かりが照明代わり。そんな飄々とした合理性も、このモバイルハウスの魅力だ。どこでも、どんな人にも、豊かな毎日は用意されているのだ。
via:
People’s Architecture Office (PAO)
http://www.dailymail.co.uk/
http://www.gizmag.com/